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第3戦
ドイツ
2003年5月17、18日 開催
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レースレポート

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接戦の末、2位になったランプキン
フレイシャーは前半の好調を維持できなかった
藤波(左)はポイント・ランキング2位に浮上した
藤波貴久が総合優勝を果たす
■決勝日時:5月17、18日
■観客数:約5000人
■気温:17日:23℃、18日:15℃
■天候:17日:晴れ、18日:曇り、ときどき雨
1日目1位、2日目3位の藤波が総合優勝に
1日目1位、2日目3位の藤波が総合優勝に

 5月17日〜18日にドイツのキーファースフェルデンで行われたトライアル世界選手権第3戦で、montesa HRCの藤波貴久が1日目に1位、2日目に3位に入り、総合優勝を飾った。ディフェンディング・チャンピオンのドギー・ランプキン(montesa HRC)は4位と2位に終わったが、それでもランキング・トップの座を守った。ちなみに藤波は今回の健闘でランキング2位に浮上している。一方、マーク・フレイシャー(montesa HRC)は、1日目に2位に入ってランプキンとのポイント差を詰めたが、2日目は5位に終わったため、結局ランキングでは藤波に1ポイント差をつけられて3位に後退した。

 前回の第2戦はドライ・コンディションの中で行われたが、ミュンヘンから南に約1時間の場所にあるキーファースフェルデンで開催された第3戦は今季初のウエットの大会となった。大会直前まで雨が降り続いたため、コースは非常に滑りやすくなっていた。そのため、各ライダーは競技開始前に、大会会場の近くに設けられたテストコースで入念にマシンのセットアップを行っていた。

 本コースの大半は、町の北部にある森を使った自然のセクションで構成されており、残りが人工セクション。第1セクションは町の中心部を流れる幅の広い川を用いたもので、川の周辺に大勢の観客が集まってライダーたちの競技を観戦していた。また、第2、第3セクションは一般道路脇に玉石を並べて作られたセクションで、ここにも大勢の観客が集まっていた。

 1日目の第1ラップでランプキンは第1セクションからナーバスになっていた。藤波やフレイシャーがここをクリーンで通過したのに対し、ランプキンは5点減点を科されてしまった。その後もリズムに乗ることのできないランプキンは減点を重ね、第6セクションを終えた段階で9位と低迷していた。しかし、その後は順位を挽回し、3位で第1ラップを終えた。また、フレイシャーは第1ラップの前半こそ減点0で通過したが、後半に2回の減点5を科されて4位で第1ラップを終えた。

 それに引きかえ、藤波は大きなミスもなく第1ラップを1位で終え、幸先の良いスタートを切った。藤波は第2ラップも好調を維持し、15のセクションをわずか減点9でクリアし、1日目の競技で優勝を飾った。この日は2位争いが熾烈だったが、結局は第1ラップの前半に好調だったフレイシャーが再び強さを示して2位に入った。3位はGas Gasのアダム・ラガで、ランプキンは4位に終わった。

 1日目の夜に雨がさらに降ったことで、2日目のコースはとても滑りやすくなった。このため、セクションを変更することなく競技が行われた。第1ラップでは、さらに難易度の増した第10〜14セクションをクリアした時点ではトップだった藤波が、コンクリートのパイプでできた最終セクションでスリップダウンし、減点5を科されてしまう。上位4位につけるグラハム・ジャービス(Sherco)、ランプキン、藤波、ラガの差はほとんどなくなり、最終ラップの接戦が予感された。

 巻き返しを図っていたランプキンは第13セクションで減点5を受けたが、首位につけるジャービスもプレッシャーのため第14セクションで減点5を科される。しかし、ジャービスはその後の最終セクションをクリーンで通過し、今季初優勝を飾った。2位争いは熾烈でランプキン、藤波、ラガの3人によるタイブレークの末、ランプキンが2位、藤波が3位、ラガが4位となった。その結果、1日目に優勝し、2日目に3位に入った藤波が見事総合優勝を飾ったのである。


藤波貴久(1日目―1位、2日目―3位)
「昨年までウエットでスリッピーなコースが僕の弱点だったので、シーズンオフの間にウエット・コンディションで特訓しました。そのおかげで、1日目は一度も減点5がなく、首位に立つことができました。通常、今回のような状況ではランプキンが強いのですが、僕も彼と競り合うことができたので自信がつきました。2日目にはミスを犯してしまったのが残念です。トップライダーの実力が拮抗しているので、一度でもミスを犯すと優勝できないんです。次の大会は僕の地元のもてぎなので、観客のみなさんに喜んでもらえるよう頑張ります」

ドギー・ランプキン(1日目―4位、2日目―2位)
「2日目の結果は1日目よりましだったが、それでも満足できるものではなかった。とはいっても、タイブレークの結果、2位に入れたのはよかったと思っている。2日目にジャービスが優勝したことは、ポイント争いの上ではよかったよ。ライバルは藤波とフレイシャーだからね。今年はとてもコンペティティブなシリーズで、現時点では何人ものライダーが高パフォーマンスを見せている。僕自身はこれまでちょっとミスが多すぎると反省しているんだ」

マーク・フレイシャー(1日目―2位、2日目―5位)
「1日目は第8セクションまでオール・クリーンを出していたのに、そこからちょっとしたミスが重なってしまった。でも、今回のような状況だと、挽回するのが難しい。1日目は勝てたはずだったので残念だ」

 
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