Round06イギリス
2018年5月26日(土)~27日(日)
会場:ドニントン・パーク
天候:26日(晴れ)、27日(晴れ/曇り)
気温:26日(18℃)、27日(23℃)
コースコンディション:26日(ドライ)、27日(ドライ)
第6戦イギリス大会が、5月25日(金)~27日(日)の3日間、ドニントン・パークで開催されました。同サーキットは、一周4.023km。シケインとヘアピン、中高速コーナーが連続するバリエーション豊かなサーキットで、パッシングポイントも多く、毎年、厳しい戦いが繰り広げられます。
今大会は、第3戦スペイン・アラゴン大会で多重クラッシュに巻き込まれて負傷し、同大会のレース2と第4戦オランダ大会を欠場、第5戦イタリア・イモラ大会に復帰するもフリー走行で走行をキャンセルしたレオン・キャミア(Red Bull Honda World Superbike Team)が約1カ月半ぶりに復帰を果たしました。
ホーム大会での復帰戦に向けてキャミアは、こう語りました。
「ホームレースを楽しみにしています。イモラのあと、私は数日ケガの治療をするために休養しました。まだ痛みはありますが、トレーニングでのフィーリングはよくなったし、肺機能も改善されました。身体的にもイモラよりいい状態にあります。今週末の目標はレースを走りきることです」
スペイン・アラゴンの多重クラッシュでは背中の骨などを骨折する重傷でした。前戦イモラ大会では、タイムを出すことは可能でしたがレース距離を走る体力がないため決勝をキャンセル。今大会も完全な状態ではありませんでしたが、走り慣れたドニントン、ホーム大会ということで復帰を決めました。
初日のフリー走行は、午前中はウエットコンディション。午後になってドライコンディションに変化していきますが、キャミアはウエットコンディションとなったFP1で4番手、ハーフウエットだったFP2で4番手と完全復帰をアピール。しかし、完全ドライになったFP3では、大接戦の中で14番手。走行を終えたキャミアは、「ウエットではトップタイムを争えるところまでいけましたが、ペースの上がるドライでは、さすがに思ったようには乗れませんでした。でも、イモラに比べたらはるかにいい状態で走れています」と一日を振り返りました。
青空の広がった土曜日の予選SP1では3番手タイム。SP2進出は果たせずも13番グリッドを獲得。決勝では1分28秒台の好ラップを刻み、チャズ・デイビス(ドゥカティ)、レオン・ハスラム(カワサキ)らと集団になり10位でフィニッシュ。日曜日のレース2では、ジョルディ・トーレス(MVアグスタ)、ロリス・バズ(BMW)、マルコ・メランドリ(ドゥカティ)らと争い、グループの先頭でフィニッシュ。8位でチェッカーを受けました。
今季、開幕戦オーストラリア大会で7位/6位、第2戦タイ大会でフロントロースタートから4位/6位と調子を挙げていたキャミア。ケガのために悔しい欠場が続いていましたが、これからの活躍に大きな注目が集まる走りでした。
今季初めて経験するサーキットが続いていたチームメートのジェイク・ガニェは、今大会は走行経験があるドニントンパーク。キャミアの復帰でチームのムードが盛り上がる中で、レース2で13位でフィニッシュ。3戦ぶりにポイントを獲得しました。
今大会はマシンのセッティングが思うように進みませんでした。ウエットコンディションでは、トップ10に迫る走りを見せましたが、ドライコンディションでは苦戦して23番グリッドと後方からのレースとなりました。厳しいグリッドからの決勝でしたが、レース1ではポイント獲得にあと一歩の16位。レース2では13位でフィニッシュしました。次戦チェコ大会はシーズンの折り返し点。後半戦に向けて弾みのつく大会となりました。
予選19番手から決勝に挑んだパトリック・ジェイコブセン(TripleM Honda World Superbike Team)は、レース1で15位、レース2ではポイント獲得にあと一歩の16位。開幕から6大会連続でポイント獲得を果たしました。
レオン・キャミア(スーパーバイク 10位&8位)
レース1後のコメント
「なんという一日だろうと思いました。疲れ切った身体で走ったラストラップは本当に厳しいものでした。それがトップ10フィニッシュにつながったのですが、正直、思っていたよりもいい結果だったのでとてもうれしいです。CBR1000RR FP2はとてもよく機能していました。おかげですばらしいペースをキープすることができました。特に中高速コーナーが続くセクター1と2はいい走りができました。しかし、ハードブレーキングが必要になる後半セクションと左コーナーでは、完治していない身体の痛みと闘わなくてはいけませんでした。今日の目標は、ただただ完走できればいいというものでした。それが私の前を走るDucati勢と同じペースをキープできて、トップ10でフィニッシュ。大きな自信になりました。今日の結果はとてもうれしいです」
レース2後のコメント
「今日の結果にとても満足しています。昨日、今日とトップ10フィニッシュできるとは思っていなかったし、今回の2レースは自分にとって大きなボーナスとなりました。序盤はそれほど無理をしないで走りました。次第にリズムよく乗れるようになり、今日はどこでプッシュできるかを確認しながらペースを上げました。後半はバズとメランドリとバトルができたし何度もポジションを入れ替えるいいバトルでした。いまの自分の体調を考えれば、とてもすばらしいことでした。今週は電子制御に集中して取り組み大きな進歩を遂げることができました。これはレース結果とは別にうれしいことでした。バイクのセットアップが正しい方向に向かっていることを確認できたので、次戦ブルノからの戦いが楽しみになりました」
ジェイク・ガニェ(スーパーバイク 16位/13位)
レース1後のコメント
「今日は簡単な日ではありませでした。しかし、本当に多くのいい経験ができました。フリー走行、スーパーポール、そして決勝とドライコンディションで多くの周回をすることができました。しかし、スーパーポールは思っていたようにはいかず、21番グリッドという、かなり後ろからのスタートになり、決して喜べるものではありませんでした。決勝は、コース攻略が完全にできないまま迎えることになり、自分のペースを見つけるのにとても苦労しました。いくつかのエリアでは悪くなかったと思いますが、後半セクションのハードブレーキングと加速ポイントでは多くの時間を失いました。それでもかなり追い上げることができました。明日のレースは、CBR1000RR SP2のセッティングとライディングスタイルを変えれば、今日よりはいいレースができると思います」
レース2後のコメント
「朝のウォームアップでCBR1000RR SP2は大きな改善に成功しました。特に車体のセッティングがよくなり、フィーリングが向上しました。スタートはよかったのですが、序盤は、後方からのレースだったので厳しいものでした。コース上の混雑は予想通りでしたが、中盤からは思い通りに走れるようになり、いくつかの場所ではプッシュすることができました。最終的にポイントを獲得することができましたし、次戦ブルノに向けてとてもポジティブでした。次戦では、いいレースができるだろうと確信しています」
パトリック・ジェイコブセン(スーパーバイク 15位/16位)
「レースウイークを通じて難しいレースでした。金曜日のウエットコンディションではまずまずの走りでトップ10前後で終えることができました。しかし、ドライコンディションでは、他のHonda勢と一緒に走るのは少し難しかったです。その理由は、グリップレベルの違いと、ブレーキングに決定的な差があったことでした。この部分で同じように走ることができれば、同じレベルで戦えたと確信します。以前に英国スーパーバイク世界選手権(BSB)でドニントンを経験していますが、今週は難しいレースになりました。もうワンステップ、マシンをセッティングする必要があります」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 60 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 23 | 33'56.530 |
2 | 1 | J.レイ | カワサキ | 23 | +1.136 |
3 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 23 | +2.193 |
4 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 23 | +6.642 |
5 | 32 | L.サバドーリ | アプリリア | 23 | +7.331 |
6 | 50 | E.ラバティ | アプリリア | 23 | +13.374 |
10 | 2 | レオン・キャミア | ![]() | 23 | +20.634 |
15 | 99 | パトリック・ジェイコブセン | ![]() | 23 | +38.850 |
16 | 45 | ジェイク・ガニェ | ![]() | 23 | +42.536 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 60 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 23 | 34'02.406 |
2 | 54 | T.ラズガットリオグル | カワサキ | 23 | +2.328 |
3 | 1 | J.レイ | カワサキ | 23 | +2.614 |
4 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 23 | +2.894 |
5 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 23 | +4.797 |
6 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 23 | +8.224 |
8 | 2 | レオン・キャミア | ![]() | 23 | +18.488 |
13 | 45 | ジェイク・ガニェ | ![]() | 23 | +29.741 |
16 | 99 | パトリック・ジェイコブセン | ![]() | 23 | +34.175 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.レイ | カワサキ | 245 |
2 | C.デイビス | ドゥカティ | 181 |
3 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 163 |
4 | T.サイクス | カワサキ | 163 |
5 | M.メランドリ | ドゥカティ | 136 |
6 | X.フォレス | ドゥカティ | 124 |
11 | レオン・キャミア | ![]() |
56 |
17 | ジェイク・ガニェ | ![]() | 20 |
18 | パトリック・ジェイコブセン | ![]() | 18 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 263 |
2 | ドゥカティ | 224 |
3 | ヤマハ | 182 |
4 | アプリリア | 76 |
5 | ![]() | 71 |
6 | BMW | 67 |
7 | MVアグスタ | 64 |
8 | スズキ | 3 |