round 02

May 25-26 2013 FIM Trial World Championship United States of America アメリカ

SCHEDULE

ボウが両日ともに2位。藤波は日曜日に3位表彰台を獲得

2013年5月25日(土)、26日(日)・決勝  会場:セクアッチー  天候:25日(土)/晴れ、26日(日)/晴れ
気温:25日(土)/25℃、26日(日)/27℃  観客:25日(土)/3000人、26日(日)/3500人

2013年FIMトライアル世界選手権第2戦アメリカ大会が、テネシー州セクアッチーで開催され、Repsol Montesa Hondaのトニー・ボウが土曜日、日曜日にわたって2位表彰台を獲得。また、チームメートの藤波貴久は5位/3位を獲得しました。一方、アダム・ラガ(ガスガス)が両日ともに勝利し、ポイントスタンディングでボウを抜き、1点差のトップに出ています。

  • トニー・ボウトニー・ボウ
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  • トニー・ボウトニー・ボウ
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  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久

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5年のブランクを経て開催されたアメリカ大会は、5年前の2008年の会場と同じく、セクアッチーのトライアル・トレーニングセンターでした。アトランタから北へ車で約2時間半の距離に位置し、2日間の熱戦を繰り広げるには絶好のロケーションです。

深い森の中に設けられたセクションは全部で12で、大半は枯れ沢に設けられていました。この中を、開幕戦の日本GPと同じく、12セクションを3ラップして競われました。

土曜日の競技は、好天のもと、暖かい陽気の中で行われました。そのような中で、ジェロニ・ファハルド(ベータ)が好スタートを切りました。セクアッチーの乾いた地形が、母国スペインと似ているためか、1ラップ目は5点と好調な滑り出しをみせました。しかし、ボウとラガも、ファハルドに2点差で続き、接戦で1ラップ目を終えました。しかも、トップの3選手は、1ラップ目にそれぞれ1点ずつのタイムペナルティーを科されました。

2ラップ目は、ラガがすべてのセクションをクリーンしてきたのに対し、ボウは3点。ボウも優秀な成績でしたが、ラガの好調ぶりの前に、2ラップ終了時点で3点差とやや差をつけられてしまいました。

さらに3ラップ目、追い上げたいボウやファハルドを振りきるかのように、ラガは12セクションをわずか1点で戻ってきました。ボウ、ファハルドはそれぞれ6点。2ラップ目のリードをさらに広げ、ラガの今シーズン初優勝が決まりました。

ボウは優勝したラガの9点に及ばず、17点で2位に入りました。ボウから2点差でファハルド。ファハルドに5点差でアルベルト・カベスタニー(シェルコ)、藤波はカベスタニーに13点差で5位となりました。

土曜日の戦いが終了後、日曜日に向けて、主催者は4つのセクションの設定を変更。天候が日曜日も持つであろうことなどを理由に、セクションの難易度は土曜日よりも高められました。しかし、日曜日もラガの1ラップ目は3点。前日の1ラップ目のスコアよりさらに結果がよく、ボウに2点差をつけてスタートを切りました。

2ラップ目、今度はボウに力が入りました。2ラップ目のスコアはラガの5点に対して、ボウは3点。この結果、2ラップ目を終えて、同点で3ラップ目で勝敗を決することになりました。

この2選手に続いたのが藤波でした。しかし、藤波は2ラップを終えて26点と、4位のファハルドには3点差をつけていましたが、トップ2選手の5点には届かないかというスコアです。

こうなると、ボウもラガも、同じように勝利へのプレッシャーがかかってきます。そしてそれが結果に出ました。2人は同じようにミスを重ねていきます。3回目で走り慣れたセクションのはずでしたが、2人とも打って変わって減点をしていきます。両者の3ラップ目は、そろって16点。3位の藤波が12点、ファハルドが10点だったため、いかに3ラップ目のトップ2人の減点が大きかったかが分かります。

そして、最後の注目は優勝争いに集まりました。2ラップ目まで同点で、3ラップ目も同点だったため、2人は24点の同点でゴール。3位の藤波には14点差をつけていましたので、1位か2位は決まりましたが、どちらが勝利をするかはクリーン数の多さに委ねられました。トライアルでは、同点の場合はまずクリーンの数を数えて、多い方が勝ちとなります。

クリーン数の結果は、ラガが28、ボウが27。同点で、クリーン数がわずか1つの差でラガの勝利が決まりました。藤波は3ラップ目が12点。合計3ラップをコンスタントにまとめて、38点で3位表彰台を獲得しました。4位はファハルドで、藤波から2点差でした。

これで選手権のポイント争いは、ラガが60点でトップ。わずか1点差でボウが続き、藤波はボウに10点差で、ランキング3位となっています。日本大会、アメリカ大会が終わって、次戦はヨーロッパに戦いの舞台が戻ります。ここでトップの座を取り戻すべく、Repsol Montesa Hondaの面々は気持ちを新たにしています。

コメント

トニー・ボウ(2位/2位)「レースだから、勝てないこともあります。万が一、そのようなときは、2位はベストの結果です。今回は両日ともに2位ですから、悪くない結果だったと思っています。今回のラガ選手はとても強力でした。そして私は、いくつかのミスを犯しましたが、日曜日の3ラップ目の10セクションでの5点が、敗北を決定的にしてしまいました。ランキングトップを奪われてしまいましたから、今回の結果は選手権を戦う上でもよくないものです。しかし、私たちはもう次の戦いの準備を始めています。次の勝利のために、できることをすべてやろうとしています。チームの体制も、マシンも、私自身の身体的な面も含めてです。セクションは土曜日よりは難しくなっていてよかったと思いますが、それが私の敗北の理由ではありません。というのも、昨日より難しかったセクションでは、私のライディングはいいものだったからです」

藤波貴久(5位/3位)「土曜日はひどい一日になりました。ライディングがひどすぎました。それを分析すると、日本GPの2日目に勝利して、それが今回の戦いに対して、大きなプレッシャーになってしまっていたようです。5位は最悪の結果とはいえませんが、しかし目標は常に表彰台に上がることです。日曜日は、ライディングもずいぶんとよくなり、自信を持って走ることができました。マシンが2つのセクションで停止してしまったので、それだけで10点の減点が科せられて、ラガとボウを追うことは難しくなってしまいましたが、表彰台に上ることができたので、日曜日の結果には満足しています」

決勝

1日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 2 A.ラガ ガスガス 8 0 1 9 32
2 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 7 4 6 17 28
3 3 J.ファハルド ベータ 5 8 6 19 28
4 4 A.カベスタニー シェルコ 11 8 5 24 25
5 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 15 13 9 37 24
6 6 J.ダビル ベータ 14 15 11 40 21

2日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 2 A.ラガ ガスガス 3 5 16 24 28
2 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 5 3 16 24 27
3 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 15 11 12 38 22
4 3 J.ファハルド ベータ 23 7 10 40 23
5 4 A.カベスタニー シェルコ 16 21 18 55 18
6 6 J.ダビル ベータ 19 30 12 61 19

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 A.ラガ ガスガス 70
2 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 69
3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 59
4 J.ファハルド ベータ 56
5 A.カベスタニー シェルコ 49
6 J.ダビル ベータ 41
 
12 小川友幸 Honda 14