Hondaホームページ
モータースポーツ
WCT
WCT
第9戦 スイス
モータースポーツTOPへ
スイス Round 9
Switzerland
前ラウンド 2004 September,04-05
WCT TOPへ
レポート
 選手コメント
 TVオンエア情報
リザルト
1日目
1 ランプキン
2 ラガ
3 藤波貴久
2日目
  1 ランプキン
2 藤波貴久
3 ラガ
リザルト一覧
ポイント
1 藤波貴久 282
2 ランプキン 266
3 ラガ 254
ポイント一覧
藤波貴久、日本人初のトライアル世界チャンピオンになる!

決勝日:9月4日(土)/5日(日) 開催地:ムティエ 天候:土曜日:快晴/日曜日:快晴 気温:土曜日:25℃/日曜日:24度 観客数:1万人

 9月4日と5日にスイスのムティエで行われたトライアル世界選手権第9戦で、藤波貴久(Repsol Montesa HRC)は3位、2位に入り、5年連続2位の雪辱を晴らし念願の世界タイトルを獲得した。世界タイトルこそ藤波に奪われたものの、今回の大会でダブルウインを決めたチームメイトのドギー・ランプキンは、アダム・ラガ(ガスガス)を抑えてランキング2位のポジションを勝ち得た。もうひとりのRepsol Montesaライダー、マーク・フレイシャーは1日目9位、2日目8位という不本意な成績に終わっている。

 1か月以上の夏休みを挟んで再開されたトライアル世界選手権だが、残りは今回の最終戦のみ。ポイントトップにつける藤波は24ポイントのアドバンテージを持ってスイス・バーゼルの南西約60qのところにあるムティエに入った。余程のことがない限り藤波のチャンピオン獲得は不動だったが、ランプキンとラガによるランキング2位争いは、今戦を迎えた段階でも4ポイント差とし烈だった。

 スイスはトライアル開催国として有名というわけではない。しかし、今回スイス協会は、かつて世界選手権に出場したフランス人のブルーノ・カモッツィに頼んでセクション設計を手伝ってもらった。そのおかげで今回のセクションは、シーズン中でも最も難しいもののひとつとなった。金曜日に行われたライダーによる下見の結果、いくつかの部分は難易度を下げられたが、それでも夜間降った雨のせいでセクションはさらに難しくなっていた。また、コースの全長が22qあるため、審査委員会は従来のタイムアロワンスを1ラップにつき20分延長し、トータルで6時間10分とした。

 セクション1は小石の敷き詰められた階段で、最後に設けられた壁は全15個のセクションの中でも最も難しい部分だった。土曜日の1ラップ目、トップライダーたちは全員このセクションをクリーンで通過したが、セクション2のコンクリートの壁ではランプキンとラガがクリーンだったのに対して、若干ナーバスになっていた藤波は減点1を受けた。

 その後は、インドア風に設けられた最終セクションまでトライアルらしいセクションが続いた。濡れて滑りやすい小石の部分に、ベタベタした路面の登り坂というパターンが続いた。序盤トップに立ったのはアルベルト・カベスタニー(ベータ)。その後ろにランプキン、ラガ、藤波と続いた。

 簡単なセクション5、6を終え、セクション7のマディな出口で手こずったあと、ライダーたちは難しいセクション9をパスしていった。前半のセクションに時間がかかりすぎたことと、このセクションは走破が難しく危険だったからだ。

 最終セクションでカベスタニーがミスしたこともあり、1ラップ目を終えた時点でトップに立ったのはランプキン、ラガがこれに続いた。この時点で藤波はカベスタニーに続いて4位につけていた。

 2ラップ目に関しても大きな変化はなかった。ランプキンはラガに対して持っていたアドバンテージを着実に守りきり、今季3勝目を挙げた。カベスタニーにミスが続いたため、藤波は3位で土曜日の走行を終えた。これにより、チャンピオン決定は翌日に持ち越されることになった。

 日曜日に向けて、10個のセクションが変更された。技術的な部分がいくつか減らされ、セクションの距離を短縮したことにより、セクション全体の難易度は緩和された。さらに天候も良くなったので、前日よりもはるかにやさしいコースとなっていた。

 日曜日も主役は藤波、ランプキン、ラガの3人だった。その日の結果より、チャンピオン獲得に専念していた藤波は、万が一マシンが壊れた時に修理する時間を取るため、ライバル達よりはるかに先を走行した。これに対してタイトル争いをあきらめかけていたランプキンとラガは、神経戦となるランキング2位争いを繰り広げた。

 その日の結果にこだわらなかったとはいえ、藤波は1ラップ目を終えた時点でトップのランプキンに3ポイント差で2位につけていた。ラガは最終セクションでミスしてしまい、ジェロニ・ファヤルド(ガスガス)やカベスタニーにも抜かれて5位で折り返した。

 最終的に、藤波は真のチャンピオンらしく、堂々と2位に入って世界チャンピオンを決めた。5年間ランキング2位で悔しい思いをしてきた藤波にとっては、まさに悲願達成である。藤波は日本人としては初のトライアル世界チャンピオンとなったわけだが、オフロードの日本人世界チャンピオンとしては、1978年に125ccモトクロス世界チャンピオンになった渡辺明(スズキ)に続いて2人目である。

 藤波にタイトルを奪われたランプキンだが、土曜日に続いて日曜日も優勝。特に日曜日は圧倒的な強さを見せ、まだまだコンペティティブであるところを見せつけた。その結果、ランキングでもラガを引き離して2位に入った。

コメント ページトップへ

藤波貴久 (3位/2位)
「この瞬間をずっと待っていました。チャンピオンになってうれしいのですが、まだあまり実感はありません。あと何日かすると、もっと実感が沸いてくると思います。今日は勝ってチャンピオンを決めたかったのですが、今日のランプキンは強かった。これまでずっとランプキンの背中を見てきました。ずっとランキング2位だったので、もうチャンピオンになれないのではないか・・・と思ったこともあります。でも、やっと夢がかなって本当にうれしいです。チャンピオンとして名前を残せるのは僕だけですが、僕としてはチームスタッフ全員に感謝したいです。皆が頑張ってくれたおかげで僕はチャンピオンになれたと思っています」

ドギー・ランプキン (1位/1位)
「今日の結果には満足しているけど、タイトルを失ってしまったので、今回の勝利もあまり意味がない。今回僕は良い結果を残して来年に向けてのメッセージを残したいと考えていた。その意味で目的は達成されたと思う。でも、残念で仕方がない。今年の藤波はチャンピオンにふさわしかった。でも、僕自身、もっと良い成績を残して、しっかり藤波に対抗しなくてはいけなかったと思う」

マーク・フレイシャー (9位/8位)
「今日は昨日よりは良い走りができた。でも、不本意な成績だ。冬の間にトレーニングを積んで、来年はもっと高いレベルで戦えるようにしたい」

   
オンエア ページトップへ
スポーツ・アイ ESPN
「緊急特番 FIM2004トライアル世界選手権 チャンピオン獲得 おめでとう! 藤波貴久」
9月9日(木) 23:50〜24:30(初回・生放送)
※スカパー!、スカパー!110、ケーブルテレビで放送中

「アウトドアトライアル世界選手権2004」
12月16日(木) 21:00〜 (初回)
12月19日(日) 22:30〜

※放送日時は変更になる場合があります。最新の情報は、各放送局にお問い合わせください
Honda Racing トライアル世界選手権 TOPへモータースポーツTOPへ