トライアル世界選手権シリーズ第4戦ウイダー日本グランプリが、6月6日に栃木県のツインリンクもてぎで開幕した。決勝レース1日目は、雲がもてぎを覆い、肌寒い天候の中でのスタートとなった。
今年は、ツインリンクもてぎでウイダー日本グランプリが始まってから10年の節目を迎えた。これまで第1セクションと第15セクションは、スーパースピードウェイに特設ゾーンとして設置されていたが、今年はこの2セクションを中央エントランスに新設した。この変更で、例年に増してセクション間のアクセスが容易となり、ファンはより多くのセクションを観戦できる環境となった。
また、第2セクションから第14セクションは、急こう配を一気に駆け上る森ゾーンをはじめ、毎年見どころとなっているハローウッズの庭ゾーン、泥と滑りやすい石で構成された沢ゾーン、そして圧倒的な迫力を見せる岩盤ゾーンと、ツインリンクもてぎが有する自然の特徴を生かしたレイアウトで構成されている。それだけに、マシンとライダーの絶妙なマッチングと高度なテクニックが求められる戦いとなる。
REPSOL MONTESA HONDAからは、今シーズンのインドア世界選手権でチャンピオンを獲得し、現在トライアル世界選手権でランキングトップに位置するトニー・ボウと、世界選手権クラスで唯一の日本人ライダーで、ウイダー日本グランプリ第1回大会から参戦し、10年の歴史を知るベテランライダー藤波貴久の2名が参戦した。
決勝レース1日目は、前日に降った雨により序盤はマディで滑りやすい環境となっていたが、1ラップ目終盤から日が差したことで徐々に乾き始め、コースコンディションが大きく変化する一日となった。その中で、初日を制したのはボウ、そして2位にはチームメートの藤波が入り、2008年に行われた第3戦アメリカGP以来11戦ぶりの1-2フィニッシュとなった。
中央エントランスに設けられた第1セクションからスタートした藤波は、ボウとともに順調に2つのセクションをクリアするも、第3セクションで岩から岩へと飛び移る部分でタイミングが合わず、岩を登りきれずに痛恨の減点5点。
その後もハローウッズの庭ゾーンにある第7、第8セクションで足着きで1点ずつ減点。今回の日本グランプリで難所といわれる第9セクションでは、多くのライダーが減点5のところを慎重な走りで減点3に抑えて着実にレースを進め、1ラップ目を減点12でフィニッシュ。
一方、ボウは2009年モデルのMontesa COTA 4RTを意のままに操り、15セクション中、第9セクションのみが2点減点という、多くの観客を魅了する高度なライディングスキルを見せた。1ラップ目が終わった時点で、ボウがトップに立ち、続いて藤波が2位につけた。
2ラップ目がスタートしたころには、天候が回復し強い日差しとなった。藤波は、1ラップ目で3位につけたアダム・ラガ(GAS GAS)に3点差と僅差につけられており、2ラップ目ではより確実な走りが求められた。藤波は、ライバルライダーと順位が次々と入れ替わる中、1ラップ目で減点を受けたセクションの減点数を最低限に抑え、順調なペースでセクションをクリアしていった。これにより、3位のラガとは6点差で、藤波の2位が確定。
ボウは繊細でありながら、力強い走りを見せ、昨年に続き優勝でしめくくった。藤波は、前戦イギリスGPでの負傷を感じさせない走りで、来場した多くのファンを熱狂させた。
| 順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | 総減点 | クリーン数 |
| 1 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 2 | 4 | 6 | 26 |
| 2 | 3 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 12 | 9 | 21 | 18 |
| 3 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 15 | 12 | 27 | 21 |
| 4 | 6 | D.ランプキン | ベータ | 14 | 17 | 31 | 19 |
| 5 | 8 | J.ダビル | ガスガス | 21 | 10 | 31 | 14 |
| 6 | 4 | J.ファハルド | ベータ | 23 | 10 | 33 | 18 |
| 13 | 11 | 小川友幸 | Honda | 39 | 39 | 78 | 9 |
| 15 | 19 | 渋谷勲 | Honda | 51 | 43 | 94 | 10 |
| 16 | 15 | 小川毅士 | Honda | 45 | 51 | 96 | 4 |
| 17 | 16 | 尾西和博 | Honda | 62 | 64 | 126 | 1 |
| 19 | 17 | 岡村将敏 | Honda | 62 | 68 | 130 | 1 |
| 20 | 18 | 斎藤晶夫 | Honda | 69 | 62 | 131 | 0 |
| 21 | 22 | 砂田真彦 | Honda | 68 | 65 | 133 | 1 |
| 22 | 20 | 小野田理智 | Honda | 69 | 68 | 137 | 0 |
| 23 | 23 | 徳丸新伍 | Honda | 71 | 69 | 143 | 0 |
コメント
トニー・ボウ(優勝)
「今日の結果には大変満足している。小さなミスはあったが、昨年と同様に比較的トリッキーなセクションも少ないので、明日はパーフェクトを目指して努力する。特に第9セクションでは2ラップともに減点があったので、明日はクリアできるよう、がんばってチャレンジしていく」
藤波貴久(2位)
「前回のイギリスGPで胸を強打して以降、マシンに乗れずにいたが、今回のもてぎで久しぶりにライディングして2位に入賞できたのは、うれしかったし自信もついた。その胸の痛みが、今日の2ラップ目で出始め、痛みとの戦いとなってしまった。今年は楽しく走ることを目標にし、お客さんの応援も手伝ってリラックスして走れた。1ラップ目の第3セクションでの減点5点は今日最大の失敗だったし、第15セクションでは2回とも同じところで足を着いてしまったので、そこが明日の課題となるだろう。明日は天気がよければ、今日以上の神経戦になると思う。今日の1-2フィニッシュという結果をHondaのホームコースのここツインリンクもてぎで成し得たことは、チームにとって大変よかったと思う。明日は1位を目指してボウとともに戦っていく」