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今シーズン2度目の、REPSOL MONTESA HONDAが表彰台のトップをとれなかった戦いとなった。藤波貴久とトニー・ボウは過酷だったイタリア大会を2位と3位でまとめることになった。GAS GASのアダム・ラガは、この機を逃さず今シーズン2度目の勝利を得た。ラガは、特に2ラップ目にすばらしい走りを見せての勝利だった。
ボウと藤波の両者も、午後に入っての2ラップ目には、自慢のファクトリー4ストロークマシンのサウンドとともに調子を上げてきた。午後になると、難関ぞろいの今回のセクションも、いくらかグリップを回復してきたのだ。
ボウは今シーズン初めて3位まで成績を落としたが、いまだシリーズランキングでは堂々のトップ。2位のラガとは14ポイントの差をつけている。今シーズンの残り試合は3戦となった。藤波は今回の2位表彰台でランキング3位の座を奪還している。
バルツィオはミラノの北方80kmに位置する山深い小さな町だ。この週末、この町で世界選手権が開催された。深い谷に配置された緑あふれるセクション群は、パドックのすぐそばから始まる。大会前には雨が降り、木の根や大地から油分を洗い流す効果も生んでいた。
ファクトリーマシンのMontesa COTA 4RTを操るボウは、いつものように好調にスタートを切り、最初の7セクションで1点と、3点の藤波、4点のラガをリードしていた。しかし続く第8、9、10セクションは、連続で5点を喫し、ボウにとって最悪の結果となった。トップ10で3連続5点となったのはボウを含めて2人だけで、これがこの日のボウを苦しめる決定的要因となった。
さらにボウは、1ラップ目で3時間の残り時間を使いきってしまっていた。この日のコースは厳しかったので、多くのライダーが3時間には間に合わずにタイムペナルティを科せられたのだが、その中でもボウが受けた6点(6分)のペナルティは多い方になる。ボウらしからぬ5点の連続とタイムペナルティで、1ラップ目のボウは5位と低迷した。藤波は、同じく4点のタイムペナルティを受けてはいたが、暫定トップのラガと2点差と健闘している。
午後になって気温が上昇。大地は急速に乾いていった。REPSOL MONTESA HONDAの2人にとっては、ここでばん回して表彰台の頂点を狙うしかない。
2ラップ目、ボウは再び12セクションで5点となってしまったものの、2ラップ目のトータルはわずか10点。1ラップ目から数えると、22点もスコアを減らしたことになる。これでボウは、表彰台の一角にまでポジションを復活させた。
藤波も2ラップ目を15点で回ってきた。しかしこれでも、ラガの勝利を脅かすには足りなかったが、これで3戦連続の2位表彰台獲得となった。
| 順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | 総減点 | クリーン数 |
| 1 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 19 | 15 | 34 | 20 |
| 2 | 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 21 | 19 | 40 | 16 |
| 3 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 32 | 16 | 48 | 18 |
| 4 | 6 | D.ランプキン | ベータ | 26 | 24 | 50 | 15 |
| 5 | 5 | A.カベスタニー | シェルコ | 32 | 19 | 51 | 14 |
| 6 | 4 | J.ファハルド | ベータ | 37 | 18 | 55 | 14 |
| 13 | 13 | F.レンツィ | モンテッサ(Honda) | 69 | 62 | 131 | 2 |
| 順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
| 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 152 |
| 2 | A.ラガ | ガスガス | 138 |
| 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 100 |
| 4 | A.カベスタニー | シェルコ | 97 |
| 5 | D.ランプキン | ベータ | 93 |
| 6 | J.ファハルド | ベータ | 86 |
| 16 | 小川友幸 | Honda | 7 |
| 18 | F.レンツィ | モンテッサ(Honda) | 3 |
| 19 | 小川毅士 | HM FUTURE | 2 |
| 21 | 渋谷勲 | Honda | 1 |
| 順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
| 1 | モンテッサ(Honda) | 252 |
| 2 | ガスガス | 220 |
| 3 | ベータ | 176 |
| 4 | シェルコ | 145 |
| 5 | ヤマハ | 23 |
| 6 | Honda | 8 |
| 7 | HM FUTURE | 2 |
コメント
藤波貴久(2位)
「今日のライディングは、とても完ぺきではなかった。ライディングには満足していないが、2位という結果にまずは満足している。大会はいいものだったと思う。セクションは1ラップ目にはちょっと難しすぎるところがあった。多くのライダーが減点を重ねたのを見ても、それは明らかだ。1ラップ目のトライは、最終セクション群までは順調だった。しかし問題は、時間が足りなくなってしまったことだ。それで最終セクション群では、満足な下見をしないままにトライした。第13、14セクションで5点となってしまったのは、それが原因だと思う。2ラップ目は、満足のいくラップとなった。イギリスで打った胸は、まだ少し痛みを伴っている」
トニー・ボウ(3位)
「問題は自分のメンタリティにあった。第8セクションでの情けない5点のあと、完全に落ち着きを失ってしまった。自分で自分に腹を立て、またそれが次のセクションに影響してしまった。1ラップ目の5位は絶望的だったが、それで表彰台への意欲も生まれてきた。加えて、1ラップ目の後半には時間も足りなくなった。最後には、我ながらなかなかがんばってポジションを復活したと思っている。今は、この日の出来事をきちんと分析しておきたい」
ライア・サンツ
※唯一の女性ライダーのライア・サンツが、開幕戦、4月のアイルランド大会以来、SPEA FIMトライアル世界選手権に戻ってきた。しかし、リザルトは17位と低迷した。