2005年度トライアル世界選手権第7戦イタリア大会が7月9日、10日にイタリアのハンボンディオーネで行われた.。
Repsol Montesa-HRCの藤波貴久選手は1日目に2位に入り、2日目は優勝した。これによって藤波選手はランキング2位に浮上した。2週間前のフランス大会で負傷したドギー・ランプキン選手は今回4位と3位に入った。3人目のRepsol Montesa-HRCライダー、マーク・フレイシャー選手は、両日とも6位だった。
前回のフランス大会は人工のセクションが多かったが、今回の会場は自然を生かしたセクションが多かった。ベルガモの北、約50kmのところにあるヴァルボンディアンは渓谷の上方にある村で、今シーズンの会場の中でも最も美しい場所のひとつだ。しかし、パドックの周囲は険しい山に囲まれており、天候はこの地域特有のめまぐるしく変化するものだった。
15個のセクションはすべて村の横を流れる川のそば、あるいはセクション12、13、14のように全長100mの滝をバックにした風光明媚な場所に設けられていた。
藤波選手は土曜日の午前中のトライを減点16と首位で終えた。2番手にはアダム・ラガ選手(ガスガス)がプラス3点差でつけた。3番手はアルベルト・カベスタ二―選手(シェルコ)となった。フレイシャー選手はアントニオ・ボウ選手(ベータ)と同ポイントで4番手につけ、ランプキン選手は6番手で折り返した。
午後になると一旦収まっていた雨が再び降り始めた。路面の滑りやすい部分が流されたおかげで、各ライダーのパフォーマンスは大幅にアップしたが、中でもラガ選手のパフォーマンスは驚くべきものだった。
ラガ選手は2ラップ目を減点5に抑さえ、土曜日のウイナーとなったのである。2位には藤波選手が入り、3位カベスタ二―選手となった。ランプキン選手は4番手まで順位を上げたが、逆にフレイシャー選手は2ラップ目にミスが目立ち、6位に後退した。
土曜日の夜に激しい雨が降り続いたことと、4つのセクションが変更されたことにより、日曜日のトライアルは土曜日とは異なる条件で行われた。路面がさらにスリッピーになっていたため、減点5が3回以下だったのはジェロ二・ファハルド選手(ガスガス)だけだった。
1ラップ目を終えた段階ではそのファハルド選手がトップ。2番手にフレイシャー選手と続き、藤波選手、ランプキン選手、ラガ選手、カベスタ二―選手が僅差で続いた。
2ラップ目に、前日のラガ選手のように真の実力を発揮したのは藤波選手だった。藤波選手は2ラップ目を減点10に抑さえ、優勝を飾ったのである。ランプキン選手も2ラップ目は減点11だったが、1ラップ目で優勢だったファハルド選手に続いて3位となった。
フレイシャー選手は、ラガ選手とボウ選手に抜かれて6位に後退した。もうひとりの日本人ライダー、黒山健一選手(Beta)は土曜日、日曜日、ともに7位に入った。
今回の勝利によって藤波選手はランキング2位に浮上。次戦は7月31日にイギリスのホークストンパークで行われる。
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