2017年のシーズン開幕戦となる第1戦オーストラリア大会が、24日から26日までの3日間、メルボルン近郊のフィリップアイランドで開催されました。今年は初日こそ雲の多い一日となりましたが、決勝レースが行われた土曜日、日曜日は青空が広がる絶好のコンディションとなりました。
ニッキー・ヘイデン
ステファン・ブラドル
今年、Honda World Superbike Teamはレッドブルをメインスポンサーに迎え、チーム名も「Red Bull Honda World Superbike Team」になりました。ライダーは、今年で2年目を迎えるニッキー・ヘイデンに加え、11年のMoto2チャンピオンで12年から14年までLCR HondaからMotoGPクラスに参戦していたステファン・ブラドルを迎えました。
Hondaは、昨年10月に新たな電子制御システムを採用した「CBR1000RR Fireblade SP」と「CBR1000RR Fireblade SP2」を発表。17年シーズンは「CBR1000RR Fireblade SP2(以下、CBR1000RR SP2)」をベースにしたマシンで戦います。開幕戦オーストラリア大会に向けてRed Bull Honda World Superbike Teamは、1月にスペイン・ヘレスとポルトガル・ポルティマオでニューマシンのシェイクダウンを行い、開幕戦の舞台となるフィリップアイランドに挑みました。
開幕に先立ち、20日と21日には公式テストが行われ、チームは新しいマシンのセットアップを進めました。しかし、開幕戦に向けて十分なテストができたとは言えず、3日間を通じてCBR1000RR SP2のパフォーマンスを十分に発揮することができませんでした。
スーパーバイク世界選手権で参戦2年目を迎える、2006年MotoGPチャンピオンのヘイデンは、金曜日のフリー走行で8番手タイムをマーク。土曜日のスーパーポールでもタイムを更新しますが、ポジションは11番手へと下がりました。そして迎えた決勝レース1では、好スタートを決めトップ集団に加わりますが、周回が進むにつれて、じりじりとポジションを落とす苦しい戦いとなりました。最終的には11位でフィニッシュ。日曜日のレース2もセカンドグループの戦いに加わりますが、ダウンヒルからの右ヘアピンで転倒を喫し、再スタートを切るもマシンのダメージが大きくリタイアとなりました。
CBR1000RR SP2でスーパーバイク世界選手権のデビュー戦に挑んだブラドルは、スペインとポルトガルのテスト、フィリップアイランドの公式テスト、そしてレースウイークに入ってからも着実にセットアップを進めましたが、マシンのパフォーマンスを十分には生かせませんでした。しかし、粘り強い走りで両レースともに15位でフィニッシュし、ポイント獲得を果たしました。
ヘイデン、ブラドルともに、新型マシンの高いポテンシャルを感じているだけにフラストレーションが溜まる戦いとなりました。第2戦タイ大会では、さらに上位を目指すことになります。
ステファン・ブラドル(スーパーバイク 15位/15位)
レース1後のコメント
「初めてのワールドスーパーバイクのレースは簡単ではありませんでした。ブレーキングではいい感じだったので、とてもポジティブでした。しかし、スロットルワークとリアタイヤの動きがうまくつながらず、これが第2レースへの課題となりました。リアタイヤはかなりスピンしました。序盤はタイヤの感触があったのですが、周回するにつれて状況は少しづつ悪くなりました。テストのときに比べたら前進していますが、まだなにかクリアになっていないところがあります。それに取り組み、第2レースに向けてアイディアを出したいです」
レース2後のコメント
「今日のスタートは昨日ほどよくありませんでした。スタート自体は悪くなかったのですが、1コーナーでいいラインを走れず、それが2コーナーに影響してしまいました。スタートで得たアドバンテージを生かせず、いくつかポジションを落してしまいました。今日はいくつか調整してレースに挑みました。その結果フロントはよくなりました。コーナー進入ではアグレッシブなブレーキングができるのですが、コーナー出口の加速が足りませんでした。今のところタイヤの消耗をセーブできないので、レース終盤にペースを維持できません。少なくとも第2グループについていくことはできたし、多くを学ぶことができました。簡単な週末ではありませんでしたが、タイではもっと前進できると思います」
ニッキー・ヘイデン(スーパーバイク 11位/リタイア)
レース1後のコメント
「レースに向けてできる限りの準備を整え、決勝に向けてセットアップを調整しました。とても重要な部分でしたが、これでとてもいいスタートを切ることができて、しばらく集団についていくことができました。いくつかのコーナーではとても速く走れたのですが、周回が進むにつれて、メインストレートで何度もパスされてしまいました。それからは、追い上げるのが難しかったです。もちろん、トップにもっと近づきたいです。その方がおもしろいですからね。明日もレースがあるので、なにができるか考えたいです」
レース2後のコメント
「今日のような暑いコンディションでは、タイヤを大事に使うためにいくつか調整をしました。この結果、アクセルを開けたときは少しよくなったのですが、ブレーキングでは少し悪くなりました。昨日ほどいいスタートを切ることはできませんでしたが、感触は悪くありませんでした。自己ベストを出すことができたし、セカンドグループで前進しましたが、10コーナーでプッシュしすぎてしまい、転倒しました。今日もベストを尽くしました。できる限り一生懸命走りましたが、思ったようにはいきませんでした。タイでは好転させたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 22 | 33'52.290 |
2 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 22 | +0.042 |
3 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 22 | +1.050 |
4 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 22 | +1.082 |
5 | 2 | L.キャミア | MVアグスタ | 22 | +3.002 |
6 | 12 | X.フォレス | ドゥカティ | 22 | +3.320 |
11 | 69 | ニッキー・ヘイデン | ![]() | 22 | +19.344 |
15 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 22 | +28.936 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 22 | 33'52.785 |
2 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 22 | +0.025 |
3 | 33 | M.メランドリ | ドゥカティ | 22 | +0.249 |
4 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 22 | +0.956 |
5 | 12 | X.フォレス | ドゥカティ | 22 | +2.320 |
6 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 22 | +4.781 |
15 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 22 | +28.440 |
RT | 69 | ニッキー・ヘイデン | ![]() | 8 | +14Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 50 |
2 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 40 |
3 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 26 |
4 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 26 |
5 | 12 | X.フォレス | ドゥカティ | 21 |
6 | 2 | L.キャミア | MVアグスタ | 19 |
15 | 69 | ニッキー・ヘイデン | ![]() | 5 |
18 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 2 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 50 |
2 | ドゥカティ | 40 |
3 | ヤマハ | 26 |
4 | MVアグスタ | 19 |
5 | アプリリア | 15 |
6 | BMW | 12 |
7 | ![]() | 6 |