2017年8月19日(土)~20日(日) 会場:ユーロスピードウェイ・ラウジッツ 天候:晴れ 気温:20℃
コースコンディション:ドライ
第9戦ドイツ大会が、8月18日(金)~20日(日)までの3日間、ユーロスピードウェイ・ラウジッツで開催されました。
ドレスデン郊外に位置するユーロスピードウェイ・ラウジッツは、オーバルコースが2つ。さらに、レーシングコースがインフィールドにあるという、ドイツが世界に誇る近代的なサーキットとして2000年に完成。スーパーバイク世界選手権は01年に初開催となり、以後02年、05年、06年、07年、そして昨年と、計6回開催されました。一周4.265kmの国際レーシングコースは、オーバルコースを併用するロングストレートとインフィールドにつくられたテクニカルセクションを組み合わせたサーキットで、パッシングポイントの少ない難コースとして知られています。
7月下旬にこの場所で行われた2日間の合同テストには、昨年まで他チームのレギュラーライダーとして参戦していたダビデ・ジュリアーノが参加。そのときの走りが認められ、今大会はRed Bull Honda World Superbike Teamから参戦することになりました。
復帰が決まったジュリアーノは「今大会が今季初めてのスーパーバイク世界選手権のレース。だから、新しいマシンに乗るために調整していかなくてはいけないですが、最も大事なのはチームといい仕事をして少しずつマシンに慣れること。そして、すべてのセッションで前進していくことです。ここのトラックは個性的で、不安定な天気も自分たちに味方してくれることを願っています。とにかくレースがスタートすることを、とても楽しみにしています」と、復帰戦を待ちきれない様子でした。
一方、体調不良でテストをキャンセルしたブラドルは「夏休み後にホームレースを迎えられるのがうれしい。僕にとってドイツ人のファンの前でいいレースをするのは大切なこと。地元のファンはいつもモチベーションを与えてくれるし、自分がここでどんなパフォーマンスができるのかが楽しみです」と気合を入れていました。
そんなブラドルですが、初日のフリー走行で、他車がまいたオイルによって激しく転倒。その影響で左ヒジの関節を痛めてしまいました。その痛みにより、翌日の土曜日に実施されたフリー走行と予選をほとんど走れず、さらに、レース1のキャンセルを決めました。予選では、痛みを堪えて15番手に。転倒がなければ、Q2進出から上位のグリッドを狙えた可能性もあるだけに、悔しい予選と残念なレース1の欠場となりました。
そして日曜日のレース2は、地元ファンのために痛みを堪えてグリッドに並び、13位でフィニッシュしました。「アドレナリンのおかげで、痛みはそれほどではなかったです」と語ったブラドルですが、転倒によって、走り込みとセッティングが不足し、最後まで苦しい走りを強いられました。
一方、今大会、Red Bull Honda World Superbike Teamに加わったジュリアーノは、初めて乗るCBR1000RRに慣れることに専念。フリー走行では総合18番手、予選では16番グリッドを獲得。CBR1000RRのデビュー戦に挑みました。
土曜日に行われたレース1では、オープニングラップの14番手から、2周目に12番手までポジションを上げますが、レース中盤の10周目にトラブルのためにコースアウト。そのままピットに戻ってリタイアとなりました。そして日曜日のレース2は、オープニングラップの19番手から17位でフィニッシュしました。
今季初となるスーパーバイク世界選手権への出場。初めて乗るCBR1000RRに、手応えを感じる3日間となったジュリアーノですが、ポイントの獲得は果たせませんでした。
ステファン・ブラドル(スーパーバイク DNS/13位)
レース1後のコメント
「僕のアンラッキーな週末は続いています。昨日のFP2で他車のまいたオイルによって転倒し、ヒジを打ってしまいました。今朝のフリー走行で走れるかどうかを試しましたが、思うように走れず、激しい痛みがあり、関節がうまく動きませんでした。そのため、今日のレースへの出場はあきらめました。明日のレース2に出場するため、少しでもよくなるようクリニカモービルでケアをしてもらいます」
レース2後のコメント
「レースに出場できてうれしいです。マシンに乗った感じも悪くありませんでした。アドレナリンが出ているときは、それほど痛みを感じないものです。昨日レースへの出場を辞退したのは、正しい決断だったと思います。今日は、ほぼ完全に乗れる状態まで回復しました。ですが残念なことに、今日のマシンのフィーリングは完ぺきではありませんでした。マシンが跳ねたり、コーナーの脱出時に不安定な挙動になったりしました。レース1で走れなかったため、セットアップができず、ほとんど自分でコントロールしながら走り続けた感じでした。ホームレースでのこの結果はがっかりですが、次のレースには大きな一歩を踏み出せるように願っています」
ダビデ・ジュリアーノ(スーパーバイク リタイア&17位)
レース1後のコメント
「いいレースができました。始めは混戦の中にいたのですが、その中でアグレッシブに走るのはとても難しかったです。このマシンでの初レースで、ペースがよく分かりませんでした。接戦から離れて、ようやく自分の走りができるようになり、ペースが改善しました。そんな中、技術面の問題でリタイアすることになってとても残念です。チームは今、なにが起こったのかを探っていて、明日のレースのために理解しようと取り組んでいます」
レース2後のコメント
「今朝のウォームアップで前進できました。今週末における最速のラップタイムを出せました。レース序盤はマシンのフィーリングがよく、何台かをパスできました。でも残念なことに、4~5ラップが経過するとリアタイヤが滑り始め、ペースをキープできませんでした。ウォームアップのフィーリングと比べると、本当に悪い状態でした。昨日からいい感じに改善していただけに、とても残念な結果です」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 21 | 34'08.073 |
2 | 1 | J.レイ | カワサキ | 21 | +1.834 |
3 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 21 | +3.250 |
4 | 33 | M.メランドリ | ドゥカティ | 21 | +16.005 |
5 | 2 | L.キャミア | MVアグスタ | 21 | +16.597 |
6 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 21 | +16.783 |
RT | 34 | ダビデ・ジュリアーノ | ![]() | 10 | +11Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 21 | 34'05.220 |
2 | 1 | J.レイ | カワサキ | 21 | +2.290 |
3 | 33 | M.メランドリ | ドゥカティ | 21 | +4.388 |
4 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 21 | +14.167 |
5 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 21 | +15.786 |
6 | 2 | L.キャミア | MVアグスタ | 21 | +16.023 |
13 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 21 | +36.772 |
17 | 34 | ダビデ・ジュリアーノ | ![]() | 21 | +1'01.401 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 381 |
2 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 311 |
3 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 276 |
4 | 33 | M.メランドリ | ドゥカティ | 218 |
5 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 169 |
6 | 12 | X.フォレス | ドゥカティ | 146 |
14 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 67 |
16 | 69 | ニッキー・ヘイデン | ![]() | 40 |
27 | 45 | ジェイク・ガニエ | ![]() | 2 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 415 |
2 | ドゥカティ | 359 |
3 | ヤマハ | 204 |
4 | アプリリア | 133 |
5 | BMW | 132 |
6 | MVアグスタ | 120 |
7 | ![]() | 84 |