2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第2戦が岡山国際サーキット(岡山県)で開催されました。日本国内では依然として新型コロナウイルス感染拡大が収束していないため、第1戦に引き続き予選と決勝を日曜日の一日で行い、入場観客数を5000人に限定する変則開催です。今回は、新型コロナウイルス感染拡大を防止するための入国規制により、TEAM MUGENのユーリ・ビップス、ThreeBond Drago Corseのタチアナ・カルデロン、Buzz Racing with B-MAXのセルジオ・セッテカマラが入国できず、それぞれ笹原右京、塚越広大、高星明誠が代役として出走しました。Buzz Racing with B-MAXのシャルル・ミレッシは欠場しました。
土曜日は晴れ間が見えながら時折り小雨が降る、不安定な曇天の下で公式テストおよびフリー走行が行われ、各車本番へ向けての調整を進めました。日曜日、予選・決勝を迎えた岡山国際サーキットは、雲が浮かぶものの青空が広がり、絶好のレース日和となりました。
抽選でA組・B組に分かれて行われた予選Q1セッションを通過したのは、#5山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#12塚越広大(ThreeBond Drago Corse)、#15笹原右京(TEAM MUGEN)、#16野尻智紀(TEAM MUGEN)、#64牧野任祐、#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)の6名でした。
計14台で争われるQ2セッションを勝ち抜いたのは#5山本、#64牧野、#65大湯の3名で、Q3へ進出しました。Q3の結果、#64牧野がHonda/M-TEC勢最上位のスターティンググリッド4番手から決勝レースに臨むこととなりました。5番手に#65大湯、7番手に#5山本が続きました。
決勝レースは午後3時15分から始まる予定でしたが、フォーメーションラップでアクシデントが起きたためにスタートディレイとなり、レース数は51周から1周減算の50周に変更されました。
午後3時30分、仕切り直しのスタートでは第1コーナーで#65大湯が#64牧野に接触したことから混乱が起き、1周目からセーフティカーが介入するという波乱の幕開けとなりました。
スタートの混乱をくぐり抜け、#5山本が5番手、#16野尻が8番手、#12塚越が12番手、#6福住が13番手へと順位を上げ、レースは8周目から再開しました。今回は、決勝レースの周回数が当初は51周(189km)と、開幕戦よりも走行距離にして20kmほど長くなったことに伴い、開幕戦とは異なりレース中のタイヤ交換が義務づけられていました。#5山本はタイヤ交換が規則上可能になる10周目、#6福住は11周目、#12塚越は14周目にピットインしてタイヤ交換を行いました。一方、#16野尻は18周目までピットインを遅らせる作戦を採りましたが、この作戦は裏目に出て順位を下げることとなりました。
また、#12塚越はタイヤ交換後のペースが上がらず、#6福住の先行を許しました。レース後半、#5山本は前方を走る#19関口雄飛(トヨタ)に迫り4番手を狙うも届かず、50周を走りきって5位のチェッカーフラッグを受けました。#6福住は8位、#16野尻は10位でレースを終え、それぞれポイントを獲得しました。
山本尚貴(6位)
「土曜日は天候などの問題があって用意していったメニューが消化しきれなかったのですが、予選に向けてマシンのポテンシャルとしてはそれなりにいい状態にまとめられたと思います。ただ予選ではコンディションが合わず、チームのオペレーションの問題もあってタイムアタックができずに終わってしまいました。決勝では、スタートが決まってサッシャ(フェネストラズ・トヨタ)の真横くらいまで行けたのですが、アクシデントがあって行き場所がなくなり、結局ポジションを上げきれなかったのは不運でした。開幕戦からHonda勢は今一つの状態で、Hondaのドライバーとしては恥ずかしいです。次のスポーツランドSUGOはいい思い出のある場所なので、巻き返したいと思っています」
福住仁嶺(8位)
「岡山国際サーキットはオーバーテイクが難しいコースなのに、予選では僕のミスからQ1で敗退して、レースを難しくしてしまいました。予選の後、チームとよく話し合ってセットアップも思いきって変え、決勝ではしっかり完走してポイントを取ろうと頭を切り換えました。スタートでは1コーナーで混乱がありましたがうまく切り抜けて、その後は早めにピットインしてなるべくクリーンエアの中を走った方がいいと考えました。その戦略はよかったのですが、その後のペースがよくなくて、その後は後ろから煽られる苦しいレースになってしまいました。なんとか押さえ込んで8位でフィニッシュし、ポイントが取れたのはよかったと思います。まだまだクルマも自分もベストな状態でレースができていないと思うので、次のスポーツランドSUGOでは巻き返したいと思います」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 39 | 坪井翔 | トヨタ | 50 | 1:13'11.975 |
2 | 38 | 石浦宏明 | トヨタ | 50 | +0.782 |
3 | 1 | N.キャシディ | トヨタ | 50 | +3.103 |
4 | 20 | 平川亮 | トヨタ | 50 | +5.579 |
5 | 19 | 関口雄飛 | トヨタ | 50 | +8.352 |
6 | 5 | 山本尚貴 | ![]() |
50 | +8.640 |
8 | 6 | 福住仁嶺 | ![]() |
50 | +20.459 |
10 | 16 | 野尻智紀 | ![]() |
50 | +21.880 |
12 | 12 | 塚越広大 | ![]() |
50 | +28.278 |
13 | 15 | 笹原右京 | ![]() |
50 | +32.950 |
14 | 50 | 高星明誠 | ![]() |
50 | +57.559 |
15 | 65 | 大湯都史樹 | ![]() |
50 | +57.961 |
64 | 牧野任祐 | ![]() |
- | - |
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 20 | 平川亮 | トヨタ | 34 |
2 | 39 | 坪井翔 | トヨタ | 20 |
3 | 38 | 石浦宏明 | トヨタ | 18 |
4 | 3 | 山下健太 | トヨタ | 16 |
5 | 1 | N.キャシディ | トヨタ | 16 |
6 | 4 | S.フェネストラズ | トヨタ | 14 |
7 | 6 | 福住仁嶺 | ![]() | 9 |
10 | 5 | 山本尚貴 | ![]() | 5 |
11 | 16 | 野尻智紀 | ![]() | 5 |
14 | 64 | 牧野任祐 | ![]() | 2 |
15 | 笹原右京 | ![]() | ||
50 | 高星明誠 | ![]() | ||
50 | 名取鉄平 | ![]() | ||
65 | 大湯都史樹 | ![]() |
順位 | チーム | エンジン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
1 | JMS P.MU/CERUMO・INGING | トヨタ | 38 | |
2 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | トヨタ | 34 | |
3 | KONDO RACING | トヨタ | 26 | |
4 | VANTELIN TEAM TOM’S | トヨタ | 26 | |
5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | ![]() | 14 | |
6 | TEAM MUGEN | ![]() | 5 | |
8 | TCS NAKAJIMA RACING | ![]() | 2 | |
ThreeBond Drago CORSE | ![]() | |||
Buzz Racing with B-Max | ![]() |