決勝日:4月3日(土)/4日(日) 開催地:バンゴール 天候:土曜日:雨、時々晴れ/日曜日:曇り 気温:土曜日:10℃/日曜日:10℃ 観客数:週末通算3万人
Repsol Montesa HRCのドギー・ランプキンと藤波貴久は、アイルランドのバンゴールで2日間にわたって行われたトライアル世界選手権開幕戦でそれぞれ優勝した。ディフェンディング・チャンピオンのランプキンは土曜日2位、日曜日1位に入り、土曜日1位、日曜日4位だった藤波に4ポイント差をつけた。Repsol Montesa HRCのもうひとりのライダー、マーク・フレイシャーは5位/6位に終わり、ランキングでは6位につけている。
4月3日土曜日の午前10時に2004年度トライアル世界選手権が開幕した。金曜日の午後にライダーがコースの下見を行った段階では、コースはかなり難しいものであることが判明した。去年とは異なる障害物が設置されていたからである。さらに土曜日の早朝に降った豪雨のため、岩の表面や泥の部分が滑りやすくなり、コース全体の難易度はそれが当初予想されていたものよりはるかに難しくなっていた。
土曜日の1ラップ目では、時折激しく降る雨の中、藤波が健闘。当初藤波はインドア・チャンピオンのアダム・ラガ(ガスガス)と競っていた。しかし、若手のスペイン人ライダー、ラガは次第に減点を重ねていった。
地元のランプキンは3メートルの高さがある階段状のセクション2でミスをした。このセクションは昨年もランプキンが失敗した場所である。その後、泥だらけの岩が置かれたセクション8でクリーンを出したランプキンだったが、次のセクション9は3時間半の持ち時間を考慮してパス。結局これが藤波との勝敗を喫するポイントとなった。
ラガ同様にスペイン人のフレイシャーは昨年トライアル世界選手権で3位に入ったが、今年は世界チャンピオンを狙うとシーズン開幕前に宣言していた。しかし、そんなフレイシャーもプレッシャーのせいか今ひとつ精彩を欠いていた。土曜日の1ラップ目を終えた時点でトップは藤波で減点20、ランプキンが23点で2番手につけていた。3位にはアルベルト・カベスタニー(ベータ)がつけ、ラガは4番手に後退していた。
土曜日の2ラップ目も藤波、ランプキン、カベスタニーの3人の戦いとなった。1ラップ目に登りのセクション2で苦戦したランプキンは今回もこのセクションで減点5を科されるが、その後挽回し、今回も2位に入った。トップスコアは今回も藤波。3位にカベスタニーが入り、4位ラガ、5位フレイシャーと続いた。
日曜日には2つのセクションが変更された。雨が明け方にあがったので、日曜日に集まった1万5000人のファンにとっては観戦しやすい状況となったが、コースの方は泥が岩の表面にこびりつき、より滑りやすくなっていた。
ランプキンは前日苦戦したセクション2でクリーンをマークすると、そのまま単独逃げ切り体制に入るかと思われたが、前日優勝している藤波もランプキンとのポイント差が開かぬよう素晴らしいトライを見せていた。しかし、藤波はセクション12でエンジンをストールさせてしまい、最大減点を科されてしまう。その結果、1ラップ目を終えた時点ではランプキンが減点11なのに対して藤波は減点16となった。日曜日の1ラップ目で3位に入ったのはラガ。4位サベスタニーとつけ、フレイシャーは減点5を3回科されて5番手だった。
第2ラップ目はコースコンディションが悪化する中、ランプキンがさらに快調な走りを見せた。一桁台の減点で2ラップ目を終えようとしていたランプキンだったが、最後から2番目のセクションでギアレバーを破損してしまい減点5となる。その結果、ランプキンは減点11で2ラップ目を終えた。2位争いは熾烈だったが、コンスタントなトライを披露したカベスタニーが2位に入り、3位ラガ、4位藤波となった。藤波は前日とはうって変わって、日曜日は苦戦を強いられたのである。フレイシャーの場合はさらに悪く、タイブレークの末、ジェロニ・ファヤルド(ガスガス)に敗れて6位で2ラップ目を終えた。
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