2011年第2戦フランス大会は、土曜日、日曜日の2日間にわたって開催された。Repsol Montesa Hondaのトニー・ボウは、土曜日に3位表彰台を獲得し、日曜日には優勝。7点のシリーズポイントリードを守っている。
ボウのチームメートである藤波貴久は、今回は表彰台を獲得できなかった。土曜日と日曜日、それぞれ5位と4位に終わっている。
アダム・ラガ(ガスガス)は土曜日に勝利し、ボウにプレッシャーを与え続けたが、日曜日のボウは、2ラップ目にオールクリーンを達成して、その追撃を突き放している。
農村であるブレアル・ス・モンフォールは、2003年に初めてFIMトライアル世界選手権が開催された。2006年にはFIMトライアル・デ・ナシオンも開催されたことがあるトライアルフィールドである。岩場と急斜面が混合された会場で、乾燥していてほこりっぽく、いつものように、日曜日に向けてわずかにセクション修正が行われた。
ボウとラガは、ともに15点の減点で土曜日の1ラップ目を終えた。しかし2ラップ目、ボウは2つの5点を喫して、自ら優勝を逃したのとともに、2位の座もジェロニ・ファハルド(オッサ)に譲り渡すこととなった。開幕戦で4位だったラガは、これによりボウとのポイント差を2点にまで縮め、2日目で逆転を狙いたい心づもり。一方、藤波はさんざんだった。ゲートマーカーに触れて5点になるという、今年から厳しくなったルールに翻弄されたかっこうだ。
日曜日、勝利に向けて最初のスタートを切るラガは、その時点で自らにプレッシャーを与えてしまっていた。1ラップ目の序盤から細かい減点を重ねてしまう。代わってリーダーボードのトップに登場したのがアルベルト・カベスタニー(シェルコ)だった。カベスタニーは、全選手が5点を喫した2つのセクションでの減点を除いては、たった1回足を着いただけで1ラップを回った。1ラップ目が終わって、カベスタニーはボウに1点リード。2ラップ目になにが起こってもおかしくない点差である。
2ラップ目、ボウは最高のパフォーマンスを見せた。15セクションすべてをクリーンして、今シーズン2勝目。そしてシリーズポイントもラガに追いつかれるどころか、逆に4位となったラガとの点差を7点に広げた。
8戦のうち2戦が終了した今年の世界選手権。スペイン人同士のチャンピオン争いは、1カ月の間、つかの間の休息に入る。
トニー・ボウ(3位/優勝)「土曜日は、ミスが多すぎた。ライディングそのものは悪くなかったと思う。しかし特に2ラップ目が、やや集中力に欠けたライディングになってしまい、みんなと同じようにマーカーに触れての5点があった。そんなこともあって、日曜日にはいつもより多くのプレッシャーがかかってくることになった。ラガは土曜日にいいライディングをしていたし、選手権ポイントでも肉薄されていた。日曜日の1ラップ目は、完ぺきとはいえなかった。ライディングは悪くなかったので、それが2ラップ目に結果となった。これがトニー・ボウの本当のライディングだ。勝利と選手権のリードを守れて、気分がいい」
藤波貴久(5位/4位)「土曜日は最初から最後まで最悪だった。一番多かったのはマーカーに触れたという5点だったが、いくつかは触れた覚えのないものまで減点とされてしまった。日曜日は自信を取り戻して、精神的にもよりよい状態で走れたと思う。しかしまたしても、5点をたくさん取ってしまった。フランスでの週末は、とても納得のいく結果ではなかった」
ライア・サンツ(ジュニアクラス15位/18位)「いい週末とはいえなかった。特に日曜日は見ている人にもわかるように、土曜日よりさらに悪いことになった。いつもなら、ここのようなセクションは得意なのだが、今回はいいライディングができずにたくさんの5点を取ってしまった。ほかのライダーと同じように、マーカーに触れる5点もたくさんあった。次はホームグラウンドでの開催となる。しっかり休みを取って、よりよい結果を残したい」
1日目
順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 15 | 7 | 22 | 22 |
2 | 4 | J.ファハルド | オッサ | 17 | 7 | 24 | 20 |
3 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 15 | 12 | 27 | 21 |
4 | 5 | A.カベスタニー | シェルコ | 25 | 13 | 38 | 18 |
5 | 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 23 | 18 | 41 | 17 |
6 | 6 | J.ダビル | ベータ | 35 | 23 | 58 | 10 |
2日目
順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 12 | 0 | 12 | 27 |
2 | 5 | A.カベスタニー | シェルコ | 11 | 12 | 23 | 24 |
3 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 20 | 9 | 29 | 21 |
4 | 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 17 | 15 | 32 | 22 |
5 | 4 | J.ファハルド | オッサ | 17 | 29 | 46 | 19 |
6 | 6 | L.ギュビアン | ガスガス | 28 | 24 | 52 | 15 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 55 |
2 | A.ラガ | ガスガス | 48 |
3 | A.カベスタニー | シェルコ | 47 |
4 | J.ファハルド | オッサ | 39 |
5 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 39 |
6 | J.ダビル | ベータ | 27 |