9月10日(日)、栃木県ツインリンクもてぎにおいて2006 オートバックス SUPER GT 第7戦「もてぎGT300kmレース」の決勝が開催された。
現時点のポイントランキングでは、ドライバーズ部門で伊藤大輔/R.ファーマン組(#8 ARTA NSX)がトップに1ポイント差の2位、チーム部門でも#8 Team Honda Racingがトップと11ポイント差の3位につけている。今シーズンのポイントシステムでは、第6戦鈴鹿までは最低ポイントの1戦のポイントが除外される有効ポイント制度であったが、ここ第7戦もてぎから最終戦までの3戦はすべてのポイントが有効となる。シリーズランキング争いでは、この3戦でいかにポイントを獲得するかが重要となっている。
9日(土)に曇り空の下で行われた公式予選で、Honda NSX-GT勢は3台がスーパーラップに進出した。15時30分から行われたGT500クラスのスーパーラップで、7番目に出走したS.フィリップ/細川慎弥組(#100 RAYBRIG NSX)が今シーズン初のポールポジションを獲得した。RAYBRIG NSXが獲得したポールポジションとしては、2001年第3戦SUGO(飯田章/伊藤大輔組)以来となる。道上龍/小暮卓史組(#18 TAKATA童夢NSX)が5番手、伊藤大輔/R.ファーマン組(#8 ARTA NSX)が60kgのウエイトハンデを積みながらも7番手となった。L.デュバル/武藤英紀組(#32 EPSON NSX)は12番手からのスタートとなった。
10日(日)は、早朝に小雨が降ったものの天候は回復。徐々に気温も上昇し、気温32℃、路面温度45℃と絶好のコンディションでレースを迎えた。参加台数41台(GT500クラス15台)のマシンは、14時3分にローリング方式でスタートが切られた。
ホールショットを奪ったのはポールポジションスタートのS.フィリップ選手(#100 RAYBRIG NSX)。オープニングラップでは道上 龍選手(#18 TAKATA童夢NSX)が5位、続いてポジションをひとつ上げたR.ファーマン選手(#8 ARTA NSX)が6位、武藤英紀選手(#32 EPSON NSX)が12番手を走行する。その後、6周目のS字コーナーでR.ファーマン選手がオーバーランを喫し、7位に後退するが、道上選手は8周目の90度コーナーで#35 BANDAI DIREZZA SC430のインを差して4位に浮上した。
トップを走行するS.フィリップ選手は快調なペースで独走態勢を築き、15周終了時点で2位に9秒699の差をつける。21周目のヘアピンカーブでコースアウトを喫するアクシデントを経験するものの、すぐに復帰したためにトップを守った。道上選手も1分50秒前半の安定したラップタイムを重ね、3位を走る#6 Mobil 1 SCの背後に迫り、激しいバトルを繰り広げた。
24周終了時点で#8 ARTA NSXのR.ファーマン選手が早めのピットインを敢行して伊藤大輔選手にドライバー交代を行う。#18 TAKATA童夢NSXも26周終了時に道上選手がピットインを敢行し、小暮卓史選手がコースに復帰した。トップを走行する#100 RAYBRIG NSXは29周終了時に2位の#36 OPEN INTERFACE TOM’S SC430と同時にピットインをするが、リアタイヤのみを交換する作戦でトップの座を守りきり、S.フィリップ選手に代わって細川慎弥選手がコースに復帰した。
ほぼ全車がドライバー交代を終えた34周目時点では、#100 RAYBRIG NSXの細川選手が2位に4秒068の差をつけてトップを走行。#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手が4位、#8 ARTA NSXの伊藤選手が7位、#32 EPSON NSXのL.デュバル選手は11位を走行する。
トップを走行する細川選手は、1分48秒台を連発する快走をみせる。40周目には、GT300クラスのマシンと交錯して左のアンダーカウルを破損させてしまうが、その後も好ラップタイムを刻み続け、52周目には2位との差を9秒117まで広げた。
激しいシリーズチャンピオン争いを繰り広げている#8 ARTA NSXの伊藤選手は、60kgのウエイトハンデを積みながらも安定した走りで7位を走行していたが、45周に入るホームストレートで突然に挙動を乱してスローダウン。直後の1コーナーで右フロントタイヤが外れたためにコースサイドでマシンを止め、無念のリタイアとなった。
残り10周を切り、トップの細川選手は2位との差を12秒254まで広げる。3位争いは#6 Mobil 1 SCと#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手、#1 ZENT セルモ SCの3台が激しいテール・トゥ・ノーズのバトルを展開し、5万人の大観衆を魅了した。
63周にわたり繰り広げられた第7戦もてぎラウンドは、#100 RAYBRIG NSXがポール・トゥ・フィニッシュの完勝で今シーズン初勝利を飾った(もてぎラウンドは2年連続優勝)。#18 TAKATA童夢NSXは5位、#32 EPSON NSXは終盤に追い上げて8位でフィニッシュした。
この結果、シリーズポイント争いにおいて#100 RAYBRIG
NSXのS.フィリップ選手と細川選手が合計68ポイントを獲得し、ドライバー部門の首位と同ポイントの2位に立つこととなった(※)。#8
ARTA NSXの伊藤選手とR.ファーマン選手は63ポイントで5位、#18
TAKATA童夢NSXの道上選手と小暮選手は52ポイントで7位、#32
EPSON NSXのL.デュバル選手と武藤選手は31ポイントで13位となっている。
※シリーズポイントで同点に並んだ場合は、上位入賞回数の多いチームの方が上位となる
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