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トニー・ボウ(REPSOL MONTESA HONDA)が3位の表彰台に上り、世界選手権のポイントリードを守った。2009年世界選手権は、このアンドラ大会で6戦目、9試合目を消化した。
ボウはHondaの4ストローク・ファクトリーマシンを操り健闘したが、小さなミスが響いてわずか2点差で2位の座をとりこぼした。しかし選手権は残り2戦。ボウのリードは12点とその優位は揺らいではいない。
ジェロニ・ファハルド(ベータ)の優勝は衝撃的だった。スペインの若手ライダーであるファハルドの勝利はこれが初めて。今シーズンは、これまでで最も若い数字であるゼッケン4をつけてのチャレンジとなっていた。
ボウのライバルであるアダム・ラガ(GAS GAS)は2位。藤波貴久(REPSOL MONTESA HONDA)は今回は4位にポジションを落としている。
アンドラの会場は、非常に高地にあり、景観もすぐれている。世界選手権は毎年アンドラのこの地を訪れているが、もちろん、ここより標高の高い選手権会場はない。最も標高の高いセクションは2000mを超えているのだ。
険しい渓谷に設けられたセクションとアクロバティックな設定も毎年、アンドラがライダーに提供しているもの。セクショングループは主に2つにまとまっていた。最初の5セクションはいずれも狭いものだったが、パドックのすぐ下側を流れる川に沿って設定されていた。木に囲まれた湿った岩は滑りやすく、ライダーを苦しめることになった。
最初の4セクションは、トップライダーのほとんどがクリーンをしたが、ドギー・ランプキン(ベータ)とボウだけが、ここまでに小さな減点を喫してしまった。続く第5セクション、藤波が最初の登りで動きを止めてしまったものの、力強くマシンを押し出してここをアウト。このセクションを3点で抜けたのは藤波だけで、藤波はここでこの大会のリーダーとなった。藤波は試合開始、早々にクラッチトラブルやパンクに見舞われるという不運を克服して戦っていた。
戦況の変化は第7セクションだった。ここで藤波が5点となり、ボウがクリーン。ファハルドとラガが2点で通過したことで、トップはファハルド、ラガ、そしてボウが同点の7点、藤波は8点でこれに続くことになった。
この後、ボウは第9セクションで痛恨のミスを犯し、この日2つめの5点。追撃の勢いをそがれてしまう。その後も小さなミスが重なって、非常に集中して戦っていたファハルドにリードを奪われたまま、1ラップ目を終えた。
2ラップ目、追い上げのための15セクションの戦いが始まった。ファハルドを追い、ラガに競り勝つためのボウの勝負は、再びミスで望みを絶たれてしまった。ファハルドには8点差、ラガには2点差で、前回イタリア大会に続いて3位表彰台に甘んじることになった。
藤波はやや減点が多かったものの、2ラップを安定したスコアで終え、ランプキンに1点差の4位を獲得した。藤波はランキングでしっかり3位をキープしたところで、ヨーロッパの伝統的な長い夏休みを迎えることができた。
次のラウンドは、第7戦スペイン大会。会場はトナで、9月6日に開催される。
| 順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | 総減点 | クリーン数 |
| 1 | 4 | J.ファハルド | ベータ | 8 | 7 | 15 | 24 |
| 2 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 15 | 6 | 21 | 23 |
| 3 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 15 | 8 | 23 | 19 |
| 4 | 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 21 | 22 | 43 | 16 |
| 5 | 6 | D.ランプキン | ベータ | 21 | 23 | 44 | 16 |
| 6 | 8 | J.ダビル | ガスガス | 26 | 18 | 44 | 11 |
| 順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
| 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 167 |
| 2 | A.ラガ | ガスガス | 155 |
| 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 113 |
| 4 | J.ファハルド | ベータ | 106 |
| 5 | A.カベスタニー | シェルコ | 106 |
| 6 | D.ランプキン | ベータ | 104 |
| 16 | 小川友幸 | Honda | 7 |
| 18 | F.レンツィ | モンテッサ(Honda) | 3 |
| 19 | 小川毅士 | HM FUTURE | 2 |
| 21 | 渋谷勲 | Honda | 1 |
| 順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
| 1 | モンテッサ(Honda) | 280 |
| 2 | ガスガス | 247 |
| 3 | ベータ | 207 |
| 4 | シェルコ | 160 |
| 5 | ヤマハ | 23 |
| 6 | Honda | 8 |
コメント
トニー・ボウ(3位)
「1ラップ目の第9セクションの失敗が大きかった。今日の結果が悪いのは、あの5点がきいている。ただ、そんなに落ち込んでいるわけではない。ライディングそのものは悪くなかったし、トップをとったファハルドやラガとも僅差だ。毎回毎回勝ち続けるというのも難しいものだ。それでも2位を確保しておきたかったのだが、さらにもう1つミスをしてしまった。それが2ラップ目の14セクションで、試合の終了直前だったから、もう取り戻せなかった。3位は悪くない。チャンピオンシップはまだリードがある。今日のことを考えるより、残る2つのトライアルで勝利してタイトルを獲得することに、気持ちを集中させるよ」
藤波貴久(4位)
「トライアルを始めて以来、めったにないぐらい悪い一日だった。まず朝のプラクティスでクラッチにトラブルが発生してしまった。その修復をしてスタートした。修復はすっかりできていると確信していたが、第1セクションにつくまでにまた症状が再発した。そこでまた修復作業をし、それが完了したかと思ったら、第1セクションの出口手前で今度はフロントタイヤがパンクした。パンク修理も含めて、全部で約15分を失った。その後も、川の中のセクションはよかったが、乾いたセクションでは失敗が続いてしまった。4位の結果は満足できるものではないが、カベスタニー(シェルコ)やランプキンよりいいポジションでトライアルを終えられたので、チャンピオンシップ上はひと安心だ」
ライア・サンツ
※ライア・サンツのメイン舞台である女子世界選手権が始まった。土曜日が女子世界選手権の開幕戦。第1ラップのライアは必ずしも調子がいいようには見えなかったが、2位以下とのリードは確実に守り、まずは幸先のいい1勝をマークした。ライアはこの勢いを日曜日のジュニアクラスにも持続させて、今シーズン最高位となる10位を獲得、1週間前のイタリア大会での雪辱を果たした。