第3戦 富士スピードウェイ

第3戦 富士スピードウェイ(2009年5月4日決勝)

白井裕(Hiroshi Shirai)|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー

「いつもNSX-GTにご声援をいただき、ありがとうございます。

第2戦の鈴鹿サーキットでは、5位、6位を獲得できましたが、決して満足のいくものではありませんでした。

しかしながら、波乱のレース展開にもかかわらず、塚越広大選手、中山友貴選手の両ルーキーが完走、ポイントを獲得したことは、彼らのこれからの自信にもつながることでもあり、大変うれしく思っています。

さて、次戦の富士スピードウェイですが、約1.5kmの長いストレートと、ダンロップ、ネッツコーナーなどの低速コーナーを含むセクター3の両方を、うまくバランスさせる空力セッティングが重要になります。今シーズンはダウンフォースが30%減りましたので、コーナーでのトラクションは少なくなっていますが、その一方でドラッグ(空気抵抗)が減るため最高速には優位に働くのではないかと思います。テストが制限されている中では、これまでのデータから有効なセッティングを導き出し、どこでバランスをとるのかが攻略のポイントになります。

また今年はレース距離が、500kmから400kmに短縮になりましたが、2回のピットインが義務付けられています。そのため、各スティントの周回数を何周にするのかという事前の戦略と、一方で、刻一刻と変化する路面とタイヤの状態や、ドライバー交代のタイミングや作業時間など、状況変化に素早く対応するチーム力が試されます。

以前は比較的苦手としていたサーキットですが、最近は富士でもNSX-GTは速さを見せていますので、皆様のご声援をよろしくお願いします」