5月4日(木)、富士スピードウェイ(静岡県)において2006
オートバックス SUPER GT 第3戦富士 GT500kmの決勝レースが開催され、ゴールデンウィークに開催される決勝に5万4300人もの大観衆が詰めかけ、SUPER
GTの白熱したバトルが繰り広げられた。
SUPER GTシリーズは、このラウンドから新ルールが適用されている。車種とタイヤの組み合わせによる特別性能調整が行われ、NSX-GT+ブリヂストンタイヤの#8
ARTA NSX、#18 TAKATA童夢NSX、#100
RAYBRIG NSXは25kgの重量が加算されることとなった。さらに従来のウェイトハンデとして、#18
TAKATA童夢NSXは90kg、#100 RAYBRIG
NSXは50kg。#8 ARTA NSXは20kgを積んでいる。
※TAKATA童夢NSXはウェイトハンデ累積重量が100kgを超えた(計115kg)ため、エアリストリクター径を1ランク小さいものを選択して車重を50kg減らしている。
3日(水)の公式予選は快晴のもと行われ、Honda NSX-GT勢はウェイトハンデを積みながらも4台全てがスーパーラップに進出し、伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組(#8
ARTA NSX)が5番手、ロイック・デュバル/武藤英紀組(#32
EPSON NSX)が6番手、第2戦岡山で優勝した道上龍/小暮卓史組(#18
TAKATA童夢NSX)が8番手、セバスチャン・フィリップ/細川慎弥組(#100
RAYBRIG NSX)が9番手から決勝スタートを迎えることとなった。
4日(木)の決勝レースは天候にも恵まれ、午後1時50分の決勝スタート時点で気温18℃、路面温度38℃という絶好のコースコンディションとなった。
オープニングラップは予選5番手スタートのR.ファーマン選手(#8
ARTA NSX)と6番手スタートのL.デュバル選手(#32
EPSON NSX)がポジションを1つ上げて4-5位を走行する。トップ争いはポールポジション・スタートの#1
ZENT セルモSCが独走態勢を築き上げていたが、4周目にマシントラブルでスローダウンしたために脱落した。
その結果、3位に浮上したR.ファーマン選手だったが、ペースが上がらず徐々に順位を後退させていく。代わってL.デュバル選手が3位に浮上し、13周終了時点では、6位にR.ファーマン選手、S.フィリップ選手(#100
RAYBRIG NSX)が8位、道上 龍選手(#18 TAKATA童夢NSX)が11位を走行した。
今回の富士ラウンドは110周=501.930kmという長距離のため、燃料補給/タイヤ交換のピットインを最低2回行う必要がある。そのため、どちらかのドライバーが2スティントを走らなければならず、チームのピットワークや戦略的な駆け引きが重要視された。
L.デュバル選手は15周目あたりからペースが上がらなくなり、16周目の1コーナーでインを差されて4位、26周目にも順位を下げて後続のR.ファーマン選手と5-6位を走行する。そして30周終了時にL.デュバル選手がNSX-GT最初のピットインを敢行。燃料補給とタイヤ交換を行い、2スティント目の走行はL.デュバル選手が続投してコースに復帰した。
41周終了時、1スティント目を長く走行して粘りをみせた#18
TAKATA童夢NSXの道上選手が燃料補給/タイヤ交換のピットインを行った。しかし、ピット作業後に起きた電気系統のトラブルによりガレージに入り、修復後に小暮卓史選手が復帰したものの、その後も数度のピットインを繰り返して最終的にリタイアとなった。
ほぼ全車が1回目のピットインを行った45周終了時点で、NSX-GTはL.デュバル選手(#32
EPSON NSX)が6位、続く7位に伊藤大輔選手(#8 ARTA
NSX)、S.フィリップ選手(#100 RAYBRIG NSX)が11位を走行する。新しいタイヤに履き替えたL.デュバル選手は再びペースを上げ、49周目に2台をパスして4位に再浮上し、前を走る#6
Mobil 1 SCを猛追し始める。この時点で5秒強もあった3位との差を、64周終了時点には1秒6まで接近してプレッシャーをかけ続けた。
69周終了時点、タイヤの消耗によりペースが少し落ちて5位となったL.デュバル選手が2回目のピットインを行い、燃料補給とタイヤ交換を行って武藤英紀選手がコースに復帰した。同じくドライバー交代を行った#100
RAYBRIG NSXは、コース復帰直後となる70周目の最終コーナーでクラッチトラブルが発生し、細川慎弥選手がコース脇にマシンを止めてリタイアとなった。
今シーズン最長となる110周で繰り広げられた富士ラウンドはNSX-GTが苦戦する展開となったが、#32
EPSON NSXが6位、レース中盤にリアタイヤの振動トラブルに見舞われながらも完走した#8
ARTA NSXは7位でチェッカーを受けてポイントを獲得した。優勝したのは服部尚貴/P.ダンブレック組(#35
BANDAI DIREZZA SC430)だった。
このレースを終えて、シリーズポイント争いにおいて計38ポイントを獲得していた道上
龍選手/小暮卓史選手(#18 TAKATA童夢NSX)のドライバーズ・ランキングトップは変わらず、Team
Honda Racing(#18)も計28ポイントでトップを堅持する結果となった。
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