新チーム「Moriwaki Althea Honda Team」が挑んだシーズン
キャミアが総合17位、清成は総合19位で2019年を終える
2019年のスーパーバイク世界選手権(SBK)、HondaはモリワキエンジニアリングとAlthea Racingにより結成された「Moriwaki Althea Honda Team」のサポートを行った。ライダーは昨年「Red Bull Honda World Superbike Team」から参戦し、ランキング12位に入ったレオン・キャミアと、自身10年ぶりのSBK参戦となった清成龍一。マシンは2019年型のCBR1000RR SP2を用い、新体制で戦いに挑んだ。
オーストラリアのフィリップアイランド・サーキットで迎えた開幕戦。レース1こそポイント獲得を逃した両者だったが、レース2でキャミアが10位、清成が15位に入り、そろってポイントを獲得し、チームはまずまずのスタートを切った。
その後も、ライダー2人が着実に入賞を記録し、ポイントを獲得していたところに、チームは苦難に見舞われた。キャミアが第5戦のイタリア・イモラ大会の予選中に転倒し、左肩を負傷。そのまま欠場を余儀なくされてしまう。チームは急きょ、第6戦のスペイン大会から、全日本ロードレース選手権(JRR)に出場中の高橋裕紀を代役に立て、参戦を続けた。高橋裕紀は第6戦のレース2で早速入賞を果たすと、第7戦イタリア・ミサノ大会ではウエット路面で行われたレース1で8位に入り、貴重なポイントをもたらした。
第8戦イギリス大会は、清成1人での参戦となったが、ブリティッシュ(英国)スーパーバイク選手権で走り慣れたドニントン・パーク・サーキットを舞台にシーズン自己ベストとなる11位入賞を果たす。清成は続く第9戦アメリカ大会でもポイントを獲得し、徐々に波に乗りつつあった。
第10戦ポルトガル大会では、キャミアの代役としてJRRでチャンピオンを争っていた高橋巧が参戦する。高橋巧にとっては17年のスペイン大会以来、2年ぶりのSBK参戦となった。彼自身も左脚を負傷している状態ではあったが、堅実な走りをみせて、レース1で15位に入りポイントを獲得した。
そして、シーズンも最終盤に差し掛かった第11戦フランス大会から、キャミアが復帰。キャミアは欠場期間中のうっぷんを晴らすかのような走りをみせ、レース1でこの年のチームベストリザルトとなる7位入賞、レース2でも9位に入賞した。清成もフランス大会の予選で9番手となり、トップ10入りを果たすなど、Moriwaki Althea Honda TeamとHonda CBR1000RR SP2は着実に戦闘力が向上していることを示した。
第12戦のアルゼンチン大会は、サン・ホワン・ビリクム・サーキットが舞台。キャミア、清成の両ライダーは、金曜日のフリー走行から汚れた路面コンディションに悩まされることとなった。キャミアが「ヒザを擦って走れない」というコメントを残すほどの悪条件の中、ライダー2人は、土曜日のレース1の欠場を決めた。コースコンディションが回復した日曜日、レース2でキャミアはタイヤの性能低下に悩まされながらも、13位入賞。一方の清成は17位で完走を果たした。
シーズン最終戦の舞台は中東・カタール。レース1、13番グリッドからスタートしたキャミアは、オープニングラップでポジションを落としたものの、粘りの走りで徐々にポジションを上げていく。最終的にはライバルのコースアウトなどもあり、10位フィニッシュを果たした。清成も14位に入ってポイントを獲得し、波に乗るかと思われたが、日曜日のスーパーポールレース、レース2ではともにポイント獲得とはならず、最終戦を終えることとなった。
総合ランキングでは、キャミアが17位、清成が19位という結果になった。