東日本大震災の影響で、6月の開催から8月にスケジュール変更となった日本GP。セクションは比較的簡単な設定だったのですが、金曜日に降った雨で状況が一変しました。どのセクションも泥々というコンディションとなり、走破が困難なものばかりとなりました。
1ラップ目にトップに立ったのは1番手スタートのアダム・ラガ(ガスガス)でした。しかし、わずか1点差でトニー・ボウ(Repsol Montesa Honda)が続いています。ボウの減点は15点。これに11点差で、藤波貴久(Repsol Montesa Honda)が3位でした。藤波は、いくつかの5点で後れを取ることになりました。
2ラップ目、ボウとラガのトップ争いは、1点を争うし烈なものとなりました。難セクションの戦いで、今度はボウがわずか2点でラガをリード。結果、1点差で逆転し、ボウが日本GP1日目の勝者となりました。
藤波は、2ラップ目はさらに減点を増やしてしまいます。1ラップ目で4位のジェロニ・ファハルド(オッサ)には12点差、スポット参戦の黒山健一(ヤマハ)には13点差をつけていましたが、藤波は第1セクションから5点。第6、第7と連続して5点を取り、この3セクションだけで1ラップ目より15点多く減点してしまいました。表彰台獲得も、決して楽観視できる状況ではありません。
第14セクションを5点となったあと、気を引きしめて挑んだ最終セクションは、見事にクリーン。続いてトライしたファハルドは5点、黒山もまたここで5点となり、試合は終わりました。藤波はファハルドにわずか1点差で3位表彰台獲得を実現。この表彰台獲得により、藤波のランキングは単独3位へと浮上しました。
スポット参戦の日本勢では、小川友幸(Honda)が8位、柴田暁(Honda)が11位に入っています。小川は第1セクションから大クラッシュ。身体は無事だったのが不幸中の幸いですが、マシンの修復が必要になるなど、厳しい戦いとなりました。
トニー・ボウ(優勝) 「大震災で大変なときに、応援に駆けつけてくれた日本のファンのみなさんに感謝です。今日のセクションは泥々で難しかったけれど、どれも不可能というものではありません。第9セクションもとても難しかったですが、1ラップ目にはどのポイントでも完ぺきにクリーンができました」
藤波貴久(3位) 「今日はまったく自分らしい走りができない一日になりました。地元日本での戦いということでプレッシャーもあったのでしょうが、セッティングがうまく出せずに、本領を発揮できませんでした。他人の失敗で喜んでいてはいけませんが、最終セクションでジェロニ(ファハルド)が5点になったおかげで3位になれて、よかったです」
順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | 総減点 | クリーン数 |
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1 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 15 | 16 | 31 | 20 |
2 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 14 | 18 | 32 | 20 |
3 | 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 26 | 38 | 64 | 14 |
4 | 4 | J.ファハルド | オッサ | 38 | 27 | 65 | 11 |
5 | 15 | 黒山健一 | ヤマハ | 39 | 34 | 73 | 10 |
6 | 9 | L.グビアン | ガスガス | 47 | 46 | 93 | 4 |
8 | 16 | 小川友幸 | Honda | 60 | 49 | 109 | 2 |
11 | 17 | 柴田暁 | Honda | 67 | 68 | 135 | 0 |
13 | 20 | 砂田真彦 | Honda | 75 | 73 | 148 | 0 |
14 | 19 | 斎藤晶夫 | Honda | 75 | 73 | 148 | 0 |
15 | 21 | 松浦翼 | Honda | 75 | 75 | 150 | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 152 |
2 | A.ラガ | ガスガス | 134 |
3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 114 |
4 | A.カベスタニー | シェルコ | 99 |
5 | J.ファハルド | オッサ | 95 |
6 | J.ダビル | ベータ | 69 |
16 | 小川友幸 | Honda | 8 |
18 | 柴田暁 | Honda | 5 |
23 | 砂田真彦 | Honda | 3 |
24 | 斎藤晶夫 | Honda | 2 |
26 | 松浦翼 | Honda | 1 |