第6戦 鈴鹿サーキット

第6戦 鈴鹿サーキット“Pokka GT”(2009年8月23日決勝)

白井裕(Hiroshi Shirai)|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー

「いつもNSX-GTにご声援をいただき、ありがとうございます。

前戦のスポーツランドSUGOでは、18号車が3位表彰台を獲得できましたが、予選の結果を考えると、どのチームも的確なレースマネージメントで大健闘してくれたと思っています。予選での苦戦は、午前のフリー走行と午後の予選で路面温度が大きく変化したためで、当初想定したセッティングでは、多くのマシンがアンダーステア傾向になったのが原因です。現状のNSX-GTは、09レギュレーションにより減少したダウンフォースを、メカニカルグリップで稼ごうと努力していますが、他のマシンと比べると、セッティングの許容範囲がシビアな傾向にあります。後半戦に向けて、これらを対処しながら、巻き返しを図っていきたいと思います。

さて次戦、鈴鹿サーキットでの“Pokka GT”になります。すでに皆様もご承知の通り、今年から走行距離が1000kmから700kmに短縮されますが、SUPER GTシリーズ最長で、かつ真夏の開催でもあるので、厳しいレースであることには変わりありません。近年はスプリント化に拍車がかかっており、ポールポジションから飛び出し、そのままレースを支配することもあるので、予選でのドライバーのがんばりで少しでも上位からスタートして欲しいと思っています。

また、長距離レースではピット回数も増えますので、いつも以上にチーム力が問われます。レース戦略としては、ミッドシップであるNSX-GTの特徴を生かし、タイヤ4本交換とリア2本交換とをうまく使い分けることを考えています。それによりピットでの停止時間を少しでも短くして、ドライバーの負担を軽くすることもポイントになります。いずれにせよ“Pokka GT”は700kmになったとしても、“まぐれ”では勝てない真の実力を試されるレースなので、ぜひとも勝ちたいと思っています。

今年こそは、レース終了後の花火で、皆様と一緒にNSX-GTの勝利を喜べるように、チームと一丸となって戦って参りますので、ご声援をよろしくお願いします」