round 5

July 10 2011
FIM Trial World Championship Italy
第5戦 イタリア

ボウ優勝、藤波3位でともに表彰台を獲得

Repsol Montesa Hondaのトニー・ボウと藤波貴久は、2人そろってイタリアグランプリの表彰台に上がりました。ボウは優勝、藤波は3位でした。ボウはこれで今シーズン5勝目となります。

今回もボウを脅かしたのはアダム・ラガ(ガスガス)でしたが、ボウは2位に入ったラガにダブルスコア以上の差をつけて勝利しました。

藤波は体調を崩していたため、高温多湿のコンディションの中での戦いに苦戦しましたが、2ラップ目は見事な追い上げを披露。ライバルに打ち勝って表彰台を獲得しました。

会場のモンテクレステーゼは、ミラノから北西に約100km。人口1200人の住民は、みな山陰に居を構えています。ここがトライアル世界選手権の会場となるのは今回が初めてです。コースは標高の低いエリアを中心に12kmほど。大きな丸い岩や切り立った岩肌が特徴的で、大会前日までの雨模様の中では、難しい設定となっていました。しかし金曜日に雨が止み、当日に乾いた岩肌が現れると、トップライダーにはずいぶん可能性が広がる設定となりました。

ボウは今回の勝利を含め、6戦中5勝を挙げています。ライバルへの優位は明らかで、その戦いぶりも他を圧倒していました。1ラップ目、ボウが失点したのは15セクションのうち3ヵ所のみ。第6セクションで1点、第7セクションをクリーンし、第8セクションで2点減点。あとは第14セクションの1点のみでした。多くのライダーが5点減点だった難度の高いセクションはいずれもクリーンで、ボウの1ラップ目の減点は合計4点でした。

1ラップ目にボウを追って2位につけたのは、アルベルト・カベスタニー(シェルコ)でした。カベスタニーの減点は10点。3位はラガの13点でした。

  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久

体調が非常に悪い藤波は、1ラップ目を5位で終えました。しかし、試合途中で降った激しい雨は、暑かった気温を一気に下げ、まるでエアコンが動作したかのようなコンディションとなりました。これで藤波も本領を発揮。1ラップ目には21点だったにもかかわらず、2ラップ目はたったの5点。31歳で年長者となった藤波を、5位から表彰台圏内にジャンプアップさせるには十分な結果でした。

2ラップ目に降った雨は、セクションをさらに難しくしました。雨が降る前に試合を終えられたライダーはごくわずかでした。

ボウとラガは、雨から逃げるように試合を進め、この試合のベストスコアをたたき出しました。ボウのスコアは2点。そしてラガは、それを上回るたった1点で15セクションを走りきりました。

勝利はボウ。そしてラガは1ラップ目の3位から2位に浮上し、藤波は5位から3位に浮上してイタリア大会は幕を閉じました。

2011年シーズンの世界選手権ラウンドは残り3戦。今大会の結果、ポイントランキングでボウは総合2位のラガとの差を18点と大きく広げました。そして表彰台を獲得した藤波は、総合3位のカベスタニーに2点差まで迫っています。

次の戦いは3週間後、イギリス・スコットランドのフォート・ウイリアムで7月31日に開催されます。

コメント

トニー・ボウ(優勝)「今日は、これまでとはまた違った意味でよいトライアルができました。走っている最中も、充実感がありました。特に1ラップ目はよい走りができたと思います。いい調子を維持して、雨が降る前に2ラップ目を走り終えることができました。僕とアダムに関しては、2ラップ目の好スコアはそれが大きな要因でした。これからスコットランドのイギリス大会まで、少しの間、休日を楽しみます」

藤波貴久(3位)「今週はずっと調子が悪かったのですが、土曜日の練習で少し事態改善のきざしが見えました。でも、当日起きたらひどい風邪をひいてました。試合前も試合中も、ずっと調子が悪く、さらに気温が高いのも不調の原因となっていました。2ラップ目はかなりよくなって、表彰台を獲得できました。ある意味、勝利したよりも意義ある表彰台かもしれません。こんな状態でこの成績を得たというのは、大きな喜びです」

ライア・サンツ(ジュニアクラス18位)「今日は自分自身に腹が立っています。セクションはそれほど難しくなかったので、よいトライアルをしてよい結果を残せるチャンスでもありました。しかし、簡単なところで、情けないミスをしてしまって、ひどい成績になりました。今日はとにかくダメな一日でした」

決勝
順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 4 2 6 25
2 2 A.ラガ ガスガス 13 1 14 24
3 3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 21 5 26 18
4 4 J.ファハルド オッサ 14 13 27 19
5 5 A.カベスタニー シェルコ 10 17 27 19
6 6 J.ダビル ベータ 21 20 41 14
ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 115
2 A.ラガ ガスガス 97
3 A.カベスタニー シェルコ 86
4 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 84
5 J.ファハルド オッサ 73
6 J.ダビル ベータ 58