決勝日:7月3日(土)/4日(日) 開催地:アプリカ 天候:土曜日:快晴/日曜日:晴れ、時々曇り 気温:土曜日:25℃/日曜日22℃ 観客数:1万1000人
7月3日、4日にイタリアのアプリカで行われたトライアル世界選手権第7戦で、ランキング首位につける藤波貴久(Repsol Montesa HRC)が1日目2位、2日目1位に入り、初の世界チャンピオン獲得に向けてさらに前進した。チームメイトのドギー・ランプキンも1位と2位に入ったが、藤波とのポイント差は19となっている。
3週連続となったミニ・ヨーロッパ・ツアーもいよいよ今回が最後。サッカーとモータースポーツが大好きなイタリア人にとっては、トライアルも人気の高いスポーツで、スキーリゾートとして有名なアプリカには、大勢のファンがつめかけた。
アプリカの町の標高は1300mあり、そこからさらに1000m上の山の中腹に各セクションは点在している。トライアル世界選手権が行われる会場の中でも、一番標高が高いのがアプリカだ。スキーリゾートを利用したコースは、どこもトライアルコースに適しているが、アプリカも例外ではない。川を横断するセクション、森の中のセクション、乾いた岩のセクションとバラエティに富んだセクションがライダー達を迎えていた。
土曜日の1ラップ目、序盤にサム・コナー(シェルコ)が垂直に近い壁から転落して肩を脱臼するというアクシデントがあり、救急隊員が救出に向かうまで20分間ほど競技は中断されたが、その後は問題なく進行していった。中でもアダム・ラガ(ガスガス)と3人目のRepsol Montesa HRCライダー、マーク・フレイシャーの2人は、減点1でこの難セクションを通過したのである。
その後の数セクションに関しては藤波、ランプキン、フレイシャーの3人がリーダーボードの上位につけていた。1ラップ目を終えた段階での順位は藤波、ランプキン、ラガ、フレイシャーとなっていた。
第2ラップに関しても、勝利を争うのは藤波とランプキンの2人になることは一目瞭然だった。第2、第3セクションで減点1を科されたランプキンだが、その後のセクションではクリーンを連発。かたや藤波は第11セクションで減点3を出してしまった。
最後まで緊張感の漂っていた土曜日の2人の戦いだったが、最終的にランプキンが1ポイント差で藤波を抑え、開幕戦以来の優勝を獲得した。しかも今回の優勝は、Montesaにとって世界選手権100勝目に当たる記念すべき勝利となったのである。フレイシャーはラガと同ポイントだったが、クリーン数はラガの方がひとつ多かったため表彰台に上がることはできなかった。
日曜日に関しては4つのセクションがモディファイされた。前日の余韻を残して、強さを示すランプキンは1ラップ目、最初の6つのセクションまでは好調だった。モディファイされた第6セクションでは、足をついて慎重に走行するランプキン。序盤に減点5を科されていた藤波は、このセクションをクリーンで通過し、勢いに乗っていった。
日曜日の1ラップ目を終えた段階での順位はトップ藤波、2位ランプキン。そして3位にはベータに乗る黒山健一がつけていた。
第2ラップでは皆が減点を連発していた。藤波がセクション1で減点5を出すと、ランプキンもセクション8と10で減点5をマーク。その結果、藤波が優勝し、ランプキンは黒山と減点数で並んだが、クリーン数で振り切り、2位のポジションをキープした。3位には黒山が入り、フレイシャーは日曜日のトライアルでも4位に入った。 |