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第9戦
ヨーロッパ
2003年9月13、14日 開催
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レースレポート

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藤波は10点差を挽回すべく臨んだ最終戦だったが…
2日目はHonda勢トップの2位に入ったフレイシャー
montesa HRCの3人が年間トップ3を独占

ドギー・ランプキン、7年連続チャンピオン決定

■決勝日時:9月13、14日
■観客数:9000人
■気温:13日:32℃、14日:34℃
■天候:13日:快晴、14日:快晴
97年以来、7年連続でチャンピオンとなったランプキン
97年以来、7年連続でチャンピオンとなったランプキン

 トライアル世界選手権最終戦は、9月13、14日にスペインのラ・カブレラで行われた。前戦のフランス大会が終わった段階でランキング・トップのドギー・ランプキン(montesa HRC)と2位につけるチームメイトの藤波貴久(montesa HRC)とのポイント差は10ポイントとなっていたが、ランプキンはプレッシャーに打ち勝ち、2位/3位で最終戦を終えた。その結果、藤波とのポイント差を18ポイントに広げて、見事7年連続チャンピオンを決めたのである。

 今回は開催地が大会の直前に変更された。土地使用の問題から、本来の開催地より若干北に移動し、マドリッド近郊のラ・カブレラで開催されることになった。ここは本来の開催地よりも自然の地形を利用したコースで、2001年にはスペイン国内選手権でも使用されたことがある。

 バルセロナを本拠地とするランプキンにとっては、開催地までの移動距離は比較的短いものだった。そのランプキンにとっては、1997年に初めてタイトルを獲得して以来、今年が一番難しい年となっていた。

 シーズン開幕前には、スペインの若手ライダーたちがライバルになるのではないかと思われたが、非公式なライダー・ストライキのせいもあって、直接的なライバルはチームメイトの藤波となっていた。開幕戦から勝利を分けたランプキンと藤波は、その後、対照的な戦いを見せた。ランプキンが開幕戦で勝って以来、第5戦まで勝利に見放されたのに対して、藤波はその間に2勝を挙げた。なかでも特に第4戦のもてぎ大会で藤波は優勝と2位に入り、ランプキンと同点首位につけた。ポイントこそ同点だが藤波の方が優勝回数で上回り、ランキング首位に浮上したのである。ランプキンがランキング首位の座を明け渡したのは7年間で初めてのことだったのだ。

 その後、好調さを取り戻し、ランキング首位の座を藤波から奪還したランプキンだったが、チャンピオン争いは最終戦までもつれこんだ。例年は数戦を残してタイトルを決めていたランプキンにとっては、プレッシャーのかかるシチュエーションだった。藤波との差は10ポイント。ちょっとしたミスを犯せば逆転されてしまうと知っていたランプキンは、攻撃こそ最大の防御だと考えることにしたのである。

 こうして迎えた土曜日。大勢のファンが最後の最後までチャンピオン争いがもつれることを期待していたが、ランプキンは1ラップ目から強さを発揮し、藤波の巻き返しを封じた。序盤の7つの難しいセクションをランプキンがわずか減点6で通過したのに対して、藤波は4回失敗して減点20を課されてしまったのだった。

 1ラップ目をトップで終えたランプキンだったが、2ラップ目になると、気温が高くなったせいもあり、疲労の色を隠せなかった。このため、土曜日の総合順位ではアダム・ラガ(Gas Gas)に続いて2位に終わった。

 藤波の方は2ラップ目に多少挽回したとはいうものの、1ラップ目のミスが響いて5位で土曜日のトライを終えたのだった。

 その結果、ランプキンは日曜日のトライで、藤波が優勝しても11位以内に入ればチャンピオンを決めることができるという状況にいた。

 比較的楽な状況であったのにもかかわらず、ランプキンは集中力を高め、2日目の優勝を狙っていった。しかし、今大会はラガが乗れており、安定したパフォーマンスで日曜日も優勝。ランプキンはもうひとりのチームメイト、マーク・フレイシャーに続いて3位という順位で納得せざるをえなかったのである。

 かたや藤波は、土曜日の段階で初タイトル獲得が難しくなってしまったせいもあり、集中力を保つのに苦労していた。再びランキング2位でシーズンを終えるということの意味を考えていた藤波は、日曜日の順位もランプキンよりひとつ下の4位に終わったのだった。

 こうしてランプキンの7年連続チャンピオンが決定した。ランキング2位は18ポイント差で藤波。今回土曜日に3位、日曜日に2位に入ったフレイシャーはランキングでも3位に入っている。


ドギー・ランプキン(土曜日―2位、日曜日―3位)
「初めてタイトルを獲得した時より嬉しいよ。今年は本当に長くて大変な年だったので、シーズンが終わって本当に良かった。土曜は序盤から攻めていった。プレッシャーがかかっていることを悟られたら、藤波につけこまれてしまうと思ったんだ。1ラップ目に気合を入れすぎたので、2ラップ目は疲れてしまった。日曜はプレッシャーがなくなった分、集中力を保つのが大変だった。土曜ですべてを使い果たしたという感じだったんだ。最終戦まで間隔が空いていた分、緊張感が高まっていた。だから今は全部終わって本当にほっとしている。今晩から数日間は祝勝会の連続だ。今はそのことしか考えられない」

藤波貴久(土曜日―5位、日曜日―4位)
「今回ここに来た時点では、まだチャンスが残っていると分っていたので、できるだけ良いパフォーマンスを見せて、ランプキンにプレッシャーをかけようと考えていました。ところが土曜の1ラップ目からランプキンの調子が良かったので、僕も無理せざるをえなくなりました。その結果は散々なものでした。1年間ずっと全力を尽くして戦ってきましたが、今週末は力を出し尽くすことができなかった。今はただ虚しいです。でも、来年はもっと強くなって必ず戻ってきます」

マーク・フレイシャー(土曜日―3位、日曜日―2位)
「新しいチームに入って1年目をランキング3位で終えることができて満足している。今年はランプキンと藤波に何回か勝つことができたが、それにしても彼らは強すぎた。来年彼らとチャンピオン争いをするためには、毎回彼らと近い順位に入っていなくてはいけないだろう。日曜はラガが頑張っていたので、2位で満足している。まずまずの順位でシーズンを終えることができて良かった」

 
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