
8月3日(土)~4日(日)、富士スピードウェイ(静岡県)で2019年度SUPER GTシリーズ第5戦が開催され、GT500クラスに5台の2019年型NSX-GT、GT300クラスに3台のNSX GT3が出走しました。梅雨が明けた富士スピードウェイは、土曜朝から好天に恵まれ、夏の太陽が照りつけるコンディションとなりました。
土曜日に行われた公式予選では、#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)、#64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐)の2台がQ1セッションを突破し、Q2セッションへ進出しました。しかしQ2セッションでのタイムアタック中、KEIHIN NSX-GT(塚越)が第1コーナーでコースオフし、セッションは赤旗打ち切りとなりました。その結果、NSX-GT勢の最上位は、Modulo Epson NSX-GT(カーティケヤン/牧野)の7番手、KEIHIN NSX-GT(塚越/バゲット)はタイム抹消処分を受けて8番手という予選結果となりました。以下、9番手に#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐)、10番手に#1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)、15番手に#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)と続きました。
決勝レースは気温33℃に達する晴天のもと始まりました。予選8番手のKEIHIN NSX-GT(塚越)は、規則で義務づけられた予選時のタイヤを使用できなかったためピットからスタートすることになりました。Modulo Epson NSX-GT(牧野)は6番手、MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤)は8番手、RAYBRIG NSX-GT(山本)は9番手でレースを始めました。
猛暑の中でレースが進むうち、Modulo Epson NSX-GT、MOTUL MUGEN NSX-GTは徐々に順位を落としましたが、RAYBRIG NSX-GTは徐々に順位を上げ、106周目に2回目のセーフティカー介入時点では2番手につけました。最後のピットインをライバルよりも遅らせ、2番手で最終スティントを受け持ったRAYBRIG NSX-GTの山本は、後方から迫る3番手の#23 MOTUL AUTECH GT-Rとテールトゥノーズで激しく争いますが、最終的には突き放して2番手のポジションを守りました。
177周・500マイルのレースは、2回のセーフティカー介入を挟んだ結果、5時間の制限を超えたため175周目のチェッカーフラッグで終わりました。RAYBRIG NSX-GT(山本/バトン)は2位に入賞で、2年連続シリーズチャンピオンへの可能性をつなぎました。MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤/中嶋)も6位に入賞したほか、出走したNSX-GTは全車が完走でレースを終えました。
また、GT300クラスに出走した#34 Modulo KENWOOD NSX GT3(道上龍/大津弘樹)がクラス3位、#18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/松浦孝亮/山田真之亮)がクラス4位入賞を果たしました。
佐伯昌浩 | 株式会社本田技術研究所 Honda GT プロジェクトリーダー
					 「約800kmの決勝はサバイバルレースになるだろうと思っていました。GT500クラス実質完走10台の中、NSX-GTは5台全車が大きなトラブルもなく完走し、中でも1号車(RAYBRIG NSX-GT)はピット戦略もうまくいき、きっちりと順位を上げ、2位入賞を果たして大事なシリーズポイントを獲得できました。長い決勝レースを重視した戦い方が噛み合ったうえ、昨年同様、夕方の気温が下がったこともNSX-GTにとっては幸いでした。残り3戦につながるいいレースでした」
山本尚貴(2位)
				   「予想よりも気温が上がったので、最初のスティントと次のJBのスティントは厳しかったのですが、少しずつ路気温が下がって、僕たちに分が出てきました。最後のスティントはJBが6秒近く後ろに間隔を開けて、僕につないでくれたのですが、少し給油時間が長かったために背後に迫られてしまいました。でも後ろを見ながら、相手はあれだけ激しく攻めればタイヤを使い果たすと思っていたので、これは守れるなと落ち着いて走れました。カーナンバー1番に恥じない戦い方ができたと思います」
「予想よりも気温が上がったので、最初のスティントと次のJBのスティントは厳しかったのですが、少しずつ路気温が下がって、僕たちに分が出てきました。最後のスティントはJBが6秒近く後ろに間隔を開けて、僕につないでくれたのですが、少し給油時間が長かったために背後に迫られてしまいました。でも後ろを見ながら、相手はあれだけ激しく攻めればタイヤを使い果たすと思っていたので、これは守れるなと落ち着いて走れました。カーナンバー1番に恥じない戦い方ができたと思います」
ジェンソン・バトン(2位)
					 「尚貴が非常によいレースをしてくれて2位に入賞でき、とてもうれしいです。とてもレースを楽しめました。これでチャンピオンへの可能性はつながりましたが、正直なところチャンピオンシップは非常に難しくなっているとは思います。ただSUPER GTはバランスが勝敗を決めるレースなので、まだこの先になにがあるか分かりません。チャンピオンを目指して戦い続けますが、それと同時にレースを楽しみたいと思っています」
| 順位 | No. | マシン | ドライバー | 周回数 | タイム/差 | 
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 | 大嶋和也/山下健太 | 175 | 4:52'55.248 | 
| 2 | 1 | RAYBRIG NSX-GT | 山本尚貴/ジェンソン・バトン | 175 | +31.214 | 
| 3 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/R.クインタレッリ | 175 | +36.658 | 
| 4 | 37 | KeePer TOM'S LC500 | 平川亮/N.キャシディ | 175 | +55.881 | 
| 5 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 佐々木大樹/J.ロシター | 175 | +1'00.276 | 
| 6 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT | 武藤英紀/中嶋大祐 | 175 | +1'18.436 | 
| 7 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻智紀/伊沢拓也 | 175 | +1'30.137 | 
| 8 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越広大/ベルトラン・バゲット | 174 | +1Lap | 
| 10 | 64 | Modulo Epson NSX-GT | ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐 | 172 | +3Laps | 
| 順位 | No. | マシン | ドライバー | 周回数 | タイム/差 | 
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 87 | T-DASH ランボルギーニ GT3 | 高橋翼/アンドレ・クート/藤波清斗 | 163 | 4:54'37.976 | 
| 2 | 52 | 埼玉トヨペットGB マークX MC | 脇阪薫一/吉田広樹 | 162 | +1Lap | 
| 3 | 34 | Modulo KENWOOD NSX GT3 | 道上龍/大津弘樹 | 162 | +1Lap | 
| 4 | 18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林崇志/松浦孝亮/山田真之亮 | 162 | +1Lap | 
| 5 | 88 | マネパ ランボルギーニ GT3 | 小暮卓史/元嶋佑弥 | 162 | +1Lap | 
| 6 | 55 | ARTA NSX GT3 | 高木真一/福住仁嶺 | 162 | +1Lap | 
| 順位 | No. | ドライバー | マシン | 総合ポイント | 
|---|---|---|---|---|
| 1 | 6 | 大嶋和也/山下健太 | WAKO'S 4CR LC500 | 60 | 
| 2 | 37 | 平川亮/N.キャシディ | KeePer TOM'S LC500 | 44 | 
| 3 | 23 | 松田次生/R.クインタレッリ | MOTUL AUTECH GT-R | 38.5 | 
| 4 | 38 | 立川祐路/石浦宏明 | ZENT CERUMO LC500 | 30.5 | 
| 5 | 1 | 山本尚貴/ジェンソン・バトン | RAYBRIG NSX-GT | 29 | 
| 6 | 8 | 野尻智紀/伊沢拓也 | ARTA NSX-GT | 25 | 
| 13 | 17 | 塚越広大/ベルトラン・バゲット | KEIHIN NSX-GT | 10 | 
| 14 | 16 | 武藤英紀/中嶋大祐 | MOTUL MUGEN NSX-GT | 8 | 
| 15 | 64 | ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐 | Modulo Epson NSX-GT | 4.5 | 
| 順位 | No. | チーム | 総合ポイント | 
|---|---|---|---|
| 1 | 6 | LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S | 73 | 
| 2 | 37 | LEXUS TEAM KeePer TOM'S | 59 | 
| 3 | 23 | NISMO | 47.5 | 
| 4 | 38 | LEXUS TEAM ZENT CERUMO | 42.5 | 
| 5 | 1 | TEAM KUNIMITSU | 36 | 
| 6 | 8 | ARTA | 36 | 
| 13 | 17 | KEIHIN REAL RACING | 19 | 
| 14 | 16 | TEAM MUGEN | 18 | 
| 15 | 64 | Modulo Nakajima Racing | 15.5 | 
| 順位 | No. | ドライバー | マシン | 総合ポイント | 
|---|---|---|---|---|
| 1 | 55 | 高木真一/福住仁嶺 | ARTA NSX GT3 | 36.5 | 
| 2 | 56 | 平峰一貴/S.フェネストラズ | リアライズ 日産自動車大学校 GT-R | 32 | 
| 3 | 96 | 新田守男/阪口晴南 | K-tunes RC F GT3 | 30 | 
| 4 | 87 | 高橋翼/アンドレ・クート | T-DASH ランボルギーニ GT3 | 29 | 
| 5 | 11 | 平中克幸/安田裕信 | GAINER TANAX GT-R | 28 | 
| 6 | 88 | 小暮卓史/元嶋佑弥 | マネパ ランボルギーニ GT3 | 25.5 | 
| 11 | 34 | 道上龍/大津弘樹 | Modulo KENWOOD NSX GT3 | 19 | 
| 順位 | No. | チーム | 総合ポイント | 
|---|---|---|---|
| 1 | 55 | ARTA | 50.5 | 
| 2 | 56 | KONDO RACING | 46 | 
| 3 | 87 | JLOC | 44 | 
| 4 | 11 | GAINER | 43 | 
| 5 | 96 | K-tunes Racing | 41 | 
| 6 | 88 | JLOC | 40.5 | 
| 9 | 34 | Modulo Drago CORSE | 32 | 
| 13 | 18 | TEAM UPGARAGE | 23 |