2019年度の全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)開幕戦が鈴鹿サーキットで開催されます。今シーズンのSFには、2014年以降昨年まで5シーズンに渡って用いられてきたシャシー『SF14』に替わる新型シャシー『SF19』がデビューします。SF14の長所をさらに引き伸ばすことをコンセプトに開発された新しいシャシーには、引き続きNRE(ニッポン・レース・エンジン)規格の2リッター直列4気筒直噴式ターボエンジン『Honda HR-417E』が搭載されます。ホイールベースは伸び、フロントタイヤ幅が広がったSF19は、デビュー前の熟成テストの段階でSF14に匹敵するラップタイムで走っており、今シーズンのレースは昨年にも増して迫力ある展開となりそうです。

変わるのは競技車両ばかりではありません。Hondaエンジンを使って今シーズンを戦う選手たちの陣容も大きく変化します。まず昨年SFとSUPER GTの両シリーズでチャンピオンとなった山本尚貴は福住仁嶺とともにDOCOMO TEAM DANDELION RACINGへ移籍、シリーズ2連覇を狙います。福住は昨年、ヨーロッパのFIA F2選手権(F2)とSFを掛け持ちして参戦しましたが、今年は国内での活動に集中します。

山本、福住と入れ替わりにTEAM MUGENへは野尻智紀が加入しました。野尻は前年度のチャンピオンチームで初めての王座を狙うことになります。野尻のチームメートはヨーロッパ期待の若手で、17年、18年とF3マカオGPで連勝を遂げたフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)候補生のイギリス人、ダニエル・ティクトゥムです。

開幕前テストで好タイムを連発したのがTCS NAKAJIMA RACINGのアレックス・パロウです。パロウは17年の全日本F3選手権に参戦し、慣れない日本のコースで3勝を記録した22歳のスペイン人。かねてから希望していたSFへの参戦が今年実現します。パロウのチームメートは昨年のF2で日本人として初めてレース1優勝を果たした期待の若手、牧野任祐となります。

REAL RACINGのトリスタン・シャルパンティエは昨年イギリスF3選手権シリーズで2回の2位で、表彰台に上がった18歳のフランス人選手。18歳でのSF参戦はシリーズ史上初です。

また、ヨーロッパの強豪チーム・モトパークとタッグを組んで参戦するB-Max Racing with motoparkは、24歳のオーストリア人ルーカス・アウアーと20歳のイギリス人ハリソン・ニューウェイという2人のルーキーで挑みます。

SUPER GT開幕に続き、国内4輪モータースポーツもいよいよ本格的に開幕します。今季のHonda陣営は、9人の中で昨年と同じチームで戦うのはティクトゥムただ一人、SFルーキーが5人、シーズンフル参戦経験者は山本と野尻の2人のみという新鮮な陣容でシーズン開幕戦に臨みます。目指すはHondaの2年連続のシリーズ制覇です。

若手の登竜門カテゴリーの全日本F3では、大湯都史樹が参戦

2019年度の全日本F3選手権は、全8大会が予定され、6大会はSFのサポートレースとして併催されます。SF開幕戦と同じ週末には、鈴鹿サーキットで全日本F3の開幕ラウンドも行われます。シリーズには、HFDP(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)出身の大湯都史樹がTODA RACINGから参戦します。大湯は全日本F3では2シーズン目、昨年は最高順位3位、シリーズランキング6位で終えています。今年の目標は初優勝、そしてシリーズチャンピオン奪取です。