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トニー・ボウ(REPSOL MONTESA HONDA)は、ファクトリーマシンのMontesa COTA 4RTを操り、4位でフィニッシュ。その結果、トライアル世界選手権の3年連続王者となった。
試合中盤に降り始めた激しい雨は、戦いをより混沌としたものにした。乾いたセクションが、次の瞬間にはあっという間につるつるの滑りやすいセクションへと激変してしまう。ボウのチームメートの藤波貴久は、刻々と変わるコンディションによく対処し、優勝したアダム・ラガ(GAS GAS)に次ぐ2位に入った。藤波の2位表彰台は、最終的にシリーズランキング3位という結果につながった。表彰台の最後の一角には、ジェロニ・ファハルド(ベータ)が上った。ボウは4位で表彰台を逃したが、ボウが表彰台を逃すのは2009年シーズン中、これがはじめてのことだった。
フランスの有名なスキーリゾートであるイゾラ2000は、地中海沿いの町・ニースから90kmほど離れた山の中にある。2009年を締めくくるクライマックスの舞台としては、最高の設定だった。
海抜2000m。高山独特の地形が手ぐすねを引いてライダーを待ち受けた。巨大な岩々で構成されるセクション群は、すべて自然の地形そのまま。この会場は、同じセクションを2度使用せずに、世界選手権を4回ほど開催できるほどセクションが豊富だ。
日曜日当日、雨の兆候は常にあった。しかし、ライダーがスタートしたころはとてもいい天候で、急変を深刻に予想したライダーはわずかだった。
ベテランライダーのドギー・ランプキン(ベータ)は、手首の骨折がまだ癒えていないという逆境の中、雨を想定してか早いうちにセクションを走り抜けた。その結果、ランプキンは負傷にもめげず、7位のポジションを得ることに成功した。そしてランキングでも6位を守ることになった。
1ラップ目にベストスコアをたたき出したのは藤波だった。その減点はわずか4。しかし、1点差でラガが追い上げていたことに加え、3点(3分分)のタイムペナルティが科せられた。1ラップ目の持ち時間を使い切って、わずかにゴールが遅れたのだ。この接戦では、3点のタイムペナルティは大きかった。
ランキングポイントで、あと1点を獲得すれば世界チャンピオンを決定づけられるボウには、もはやプレッシャーはなかった。しかしボウもまた、タイムペナルティがあって1ラップ目のスコアは4位と同点の10点となっていた。
ラガは、雨が降る前に多くのセクションをこなしていて、これが勝敗に大きな影響を与えることになった。2ラップ目、ラガの失点はわずかに2点で、これをしのぐスコアをマークするのは困難だった。ボウは、それでも2ラップ目終盤まではガマンを重ねてトライ。10セクションまでは1つの減点もなく試合をまとめていた。しかし11セクションで2点となると、12セクションでも2点、さらに13、14で連続5点をとってしまい、表彰台から脱落。3度目の世界チャンピオン獲得は、今シーズン最低順位で決定することになった。
藤波は、困難な戦況の中、Montesa COTA 4RTをうまく走らせて、2戦連続で2位表彰台を獲得。藤波の活躍は、Montesaのマニュファクチャラーズタイトル獲得に、大きく貢献した。
| 順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | 総減点 | クリーン数 |
| 1 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 5 | 2 | 7 | 25 |
| 2 | 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 4 | 14 | 18 | 22 |
| 3 | 4 | J.ファハルド | ベータ | 12 | 10 | 22 | 18 |
| 4 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 8 | 16 | 24 | 20 |
| 5 | 5 | A.カベスタニー | シェルコ | 13 | 11 | 24 | 19 |
| 6 | 7 | M.フレイシャー | ガスガス | 10 | 21 | 31 | 17 |
| 順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
| 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 200 |
| 2 | A.ラガ | ガスガス | 188 |
| 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 147 |
| 4 | J.ファハルド | ベータ | 136 |
| 5 | A.カベスタニー | シェルコ | 128 |
| 6 | D.ランプキン | ベータ | 118 |
| 17 | 小川友幸 | Honda | 7 |
| 19 | F.レンツィ | モンテッサ(Honda) | 3 |
| 21 | 小川毅士 | HM FUTURE | 2 |
| 23 | 渋谷勲 | Honda | 1 |
| 順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
| 1 | モンテッサ(Honda) | 347 |
| 2 | ガスガス | 300 |
| 3 | ベータ | 252 |
| 4 | シェルコ | 190 |
| 5 | ヤマハ | 23 |
| 6 | Honda | 8 |
コメント
藤波貴久(2位)
「全体的に満足のいく大会だった。1ラップ目には、いくつかとてもいい走りができたし、タイムペナルティをのぞいて考えれば、トップで折り返すこともできた。2ラップ目はたいへんな戦いとなった。第9セクションまで来たとき、雨が激しく降り始めた。ここでは1ラップ目同様にいい走りができてクリーンをしたが、次の第10セクションは強烈に滑るコンディションになっていて、5点になってしまった。今日は体調もよく、走りもよかった。雨が降るまでは、メンタル的にも強い状況を維持できていたと思う。世界選手権ランキング3位も、イギリスGP1日目に、自分のトライアルキャリアの中で唯一リタイアとなったことを考えれば、とてもいい結果だったと思う。ランキング4位に対して十分なマージンを持ってのランキング3位となれたのも、よかったと思う」
トニー・ボウ(4位)
「世界チャンピオンになるというのに、今日はそれに見合う戦い方ができなかった。やはり世界チャンピオンの獲得はとてもうれしいけれど、今日の走りには満足できない。今日は2つの大きな失敗があった。2ラップ目の第13と14セクションだ。この失敗で、表彰台を失うことになった。しかし、それは今日の出来事で、シーズンを通じてみればマシンはよく機能し、チームはいい仕事をしてくれた。それが今日の栄冠につながっている。今はチームやお世話になったみんなにとにかくありがとうと言いたい。来週のトライアル・デ・ナシオンのあと、小さな祝勝パーティを持つ予定だ。それは来シーズンに突入する前の、ささやかの休息の時間となる」
ライア・サンツ
※REPSOL MONTESA HONDAはこの週末、2つの大きな喜びを得ることになった。土曜日に開催された女子世界選手権でライア・サンツが勝利。3戦のうち2戦で勝利を収めたことで、次週の最終戦イタリアGPを待たず、彼女は2年連続で世界チャンピオンを獲得した。彼女はまた、日曜日のジュニアクラスにも出場し、15位に入ってポイントを獲得している。