ボウが2日連続で優勝し、タイトル獲得に弾みをつける

2009年5月16日(土)、17日(日)
決勝
会場:イギリス・カーライル
天候:土曜日/大雨、日曜日/薄曇り
気温:土曜日/12℃、日曜日/15℃
観客:5000人

REPSOL MONTESA HONDAのファクトリー製のMontesa COTA 4RTに乗るトニー・ボウは、土曜日と日曜日の2日間にわたって開催された第3戦イギリスGPで、両日ともに勝利。早くも2009年世界選手権のリードを取り始めた。

一方、ボウのチームメートである藤波貴久は、土曜日に大クラッシュを喫して試合の最後まで走れないというアクシデントに見舞われた。今年の選手権にかけていた藤波には大きな痛手だったが、日曜日には再び戦列に復帰すると、ろっ骨の痛みに耐えながら4位に入賞した。

トライアル世界選手権第3戦の舞台となったのは、大きな岩が点在するカーライルの町境にある砂岩の採石場。セクションが高い丘の上にコンパクトに配置され、世界一を決める舞台として、なかなかよいシチュエーションとなっていた。ところが、土曜日の試合中は稲妻混じりの大雨がカーライルを襲った。

ボウは、比較的簡単なセクションを手早くトライして、先を急いだ。これが功を奏して、ボウは第7セクションまでをリズムよくクリーンし続けた。それをライバルのアダム・ラガ(GAS GAS)が1点で追う展開。しかし、第8セクションでボウが痛恨の5点。これにより、試合のリードはラガのものとなったが、直後の第9セクションでラガが1点、続けて第10セクションで5点をとる。ボウはここをクリーンし続けて、逆にリードを2点とすることに成功した。

こうなるとボウの独擅場。食い下がるラガを振り切って、9点差で土曜日を勝利した。これでボウは、ここまでの4試合中3勝を挙げたことになる。3位はかつてREPSOL MONTESA HONDAのチームメンバーだったベテラン、ドギー・ランプキン(ベータ)が入り、イギリス人の表彰台獲得に地元ファンも喜んだ。4位もイギリス人のジェイムス・ダビル(GAS GAS)が入って気を吐いた。

このころ、藤波はろっ骨骨折の疑いで病院で検査を受けていた。藤波のクラッシュは1ラップ目の第13セクション。2ラップ目をキャンセルして病院へ向かった藤波は、土曜日の試合をリタイア扱いとなっている。ケガが心配された藤波だったが、ろっ骨に骨折はなく、日曜日には試合に復帰できることになった。

日曜日は雨も上がり、雲はあったもののよいトライアル日和となった。土曜日の夜、5つのセクションがより難度を高められた。2日目とあってライダーが慣れてきていること、そして天候が回復したことが理由となった。試合は、再びボウの好調で始まった。最初の2セクションをボウは美しくクリーン。第3セクションでボウは、ラガとともに1点を失うが、次の第4セクションでボウは、マシンの調子が一時的に崩れ、ミスファイアに見舞われて5点となる。

問題のミスファイアは、燃料パイプにわずかな小石が混入したことだと判明。原因は取り除かれたが、痛恨の1つの5点減点により、1ラップ目はこれ以後、ラガにアドバンテージを許して試合を進めることになった。しかし、中盤の第10セクションで今度はラガが5点。ここで2人の点差はなくなった。

2ラップ目、ラガが細かいミスをし始めた。クリーンを続けるボウに勝機が見えたころ、第6セクションでボウが5点。これで3度、試合のリードはラガのものとなる。この日の試合は、昨日に続き、第10セクションで決まることになった。1ラップ目と同様、ボウが第10セクションをクリーンしたのに対し、ラガが5点。これで3点というわずかの差ではあったが、ボウの勝利が決定した。

1日目にクラッシュでリタイアした藤波は、超人的復活を見せた。スタートをする時点では、その結末はまったく見えていなかった。完走できるかどうか分からない状態でのスタートから、終わってみれば4位獲得という驚くべき結果を残した。

コメント

トニー・ボウ(優勝/優勝)

「2日間を通じて、とてもいい日になった。2つの勝利を得ることもできた。しかし、そんなに簡単ではなく、いろいろな理由でたいへんな週末だった。セクションは厳しかった。2日間ともいくつかのミスをしたが、それは勝利には影響を与えなかった。今朝はマシンにもちょっとした問題が生じていた。それでも最後には、自分でも信じられないほどの好調ぶりを発揮できた」

藤波貴久(リタイア/4位)

「昨日のクラッシュのあと、今日走れるかどうかまったく分からない状態だった。昨日、現場のお医者さんには、試合続行に対していい返事をもらえなかったし、自分自身の体調もかんばしくなかった。それですぐに病院へ向かった。土曜日はリタイアで得点を得られなかったので、日曜日はせめて数ポイントでも獲得するつもりでスタートを切った。でも驚くべきことに、最後には表彰台獲得まであと一歩のところまできていた。痛みは激しかったけれど、それもこれも含めて、今日の結果だ」

ライア・サンツ

※REPSOL MONTESA HONDAの女性ライダー、ライア・サンツは、同日にポーランドで開催された女子ヨーロッパ選手権に出場するため、今回のトライアル世界選手権を欠場した。サンツは、女子ヨーロッパ選手権で、これまでに7回のタイトルを獲得している。

決勝リザルト

1日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 7 6 13 26
2 2 A.ラガ ガスガス 10 12 22 21
3 6 D.ランプキン ベータ 20 20 40 15
4 8 J.ダビル ガスガス 20 27 47 14
5 5 A.カベスタニー シェルコ 28 20 48 14
6 9 M.ブラウン シェルコ 33 19 52 11
RT 3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 28 - - -

2日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 8 5 13 25
2 2 A.ラガ ガスガス 8 8 16 22
3 5 A.カベスタニー シェルコ 13 13 26 20
4 3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 17 10 27 17
5 6 D.ランプキン ベータ 27 10 37 16
6 8 J.ダビル ガスガス 22 16 38 14

ポイントスタンディング

ライダー

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 97
2 A.ラガ ガスガス 88
3 A.カベスタニー シェルコ 69
4 J.ファハルド ベータ 55
5 D.ランプキン ベータ 54
6 J.ダビル ガスガス 50
7 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 49