第12戦スペイン・ヘレス大会が、10月14日(金)から16日(日)までの3日間、スペインのヘレスで開催されました。今大会は3日間を通じて快晴に恵まれ、絶好のコンディションの中でフリー走行、予選、そして決勝が行われました。
ニッキー・ヘイデン
ニッキー・ヘイデン
Honda World Superbike Teamの両選手は、第1レース、第2レースともに表彰台争いを視野に入れ、セカンドグループで戦うという展開となり、ニッキー・ヘイデンが両レースで4位フィニッシュしました。
今大会は、フリー走行、予選、決勝と着実にセットアップを進めました。一発のタイムも連続周回のアベレージも向上。そして5番グリッドから挑んだ決勝では、チャンピオン争いをするドゥカティとカワサキの3選手のし烈な戦いを視野に入れながら走行しました。
今大会は表彰台を獲得することはできませんでしたが、スーパーバイク世界選手権に初チャレンジの今シーズンは、レースをこなすごとにCBR1000RRのパフォーマンスを確実に引き出しています。今年は12戦を終えてランキング5位ですが、来季はチャンピオン争いに加わることを感じさせるレースでした。
マイケル・ファン・デル・マーク
マイケル・ファン・デル・マーク
チームメートのマイケル・ファン・デル・マークは、フリー走行ではセットアップにやや苦戦し、予選も11番手と思うような走りができませんでしたが、決勝では両レースともにすばらしい追い上げをみせました。第1レースはセカンドグループの混戦を抜け出し、4番手を走るチームメートのヘイデンの背後に迫り5位でフィニッシュ。第2レースでは電気系にトラブルを抱えペースをキープできませんでしたが、後半はペースを戻し、シルバン・ギュントーリ(ヤマハ)とバトルを繰り広げ6位でチェッカーを受けました。12戦を終えて総合4位につけるファン・デル・マーク。最終戦カタール大会では、チームメートのヘイデンとともに優勝、表彰台を狙います。
今大会が第11戦となるスーパースポーツ世界選手権は、タイトル王手のケナン・ソフォーグル(カワサキ)が、予選、決勝ともに強い走りをみせてチャンピオンを獲得しました。そのソフォーグルを視野に、し烈な2番手争いを繰り広げたCBR600RR勢は、カイル・スミス(CIA Landlords Insurance Honda)が3位になり、第4戦オランダ大会で優勝して以来の表彰台に立ちました。
パトリック・ジェイコブセン
パトリック・ジェイコブセン
今季リザルトが安定しなかったスミスですが、今大会はフリー走行から順調で決勝では予選5番手から表彰台争いに加わることに成功しました。そのスミスと最終ラップまでバトルを繰り広げたパトリック・ジェイコブセン(Honda World Supersport Team)が4位でフィニッシュしました。
以下CBR600RR勢は、アイルトン・バドヴィーニ(Gemar Balloons - Team Lorini)が4台で繰り広げられた5番手争いに加わって8位、クリストファー・ベルグマン(CIA Landlord Insurance Honda)が9位でした。
フリー走行でトラブルや転倒で走行時間をロスし、予選でもしっかりパフォーマンスを発揮できず27番グリッドから決勝に挑んだ大久保光(CIA Landlords Insurance Honda)は、追い上げのレースをみせて13位。今季5度目のポイント獲得を達成しました。
カイル・スミス(スーパースポーツ 3位)
「いい週末になりました。この数戦、確実に前進していましたが、やっとチャンスが訪れました。今週末は基本的にすべてのセッションでトップ5に入ることができました。決勝レースでは集中して前の2人についていこうとがんばりました。彼らに引き話されそうなときがありましたが、再び、ギャップを縮めることができました。今日はいいペースで走れましたが、フロントのタイヤが消耗してくると、彼らについていくのは難しい状況でした。最後は3番手をキープすることにしました」
パトリック・ジェイコブセン(スーパースポーツ 4位)
「今日はまずまずの結果でした。レース前の状況を思えばかなりポジティブでした。今大会はグリップに苦戦しました。思ったように走れず満足していませんが、これ以上ポジションを上げることはできませんでした。でもチャンピオンシップでは満足しています。(ランディ)クルメナッハや(ジュール)クルーゼルとの差を縮められたし、チャンピオンシップの2番手争いの中にいます。カタールでは全力を尽くして2位を獲得できるようにがんばります。早くコースに戻りたいです」
大久保光(スーパースポーツ 13位)
「金曜日からトラブルや転倒でリズムを崩しましたが、決勝ではなんとか順位をばん回することができました。今回の件では、チームにはっきりと、これからはトラブルがないようにと申し出をしました。今後は今回のようなことはなくなると信じています。シーズンは残り一戦。最終戦に向けてがんばります」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 20 | 34'08.161 |
2 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 20 | +3.290 |
3 | 1 | J.レイ | カワサキ | 20 | +7.151 |
4 | 69 | ニッキー・ヘイデン | 20 | +13.212 | |
5 | 60 | マイケル・ファン・デル・マーク | 20 | +13.251 | |
6 | 50 | S.ギュントーリ | ヤマハ | 20 | +17.834 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 20 | 34'20.026 |
2 | 1 | J.レイ | カワサキ | 20 | +5.893 |
3 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 20 | +6.030 |
4 | 69 | ニッキー・ヘイデン | 20 | +6.750 | |
5 | 50 | S.ギュントーリ | ヤマハ | 20 | +10.762 |
6 | 60 | マイケル・ファン・デル・マーク | 20 | +11.310 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | K.ソフォーグル | カワサキ | 19 | 33'22.362 |
2 | 66 | N.トゥーリ | ヤマハ | 19 | +2.728 |
3 | 111 | カイル・スミス | 19 | +3.398 | |
4 | 2 | パトリック・ジェイコブセン | 19 | +3.505 | |
5 | 47 | A.バッサニ | カワサキ | 19 | +11.954 |
6 | 16 | J.クルーゼル | MVアグスタ | 19 | +12.058 |
8 | 86 | アイルトン・バドヴィーニ | 19 | +13.628 | |
9 | 71 | クリストファー・ベルグマン | 19 | +19.854 | |
12 | 80 | ハビエル・ピンサチュ | 19 | +22.299 | |
13 | 78 | 大久保光 | 19 | +26.762 | |
24 | 50 | ブレードン・オルト | 19 | +1'08.583 | |
25 | 20 | ドルン・ローレイロ | 19 | +1'08.661 | |
RT | 64 | フェデリコ・カリカスロ | 16 | +3Laps | |
RT | 35 | ステファン・ヒル | 4 | +15Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 462 |
- | 2 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 414 |
- | 3 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 395 |
- | 4 | 60 | マイケル・ファン・デル・マーク | 255 | |
- | 5 | 69 | ニッキー・ヘイデン | 228 | |
- | 6 | 34 | D.ジュリアーノ | ドゥカティ | 197 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | カワサキ | 542 |
- | 2 | ドゥカティ | 467 |
- | 3 | 322 | |
- | 4 | BMW | 216 |
- | 5 | ヤマハ | 196 |
- | 6 | アプリリア | 184 |
- | 7 | MVアグスタ | 165 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 1 | K.ソフォーグル | カワサキ | 196 |
- | 2 | 21 | R.クルメンナッハ | カワサキ | 129 |
- | 3 | 16 | J.クルーゼル | MVアグスタ | 126 |
- | 4 | 2 | パトリック・ジェイコブセン | 122 | |
- | 5 | 111 | カイル・スミス | 100 | |
- | 6 | 4 | G.レイ | MVアグスタ | 81 |
▲ | 7 | 86 | アイルトン・バドヴィーニ | 76 | |
▼ | 8 | 64 | フェデリコ・カリカスロ | 75 | |
▲ | 20 | 71 | クリストファー・ベルグマン | 22 | |
▼ | 21 | 19 | ケビン・ヴァール | 17 | |
▲ | 22 | 78 | 大久保光 | 16 | |
- | 27 | 68 | グレン・スコット | 7 | |
▼ | 29 | 80 | ハビエル・ピンサチュ | 6 | |
- | 34 | 48 | アレックス・フィリス | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | カワサキ | 244 |
- | 2 | 196 | |
- | 3 | MVアグスタ | 187 |
- | 4 | ヤマハ | 88 |
- | 5 | トライアンフ | 33 |
- | 6 | スズキ | 5 |
ニッキー・ヘイデン(スーパーバイク 4位/4位)
「第1レースは、あまりいいスタートを切れませんでしたが、なんとか4番手まで追い上げることができました。マシンはとてもよく機能しています。チームはいいセットアップに仕上げてくれました。そして3番手を走るジョニー(ジョナサン・レイ)とのギャップを縮めようとがんばりましたが、中盤にプッシュしすぎてタイヤを消耗したことで、ジョニーとのギャップは徐々に開いてしまいました。そのあとは、マイケルとのギャップをキープしようとがんばり4位を獲得できました。全体的に悪くはありませんでしたが、もっと前に出てトップグループの3人とバトルをしたかったです。現状では、彼らは僕たちより速くていい仕事をしていますが、僕たちもそうなれるようにがんばります。
第2レースは簡単なレースではありませんでした。前のライダーたちは、とにかく速くて、序盤は彼らのペースにはついていけませんでした。今大会はユーズドタイヤではよく機能しているので後半はギャップを縮めることができましたが、遅すぎました。引き続き、チームはすばらしい仕事をしてくれました。マシンはとてもよく機能しました。序盤で彼らについていけず、少しフラストレーションがたまりました。表彰台に上がるためには、課題のクリアをがんばらなければいけません。もっと前進しなければなりませんね。最終戦はみんなが喜べる結果を残したいです」
マイケル・ファン・デル・マーク(スーパーバイク 5位/6位)
「スーパーポールではレースタイヤでとても速いラップを刻むことができました。そのあと予選タイヤを使ったら思うようには走れず11番グリッドでしたが、いいスタートを切ることができました。前のライダーが何人か転倒したのは僕にとってはラッキーなことでした。(ジョルディ)トーレスをパスするのに数周かかりましたが、そのあとはニッキーに近付いていきました。しかし、終盤はフロントの感触があまりよくなくて、無理ができませんでした。11番手というスターティングポジションから考えれば5位はいい結果です。チャンピオンシップの4位もまだ安泰です。
そして日曜日の第2レースでは、すばらしいスタートを切ることができました。しかし、残念ながら電気系の問題が出て、ポジションをかなり落としてしまいました。最後は表彰台に上がったライダーたちとほとんど同じくらいの速さがありましたが、すでに彼らは見えませんでした。残念なレースでしたが、今はなにが起きたのかを理解して最終ラウンドに備えなければいけません」