9月28日(土)~29日(日)、岡山国際サーキット(岡山県)で2019年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第6戦が開催されました。週末は天候が崩れるという予報が出ていましたが、28日は雲の間から太陽が顔を出し、ドライコンディションでノックアウト予選が行われました。今回のQ1では、コース上の混雑が考慮され、抽選でA組、B組の2グループに分けたうえ10分ずつ計測を行い、各グループ上位6人ずつがQ2へ進出するという特別規則が適用されました。
A組では#51 ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)が2番手、#64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が4番手、#15 パトリシオ・オワード(TEAM MUGEN)が6番手、B組では#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が2番手、#65 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)が6番手でQ1を突破し、Q2へ進みました。
12台から8台に絞り込まれるQ2では全車ソフトタイヤを装着してアタックにかかり、4番手に福住、6番手に牧野、8番手にパロウがつけてQ3へ進出。Q3セッションの結果、スターティンググリッドは、#5 福住が5番手、#65 牧野が7番手、#64 パロウが8番手となりました。
29日は、一時的な降雨も予想されてはいたものの薄曇りのまま、ドライコンディションで決勝スタートを迎えました。今回は特別規則でスタートから10周の間に行われたピット作業は、タイヤ交換義務の回数には数えないこととなり、各チームが新たな戦略でレースに臨むこととなりました。5番手スタートの福住はソフトタイヤ、7番手、8番手スタートの牧野、パロウはミディアムタイヤでスタートしました。
ソフトタイヤでスタートした福住は、スタート加速で前方のマシンをすり抜け3番手に躍り出ると、ハイペースで走り、5周目には2番手に進出しましたが、8周目のアトウッドカーブでコースオフ、レースから脱落してしまいました。
これによりセーフティカーがコースイン、隊列走行が始まりました。この間に特別規則で定められた10周が経過したため、ピットインしてタイヤ交換をする選手が続出しました。牧野もこのタイミングでピットを済ませましたが、その直後にタイヤがパンク状態となり、順位を大きく落としました。
13周目にレースが再開された段階では、ソフトタイヤでスタートして戦略上ピットインできなかった選手が上位を占めていましたが、セーフティカー走行中にミディアムタイヤからソフトタイヤへ交換して後方に続いた選手が有利な展開となりました。
Honda勢の中では、12番手からミディアムタイヤでスタートし、10周満了時点でソフトタイヤへ交換したニューウェイは、セーフティカーが入った時点で10番手、タイヤ交換義務を果たした選手の中では実質3番手につけ、スタートで遅れたパロウがその後につけました。
レース終盤、上位陣はタイヤ交換義務を果たすためピットに入ったことで、すでにタイヤ交換を終えていた選手が一気に順位を入れ替えます。65周目の段階でニューウェイが3番手、パロウが4番手に進出しました。
レースは68周の予定でしたが、セーフティカーランの影響もあり、1時間30分の制限時刻に達して66周終了時点でチェッカーフラッグが振られて終了。ニューウェイが初表彰台となる3位、パロウが4位、#50 ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)が5位、#15 オワードが6位、#1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が7位に入賞、それぞれシリーズポイントを獲得しました。この結果、山本は1ポイント差でシリーズランキングトップに立ち、次戦鈴鹿サーキットでのシリーズ最終戦を迎えることとなりました。
ハリソン・ニューウェイ
「もちろんうれしい結果です。僕はこれまでポイントを獲れずにいた数少ない選手の一人でしたから。これまでを振り返ると、運がよくなかったこともありましたし、解決しなければならないいろいろな問題を抱えていましたが、チームが朝早くから夜遅くまで仕事をしてくれて、いいクルマに仕上げてくれました。今回の結果は、いいクルマを用意してくれて、すばらしい戦略で戦わせてくれたチームがあってこそ得られたものです。とても感謝しています。今回は父親(エイドリアン・ニューウェイ)が来てレースを見守ってくれましたが、表彰台に上がるところを見せることができてとてもハッピーです」
アレックス・パロウ
「雨が降らずに本当によかったです。ただ、この週末は予選まではいくつか問題を抱えて、なかなかいい感触が得られませんでした。特にグリップレベルが低く、予選では苦戦しました。でもミディアムでスタートしたレースではコンディションが変わったためか、いい感触になりました。スタートでは遅れてしまいましたが、セーフティカーのタイミングで順位を上げることができました。その後は前を走るニューウェイ選手より僕の方がペースはよかったのですが、コーナーごとにダウンフォースが抜けてしまうので、どうしてもオーバーテイクすることができませんでした。この結果はシリーズポイントを考えると、とてもうれしいです。鈴鹿のレースではもっと前のポジションからスタートして優勝を争い、チャンピオンシップを勝ち取りたいと思っています」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 山下健太 | トヨタ | 66 | 1:30'52.967 |
2 | 36 | 中嶋一貴 | トヨタ | 66 | +2.340 |
3 | 51 | ハリソン・ニューウェイ | ![]() | 66 | +4.045 |
4 | 64 | アレックス・パロウ | ![]() | 66 | +5.311 |
5 | 50 | ルーカス・アウアー | ![]() | 66 | +11.174 |
6 | 15 | パトリシオ・オワード | ![]() | 66 | +12.532 |
7 | 1 | 山本尚貴 | ![]() | 66 | +15.702 |
9 | 16 | 野尻智紀 | ![]() | 66 | +24.461 |
14 | 17 | 塚越広大 | ![]() | 66 | +42.858 |
17 | 65 | 牧野任祐 | ![]() | 66 | +46.043 |
20 | 5 | 福住仁嶺 | ![]() | 7 | +59 Laps |
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 山本尚貴 | ![]() | 29 | |
2 | 37 | N.キャシディ | トヨタ | 28 | |
3 | 64 | アレックス・パロウ | ![]() | 25 | |
4 | 3 | 山下健太 | トヨタ | 21 | |
5 | 18 | 小林可夢偉 | トヨタ | 19 | |
6 | 50 | ルーカス・アウアー | ![]() | 14 | |
9 | 5 | 福住仁嶺 | ![]() | 12 | |
12 | 16 | 野尻智紀 | ![]() | 11 | |
15 | 51 | ハリソン・ニューウェイ | ![]() | 6 | |
16 | 65 | 牧野任祐 | ![]() | 6 | |
18 | 15 | パトリシオ・オワード | ![]() | 3 | |
19 | 15 | ダニエル・ティクトゥム | ![]() | 1 | |
- | 17 | 塚越広大 | ![]() |
- |
順位 | チーム | チーム | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
1 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | ![]() | 40 | |
2 | VANTELIN TEAM TOM’S | トヨタ | 40 | |
3 | TCS NAKAJIMA RACING | ![]() | 28 | |
4 | KONDO RACING | トヨタ | 25 | |
5 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | トヨタ | 21 | |
6 | B-Max Racing with motopark | ![]() | 20 | |
9 | TEAM MUGEN | ![]() | 15 | |
REAL RACING | ![]() |
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