第5戦イタリア・イモラ大会が、5月12日(金)~14日(日)の3日間、イモラ・サーキットで開催されました。イモラ大会は、2001年に初めて開催されて、今年で15回目を迎えました。
今季4戦を終えて総合11位。7位を最高位に、まだ表彰台のないニッキー・ヘイデン(Red Bull Honda World Superbike Team)は、巻き返しに闘志を燃やしていました。
初日のフリー走行では「ウイリーのコントロールと安定性が改善して、フィーリングがよくなった」と、手応えのあるスタートとなりましたが、午前中のセッション終盤に転倒を喫しました。午後のセッションでは、走行を開始してから、午前中の転倒でマシンにダメージがあることが判明。セッション中に修復できるトラブルではなかったためにタイムを更新できず、ダイレクトでのSP2への進出を逃しました。
初日の走行を終えたヘイデンは「午前中のセッションの最後に転倒してしまい、午後はセッションが始まってみると、同じフィーリングではありませんでした。そのためチェックするとダメージがあることが分かりましたが、そのトラブルは、セッションとセッションの間に見つけることがとても難しい部分でした。とにかく、明日のスーパーポール1とレース1に向けて、いいリズムを積み重ねていきたいです」と気持ちを切り替えました。
しかし、迎えた土曜日午前中のフリー走行でヘイデンは再び転倒を喫し、その影響でSP1で思うようにタイムを伸ばせずセッション3番手。この結果、13番グリッドが確定しました。
イモラ初体験となったステファン・ブラドル(Red Bull Honda World Superbike Team)は、初日はコース攻略に集中して13番手。ブラドルは「ここはとてもいいサーキットでとても楽しかったです。ユニークなレイアウトで、さまざまな要素が少しずつ含まれています。高速シケイン、低速コーナー、ダウンヒルにブレーキングセクションなどです。そのため、正しいラインを見つけるのに少し時間がかかりました。タイのときよりもかかりました。残念ながら、まだ思っているところにたどり着いていません。一番改善しなければならないのは、コーナー出口の加速です。明日の午前中に一歩前進して、力強い予選セッションになることを願っています」と、初走行のイモラの印象を語りました。
そして翌日のフリー走行では、徐々にペースを上げ始めていたときに転倒を喫しました。その影響もありSP1では100%のアタックができませんでしたが、セッションでのトップタイムをマークしてSP2へ進出します。しかし、SP2では単独走行が続き、タイムを伸ばすチャンスを失い12番手。決勝での追い上げのレースが期待されました。
レース1とレース2ともに快晴となったイモラ。土曜日に行われたレース1で、ブラドルはオープニングラップ11番手からロマン・ラモス(カワサキ)と接戦を繰り広げて10位。翌日のレース2では、レース1同様、オープニングラップを11番手でレースを開始しましたが、ギアシフトに問題を抱え、思うようにペースが上がらず14位でチェッカーを受けました。
13番グリッドから決勝に挑んだヘイデンは、レース1では、スタートから電気系にトラブルを抱え、2度のピットインでリタイア。翌日のレース2は、オープニングラップの12番手から6台前後に膨れ上がったグループに加わり、12位でフィニッシュしました。
今大会の決勝は19周。しかし、赤旗中断の多いレースとなりました。土曜日に行われたレース1は、13周目に転倒したマシンが炎上したことで赤旗中断となり、12周でレースが成立。日曜日のレース2は、オープニングラップにトラブルでオイルがコース上に出て赤旗中断。18周に減算して再スタートが切られました。
5戦を終えて総合12位のブラドルと総合13位のヘイデン。フラストレーションのたまるレースが続いていますが、ドニントンパークで開催される次戦イギリス大会からの巻き返しを目指します。
ステファン・ブラドル(スーパーバイク 10位/14位)
レース1後のコメント
「このサーキットはとても美しく、観衆もすばらしく、とてもエキサイティングなレースでした。午前中に転倒しましたが、SP2に進めたのはとてもポジティブなことでした。大きな転倒だったので自信に少し影響しましたが、幸いケガはありません。でも初めて走るサーキットなので、大きな挑戦でした。SP2で12番手に終わったのは、一人で走ることが多かったからです。決勝では、ブレーキングに少し問題がありましたが、自分のライディングスタイルがこのサーキットには合っていないと気づきました。そして、(ロマン)ラモスにパスされたときに、いいリズムを見つけましたが、自分のペースを見つけるのに時間がかかりすぎてしまいました。でも、多くのことを学べたので、明日はもっとスピードが上げられることを願っています」
レース2後のコメント
「今日はギアのシフトにちょっとした問題を抱え、そのためにいつもよりシフトに集中しなければならず、思うように走ることができませんでした。昨日よりもいい結果を目指していただけに残念です。今週は、いくつか問題を抱えていて、簡単なレースウイークにはなりませんでした。しかし、さらに前進しなければならないし、次のドニントンパークを楽しみにしています」
ニッキー・ヘイデン(スーパーバイク リタイア/12位)
レース1後のコメント
「いい日にはなりませんでした。午前中に小さな転倒をして、貴重な時間を無駄にしてしまいました。レースでは電気系の問題があり、あまり自分にできることはありませんでした。ダッシュボードが作動せず、なにが起きているのか分かりませんでした。そのためレースを続けるのが不可能になりました。本当に残念です。僕だけではなくチーム全体にとっても残念です。明日はもっといい日になることを願っています」
レース2後のコメント
「今日もあまりいいスタートは切れませんでしたが、いくつかポジションを上げられました。そして、6番手争いのグループでレースの大半を戦うことができました。レースウイークを通じて、一番いい走りができていましたが、ホイールのバランスウエイトを失い、振動が影響してペースをキープできませんでした。それがなければもう少しいいポジションでフィニッシュできたかもしれません。いずれにしても、今大会も難しいレースウイークになりました。しかし、次戦のドニントンパークでは、いい方向に向くことを願っています」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 12 | 21'21.371 |
2 | 1 | J.レイ | カワサキ | 12 | +6.696 |
3 | 33 | M.メランドリ | ドゥカティ | 12 | +9.287 |
5 | 12 | X.フォレス | ドゥカティ | 12 | +16.142 |
6 | 2 | L.キャミア | MVアグスタ | 12 | +21.914 |
10 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 12 | +34.585 |
RT | 69 | ニッキー・ヘイデン | ![]() | 4 | +8Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 18 | 32'12.361 |
2 | 1 | J.レイ | カワサキ | 18 | +3.739 |
3 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 18 | +4.342 |
4 | 12 | X.フォレス | ドゥカティ | 18 | +14.441 |
5 | 33 | M.メランドリ | ドゥカティ | 18 | +14.596 |
6 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 18 | +32.214 |
12 | 69 | ニッキー・ヘイデン | ![]() | 18 | +43.738 |
14 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 18 | +54.649 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 235 |
2 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 161 |
3 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 160 |
4 | 33 | M.メランドリ | ドゥカティ | 124 |
5 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 94 |
6 | 12 | X.フォレス | ドゥカティ | 84 |
12 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 43 |
13 | 69 | ニッキー・ヘイデン | ![]() | 40 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 235 |
2 | ドゥカティ | 203 |
3 | ヤマハ | 106 |
4 | BMW | 73 |
5 | アプリリア | 68 |
6 | MVアグスタ | 64 |
7 | ![]() | 60 |