GTプロジェクトリーダー 瀧敬之介 現場レポート
vol.8 Rd.5 菅生 プレビュー
シーズン折り返しの重要な一戦を控えて

 2010年シーズンのSUPER GTは、早いものでこの第5戦スポーツランドSUGO(以下、菅生)で折り返しを迎えます。後半戦に向けて勢いを増していくためにも、我々にとっては重要な戦いになると捉えています。

 コースレイアウトから見ていくと、菅生は速度域の比較的低いコーナーから高速コーナーまでがバランスよく配置されたサーキットといえます。また、どのコーナーもストップ&ゴーというよりは大きく回り込むものが多く、シャシー本来の高い旋回性能と効率的にダウンフォースを発生できるマシンが有利と考えられます。この点、菅生ではHSV-010 GT本来の持ち味が発揮できると期待しています。
 いっぽうで勝負どころとなるのは、長い上り坂勾配のストレートからつながる1〜2コーナーの部分でしょう。2007年のレースでは、2台のNSXを含む3台のマシンが横並び(スリーワイド)になって1コーナーに飛び込んで行ったのを記憶されている方も少なくないと思います。当然、ここではストレートスピードの伸びが重要となります。これまでHSV-010 GTが苦手としてきた領域ですが、前戦セパンでの経験からセッティングの方向性で見えてきた部分もあり、シーズン序盤ほどの苦戦は強いられないと考えています。
 また、菅生の路面は比較的グリップが低いという特徴があります。この点はタイヤチョイスにも影響を与えるので、初日の早い段階で方針が固められるよう、持ち込みの段階でのセッティングをきっちり仕上げていきたいところです。さらには、夏なので、決勝中に突然の雷雨という可能性も充分に考えられます。ウェットになると非常に滑りやすくなるのが菅生の特徴なので、この部分でも状況に応じた対応を素早く取れるよう、柔軟な体制を整えておきたいと思います。

 マシンごとの仕上がりでいえば、セパンでも証明されたとおり、8号車、17号車、そして100号車が上り調子となっており、初期の目標であった全車の底上げが出来つつあると思います。特に17号車と100号車は、シーズン序盤から決勝でのペースは速かったのですが、これまで結果に繋がらなかっただけですので、今度こそ頑張って欲しいですね。8号車はもともと実力のあるコンビであり、トラブルが起きなければ問題なくトップ争いを演じてくれるはずです。18号車は、やや重いので最終コーナーからの上りがつらいところですが、チャンピオン目指して少しでもポイントを稼いでおきたいですね。ややタイヤで苦戦が続いていた32号車ですが、そろそろ熟成が進んで来ましたので、速さを見せてくれると思います。

 SUPER GT第5戦菅生は7月24〜25日の開催なので、地域によっては小中学校が夏休みに入っている時期となります。小さなHondaファンのご期待にも応えられるよう、今回も精一杯戦っていきますので、熱い声援をどうぞよろしくお願いいたします。
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