
トニー・ボウと藤波貴久。REPSOL MONTESA HONDAの2人のエースが、ポルトガルでの2日間の戦いで勝利を分けあった。しかし、優勝した日以外は両ライダーとも4位と、思うような結果につなげられなかった。
ポルトガル大会の総合優勝は、両日ともに2位に入ったアルベルト・カベスタニー(シェルコ)の手に渡ることになった。
アイスランドの火山噴火の影響で、多くの飛行路線が運休し、ヨーロッパの旅は困難となっていたが、トライアル世界選手権のメンバーにとっては幸いなことに、開幕戦スペインの会場から第2戦ポルトガルの会場まで、わずか150kmほどの距離だった。ポルトガルの北端、ポルトのすぐ北側に位置するパコス・デ・フェレイラは、小さな丘の町。過去に何回かの大会が開催されていて、世界選手権の開催地としては比較的よく知られている。
セクションは、町を見下ろす丘の上、乾いた大岩に設定されていた。セクションは金曜日と土曜日の夜にそれぞれ修正が加えられ、難度が高められていたが、ここ最近の世界選手権のレベルと比べると、比較的走りやすい設定だったともいえる。
土曜日のボウは完ぺきだった。15セクション2ラップで行われたレースで、合計30セクションをすべてクリーンし、文句なしの勝利を得た。ボウに対抗するライバルにとっても、相手が1つのミスもなく試合を進めてしまうのでは、手の打ちようがない。
ボウに最も近い位置で試合を戦っていたのは、藤波だった。1ラップ目の藤波は、5点なし、3点1つ、1点2つで15セクションを終え、減点5。イギリスのジェイムス・ダビル(ガスガス)に1点差の2位につけていた。ところが2ラップ目、藤波は第5セクションで痛恨の5点。この5点以外の減点はわずか1点だったので、なんとも惜しまれる減点となった。これが響いて藤波は4位に後退。開幕戦に続いて、表彰台を逃す結果となった。
反対に、1ラップ目で本領を発揮できないでいたカベスタニーとアダム・ラガ(ガスガス)は、そろって2ラップ目で調子を取り戻した。2人はともに2ラップ目の減点を1点に抑え、2位と3位に入った。
3連勝に向けて、日曜日に真っ先にスタートしたボウ。しかしこの日は、勝利を挙げ、チャンピオンシップポイント20点を獲得することができなかった。ボウは2ラップともに第9セクションで5点。このセクションでの10点減点により、勝利を失ったばかりか、表彰台まで逃がす結果となった。ボウのライバルはそろって、この第9セクションを減点1で通過していった。
藤波は、この日は集中力を保っていた。1ラップ目は減点3で、2位のポジションにつけた。そして、2ラップ目は減点1。一方のカベスタニーも、1ラップ目で2点、2ラップ目で3点という好成績だったが、1点差で藤波が逆転勝利を飾った。
2日間を終え、ポルトガル大会の総合優勝はカベスタニーとなったが、チャンピオンシップのリーダーはいまだにボウが守っている。続いて、唯一3レースとも表彰台に乗っているラガが6点差でランキング2位。今回の勝利でランキングを3位に上げた藤波が1点差で続いている。
トニー・ボウ(優勝/4位)「土曜日は完ぺきだった。しかし日曜日は全く違った。誰よりも先にスタートしたため、第9セクションは本当に難しくなってしまった。この日問題だったのはこのセクションだけで、1ラップ目での減点は、この5点以外はたった1点だけだった。2ラップ目も、ライバルはみなこの第9セクションを1点で抜けていた。僕はここをクリーンできると思っていたが、1ラップ目と同じ最後のポイントでミスをしてしまった。恐らく、これ以上ミスができないという状況に置かれていたことが、知らないところで大きなプレッシャーになっていたのだと思う。でも、今日のところはこれでOK。表彰台は逃したが、今後もチャンピオンシップをリードできるよう戦うよ!」
藤波貴久(4位/優勝)「セクションは2日間を通じて簡単だった。土曜日は、たった2つのミスで4位になってしまった。しかし、2位や3位とは大差がなく、状況は開幕戦のバイヨーナと似たようなものだった。レース中はずっと表彰台圏内で戦いをしていたにも関わらず、最後になって表彰台を逃してしまった。しかし土曜日は、強いメンタルを持って試合に臨めたと思う。5点は1つもとらず、他の減点も可能な限り減らすことができた。自分のライディングにも自信を持てた。今日はとてもエキサイティングな日だ。自分がまだ勝てるライダーであるという確証が持てた。フジガスは健在だよ!」
ライア・サンツ(ヨーロッパ選手権、ジュニアカップ参戦)「土曜日のレースはあまりよくなく、日曜日も同様だった。マシンは快調だったが、私にはうまく合わなかった。これから帰って、もう一度マシンのセッティングを見直し、練習を積もうと思う。目標はトップ10入り。次の戦いまでにすべきことは見えてきている」
1日目
| 順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | 総減点 | クリーン数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 0 | 0 | 0 | 30 |
| 2 | 5 | A.カベスタニー | シェルコ | 7 | 1 | 8 | 26 |
| 3 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 9 | 1 | 10 | 24 |
| 4 | 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 5 | 6 | 11 | 25 |
| 5 | 7 | J.ダビル | ガスガス | 6 | 8 | 14 | 26 |
| 6 | 6 | D.ランプキン | ベータ | 12 | 4 | 16 | 23 |
2日目
| 順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | 総減点 | クリーン数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 3 | 1 | 4 | 26 |
| 2 | 5 | A.カベスタニー | シェルコ | 2 | 3 | 5 | 25 |
| 3 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 6 | 2 | 8 | 26 |
| 4 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 6 | 5 | 11 | 27 |
| 5 | 6 | D.ランプキン | ベータ | 9 | 2 | 11 | 24 |
| 6 | 4 | J.ファハルド | ベータ | 8 | 6 | 14 | 24 |
| 順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 53 |
| 2 | A.ラガ | ガスガス | 47 |
| 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 46 |
| 4 | A.カベスタニー | シェルコ | 45 |
| 5 | J.ファハルド | ベータ | 34 |
| 6 | J.ダビル | ガスガス | 30 |