round 6

July 31 2011
FIM Trial World Championship Great Britain
第6戦 イギリス

ボウ2位、藤波3位と、伝統のイギリスで表彰台

Repsol Montesa Hondaのトニー・ボウは、イギリスのフォート・ウイリアムで、アダム・ラガ(ガスガス)と1点を争う緊迫した戦いを繰り広げた末、2位となりました。ボウとラガの争いと同じような緊迫した戦いは、ボウのチームメートである藤波貴久とアルベルト・カベスタニー(シェルコ)の間でも繰り広げられました。この争いは、天候が変わる中、ウエットコンディションのトライアルをよくコントロールした藤波が勝利し、3位表彰台を獲得しました。

フォート・ウイリアムは、長い伝統を誇るSSDT(スコティッシュ6日間トライアル)の開催地として、世界中のオフロードファンには有名な町です。イギリス最高峰のベンネビスのふもとに位置し、厳しい荒野と岩々が、トライアルライダーに試練を与えます。

昨年のこの大会で勝利したボウは、新たな勝利を得るべく、再びこの地に戻ってきました。しかし、ボウには珍しく、1ラップ目に多くのミスがありました。これが、この日のボウから勝利を奪った要因となりました。ボウは1ラップ目に3つの5点を喫しています。対してラガと藤波は5点1つのみで1ラップ目を終えています。

  • 左からトニー・ボウ、A.ラガ、藤波貴久左からトニー・ボウ、A.ラガ、藤波貴久
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久

日本が誇る、04年世界チャンピオン藤波は、調子よく1ラップ目を走りました。1ラップ目終了時点で、減点はラガと同点。しかしこのあと、天候の急変が藤波の運命を変えていきました。朝の霧雨から、やがて晴れ間も見せるようになりましたが、再び雨。今度は豪雨となりました。この影響を受けて、藤波は3位に転落。4位のカベスタニーに1点差というきわどい表彰台でした。

雨により大変滑りやすいコンディションになりましたが、それでもこの雨は、ボウのベストラップを阻むほどではありませんでした。2ラップ目のボウは、9点のベストラップをマーク。しかしそれでも、ラガとの点差を逆転することはできませんでした。もっと減点を減らさなければならなかった上に、今回のボウは調子が出てくるのが遅かったのです。

ボウは2位となりましたが、ボウのチャンピオンシップでの優位は変わりません。残り2大会4試合を前に、ボウはラガに対し、15点のリードを取っています。一方、藤波は、今シーズン4回目の表彰台を獲得したことで、ライバルのカベスタニーをランキング争いで同点まで追い詰めました。この2人はともに99点で並んでいます。

コメント

トニー・ボウ(2位)「イギリスのトライアルファンは、すばらしいレースを観戦することになりました。セクションはすべてのライダーにとって挑戦しがいのあるもので、試合終盤にいくに従って、天候の変化がこれに輪をかけることになりました。僕のトライアルは、1ラップ目に減点が多すぎました。特にスタートしてすぐの序盤での数々の減点が、試合の流れを決定づけました。2ラップ目は雨が降って非常に滑りやすかったので、ラガとの点差を詰めるのは困難でした。今回のグランプリはすべてのライダーにとって過酷でした。減点が僅差で並んでいるのがそれを表しています。今日はラガにとっていい試合でしたが、僕にとってもいい試合でした。そしてチャンピオンシップにとっても、いい試合だったと思います」

藤波貴久(3位)「試合の序盤、僕は強い戦いができていました。大きな減点を取ることも少なかったと思います。気持ちもリラックスしていて、いい気分でセクションを走れました。セクションはハードで、しかし決して不可能なものではありませんでした。正直なところ、セクションは僕のライディングスタイルに合っていましたし、今日は勝てるかもしれないと思っていました。しかし2ラップ目にミスを連発してしまいました。そこで表彰台を守ることが大事だと決めて、後半戦を戦いました。雨は滑りやすい岩をさらに滑りやすくしていて、2ラップ目の走りは、いい出来とはいえません。しかし、3位表彰台はよい結果だったと思います。チャンピオンシップを戦う上でも今回の結果は重要なもので、納得のいく大会となりました」

決勝
順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 2 A.ラガ ガスガス 18 10 30 18
2 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 21 9 31 16
3 3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 18 23 49 14
4 5 A.カベスタニー シェルコ 25 22 50 15
5 6 J.ダビル ベータ 31 22 61 13
6 8 M.ブラウン ガスガス 29 43 74 8
ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 132
2 A.ラガ ガスガス 117
3 A.カベスタニー シェルコ 99
4 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 99
5 J.ファハルド オッサ 82
6 J.ダビル ベータ 69