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レース
アメリカ 第4戦
6月4-5日

アメリカ
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レース情報
ラウンド 開催日
01 4/17 ポルトガル
02 4/24 スペイン
03 5/21-22 日本
04 6/4-5 アメリカ
05 6/19 アンドラ
06 6/25-26 フランス
07 7/9-10 イタリア
08 7/31 イギリス
  09 9/3-4 ドイツ
  10 9/18 ベルギー
第4戦 アメリカ
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藤波貴久が2日目に優勝し、ランキングトップに浮上
決勝日:6月4日(土)/5日(日)
開催地:デュルース 天候:土曜日:豪雨と霧/日曜日:晴れのち豪雨と霧 気温:土曜日:12℃/日曜日:15℃ 観客:5,000人

 2005年度トライアル世界選手権、第4戦のアメリカ大会が6月4日、5日にスペリオア湖の湖畔の町、デュルースで行われた。

第4戦 アメリカ
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 1日目に優勝したのはドギー・ランプキン選手(Repsol Montesa-HRC)で、2日目にはチームメイトの藤波貴久選手が優勝した。藤波選手は1日目2位、ランプキン選手は2日目3位だった。今大会の成績によって、藤波選手がランキングトップに浮上した。

 2週間前に行われた日本大会が快晴だったのとは対照的に、アメリカ大会は悪天候に見舞われた。過去に3回トライアル世界選手権を開催しているデュルースだが、今回はオーガナイザーがセクションを数箇所変更し、川沿いの険しい谷にいくつものセクションが設けられた。中でも川沿いのセクション3と4は、今回のコースの中でもベストなセクションだったが、岩の表面が滑りやすくなっており、ライダー達は岩の上でマシンの方向を変えるのに苦戦した。

 土曜日のトライアルが始まった直後にはまだ雨が降っていなかったが、その後、1ラップ目の途中から雨が降り始め、豪雨になった。このためライダー達のペースも上がり、皆次々とセクションを通過していったのである。

 土曜日の1ラップ目を終えた段階で、トップはランプキン選手、2位藤波選手、3位アントニオ・ボウ選手(ベータ)となっていた。2ラップ目に入ると、雨脚はさらに強まり、ライダー達は華麗なパフォーマンスを披露するというよりは、安全性を重視したトライを繰り広げた。

 その中でランプキン選手は、さらにポイント差を広げるのではなく、1ラップ目に築いたリードを守るという作戦に出た。それでもセクション10では水位の増した川にはまってしまったが、今年デビューしたHondaのニュートライアルマシンは、水の中でもエンジンが止まらなかったため、ランプキン選手はそのまま川から脱出することができたのである。

 こうして1日目のランプキン選手は、藤波選手に4ポイント差をつけて優勝した。2位には藤波選手が入り、3位ボウ選手となった。もうひとりのRepsol Montesa-HRCライダー、マーク・フレイシャー選手は、7位という不本意な順位で1日目を終えたのだった。

 日曜日の朝はさらに雨が激しくなり、霧も深かった。オーガナイザー側から開始時間を1時間遅れさせるという発表が出された。これは水位の上がった川沿いのセクションを変更するためで、実に15セクション中12のセクションが変更された。

 最初のライダーがスタートする頃には晴れ間も見え始めたが、1ラップ目を終える頃にはまた豪雨となった。このためオーガナイザーは2ラップ目に関して、安全上の理由からセクション9、10、11を取り消した。コースマーカーでさえ、雨に流されてしまったのである。

 1ラップ目、快調だったのは藤波選手。ランプキン選手もセクション12を終えた時点で藤波選手に並んだ。しかし、セクション13でランプキン選手は派手に転倒してしまう。大破したマシンはメカニックがすぐに修理したが、ランプキン選手自身も手首を激しく痛めてしまった。

 だが、ランプキン選手は諦めず、手首にテーピングを施してトライを続行。優勝した藤波選手、2位のアルベルト・カベスタニー選手(シェルコ)に続いて3位に入った。フレイシャー選手は2日目も6位に終わり、表彰台に上がることができなかった。

 ジュニアクラスに出場している女性ライダー、ライア・サンツ選手(Repsol Montesa-HRC)は、1日目4位、2日目5位となった。

 第4戦を終え、藤波選手はランキングトップに浮上したが、同2位タイのランプキン選手とカベスタニー選手とのポイント差は2ポイントと僅差である。

 次戦は6月19日にアンドラのセントジュリア・デ・ロリアで行われる。

第4戦 アメリカ
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コメント
藤波貴久選手(2位/優勝)
「今日は優勝できて良かったです。また、ポイントでもトップに立てて嬉しいのですが、2位との差はわずかなので、これからは一戦一戦がとても大切になってきます。なにしろ優勝する可能性のあるライダーが5人もいますから。今日も昨日に引き続き、大変な1日でしたが、チームが良く頑張ってくれたおかげで優勝することができました。チームの皆には感謝したいです。2ラップ目にいくつかのセクションを廃止してしまったのは残念なことですが、川の水位が急激に上がって危険だったので、正しい判断だったと思います」

ドギー・ランプキン選手(優勝/3位)
「2日目の今日は、出だしで遅れを取ったけど、その後挽回していた。ところがセクション13で激しく転倒した。5、6メートルは飛ばされたかもしれない。近くの木にしがみつこうとしたけど、滑ってしまってだめだった。転んだ瞬間、手首を折ったかと思った。フジ(藤波選手)のトレーナーが手首をテーピングしてくれたから、続行することができた。フジのトレーナーには感謝している。今日は色々なことがあったから、3位でも満足しなくてはいけないだろう」

マーク・フレイシャー選手(7位/6位)
「昨日が7位だったので、今日は必死で頑張って6位。ちょっとは進歩したかもしれないけど、今日も色々なことに苦戦した。例えばセクションのタイプ、悪天候、そしてライバルの前に走行したことなどだ。でも、ライバル達にとっても条件は同じだった。2日間、悪天候の中、頑張ったのに7位と6位で残念だ」

ライア・サンツ選手(ジュニアクラス4位/5位)
「コンディションが難しすぎた。このタイプのトライアルは、あまり好きではない。私の場合、雨が降っていない方が良い成績を残せていたと思う」

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決勝1日目リザルト
順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 2 ドギー・ランプキン モンテッサ Honda 30 42 72 8
2 1 藤波貴久 モンテッサ Honda 38 38 76 5
3 9 A.ボウ ベータ 41 47 88 6
4 3 A.ラガ ガスガス 43 45 88 3
5 8 G.ジャービス シェルコ 41 52 93 1
6 4 A.カベスタニー シェルコ 44 53 97 4
7 5 マーク・フレイシャー モンテッサ Honda 50 53 103 1
決勝2日目リザルト&ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 1 藤波貴久 モンテッサ Honda 26 18 44 11
2 4 A.カベスタニー シェルコ 29 20 49 8
3 2 ドギー・ランプキン モンテッサ Honda 38 15 53 11
4 3 A.ラガ ガスガス 32 21 53 6
5 8 G.ジャービス シェルコ 33 27 60 3
6 5 マーク・フレイシャー モンテッサ Honda 41 30 71 5
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 藤波貴久 モンテッサ Honda 96
2 ドギー・ランプキン モンテッサ Honda 94
3 A.カベスタニー シェルコ 94
4 A.ラガ ガスガス 89
5 マーク・フレイシャー モンテッサ Honda 70
6 A.ボウ ベータ 66
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