決勝日:6月27日(日) 開催地:サンフリア・デ・ロリア 天候:快晴 気温:30℃ 観客数:5000人
6月27日にアンドラのサンフリア・デ・ロリアで行われたトライアル世界選手権第6戦で、藤波貴久(Repsol Montesa HRC)がアダム・ラガ(ガスガス)に続いて2位に入り、世界チャンピオン獲得へさらに大きく一歩近づいた。
藤波のライバルでチームメイトのドギー・ランプキン(Repsol Montesa HRC)は過去7年間で最悪の7位に終わり、タイトル争いでもラガに抜かれて、ランキング3位に落ちてしまった。もうひとりのチームメイト、マーク・フレイシャー(Repsol Montesa HRC)は今回、4位の黒山健一(ベータ)に1ポイント差でかわされて、5位に終わった。
フランス、アンドラ、イタリアと3週連続で続くヨーロッパ・ラウンド。その中間に当たるアンドラ大会は通常の2日間構成ではなく、日曜日1日で競われることになった。そして、土曜日にはスペイン選手権が同じ場所で行われた。主催者側が日曜日の世界選手権は土曜日のスペイン選手権と同じコースで行われると発表していたため、大半のトップライダーは、スペイン人であるない関係なく、スペイン選手権の大会にも出場した。地元のライダーたちが大会を真剣に戦っているのに対して、世界選手権のライダーたちは日曜日のための予行練習として土曜日の大会に参加していた。
過去数年間に関して使用していたセクションが同じであったため、今回主催者側は15個のセクションをすべて谷の反対側に移した。確かにこれは新たなチャレンジとなったが、実際には大半のセクションは、傾斜のきついスロープに設けられたドライ・セクションで、例年のように川を利用したセクションは完全になくなってしまった。しいて挙げれば、第6、第7セクションが若干マディで難易度も高かった。そして、市庁ビルの前に設けられた最終セクションは岩と丸太で構成された人工セクションとなっていたのである。
土曜日から日曜日までの間にセクションが若干変更されたことと、日曜日の気温が30℃まで上がったことにより、今回の大会はライダーたちにとってはハードな大会となった。そんな中、ラガが合計減点3で1ラップ目を終えた。藤波は第1セクションで失敗するが、その後挽回し、11の減点で2番手のポジションをキープして1ラップ目を終えた。これに対してランプキンは、早々に減点5を3回出してしまい、減点22で1ラップ目を終えたのだった。
2ラップ目に入ってもラガは慎重で、難しい場面ではリスクを犯さなかった。クリーンを出そうとして失敗し、藤波に追いつかれてしまうよりは少ない減点で抑えようという作戦だったのである。このため2ラップ目の最小減点は藤波の6点となった。その結果、ラガが総減点10で優勝。藤波は2ラップ目を減点6に抑え、総減点17で2位に入った。
3位に入ったのはアルベルト・サベスタニー(ベータ)で、サベスタニーにとって表彰台は4月に行われた開幕戦アイルランド大会以来だった。4位には黒山が入り、フレイシャーは5位。ランプキンは7位に終わり、ポイントでも首位の藤波貴久に20点差をつけられた。また、ラガにも抜かれ、ランキング3位に落ちている。ちなみに今季残されているのは、3大会5日間。次戦は7月4日にイタリアで行われる。 |