2016.10.02 スーパーバイク世界選手権 第11戦 フランス フランス
第11戦 フランス

[WSB]ファン・デル・マークがレース1で2位。レース2は5位でフィニッシュ。ヘイデンはレース2で9位

第11戦 フランス

[WSS]バドヴィーニが第6戦以来の表彰台登壇を果たす

2016年10月1日(土)〜2日(日)・決勝  会場:マニクール・サーキット
天候:1日/雨のち晴れ、18日/晴れ  気温:1日/17℃、2日/18℃
コースコンディション:1日/ウエット、2日/ドライ  観客:2万4472人(3日間:5万6234人)
WSB レポート

第11戦フランス大会が、9月30日(金)〜10月2日(日)の3日間、マニクール・サーキットで開催されました。フリー走行が行われた金曜日はドライコンディションで、土曜日の予選はウエット。その後に行われたレース1は、ウエットからドライへ。そして、日曜日のレース2はドライコンディションと、目まぐるしくコンディションが変わる3日間でした。

そのため、セットアップに苦労する大会となりましたが、マイケル・ファン・デル・マーク(Honda World Superbike Team)は予選6番手からレース1で2位、レース2で5位という結果を残しました。

マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク

マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク

今大会のファン・デル・マークは、初日のフリー走行で6番手。翌日、雨のスーパーポールでも6番グリッドを獲得しました。その後に行われたレース1は、ウエットレースとなりましたが、雨はスタートを前に上がり、青空が広がり始めました。

路面が乾いていくことは間違いなく、タイヤの選択が難しいコンディションとなりましたが、レインタイヤを装着してスタートしたファン・デル・マークは、チームメートのニッキー・ヘイデン、トム・サイクス(カワサキ)、ジョナサン・レイ(カワサキ)、レオン・キャミア(MVアグスタ)、ロレンツォ・サバドーリ(アプリリア)とトップグループを形成して周回を刻みました。

その後、路面が乾き始め、レース中盤の9周目にピットに戻ったファン・デル・マークはスリックタイヤに交換。この作業で13番手までポジションを落としますが、コースに復帰すると快調にラップを刻み、ラスト3周で3番手、ラスト2周で2番手に浮上すると、21周のレースを2位でフィニッシュしました。

翌日のレース2は、青空が広がるすばらしいコンディションの中で行われました。しかし今大会、ドライコンディションで思うようにセッティングが決まっていなかったファン・デル・マークは、金曜日のセッティングで決勝に挑みました。

オープニングラップは5番手。その後、キャミアを抜いて4番手に浮上し、トップグループを形成するチャズ・デイビス(ドゥカティ)、レイ、サイクスを追うものの届かず。中盤にはキャミアに抜き返されて5番手にダウンし、そのまま21周のレースでチェッカーを受けました。

ウエットコンディションでは優勝争いができるペースを刻んで2位でしたが、ドライコンディションでは優勝争い、表彰台争いから遅れる悔しい結果に終わりました。今大会、完ぺきなレースとはなりませんでしたが、ポイントランキングでは4位の座をキープしました。

マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク

ニッキー・ヘイデンニッキー・ヘイデン

チームメートのヘイデンは、前週に行われたロードレース世界選手権アラゴンGPのMotoGPクラスに代役として出場。その乗り換えもあり、初日のフリー走行はスムーズに進みませんでした。そして、ファン・デル・マーク同様、今大会は、マシンのセットアップに苦戦することになりましたが、雨が降ったスーパーポールでは7番グリッドを獲得。その後、ウエットコンディションで行われたレース1では、ファン・デル・マークとともにトップグループに加わりました。ヘイデンは、スリックタイヤに交換したあとも快調にラップを刻みましたが、トラブルが発生し、リタイアとなりました。

翌日、ドライコンディションで行われたレース2では、序盤、セカンドグループに加わりますが、本来のパフォーマンスを発揮できず、ファン・デル・マークとキャミアについていけませんでした。そして中盤からは、サバドーリ、ジョルディ・トーレス(BMW)、シルバン・ギュントーリ(ヤマハ)と6番手争いのグループを形成します。この日は、ブレーキングの安定性に課題を抱え、ハードブレーキングのポイントが多いマニクールだけに苦しい戦いが続き、9位でフィニッシュしました。

ニッキー・ヘイデンニッキー・ヘイデン

ニッキー・ヘイデンニッキー・ヘイデン

レース1ではいい走りを結果につなげられず、レース2は苦しい走りを強いられ、フラストレーションをためる大会となりました。ヘイデンにとっては満足できる結果ではありませんでしたが、総合5位の座はキープしました。

WSS レポート

スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、第9戦アメリカ大会がカレンダーに組み込まれていないため、今大会が10戦目。前戦ドイツ大会を終えて総合3位につけるパトリック・ジェイコブセン(Honda World Supersport Team)の走りに注目が集まりました。

しかし、今大会はドライコンディションで思うようにセッティングが決まらず、オープニングラップに転倒してリタイアとなりました。初日のフリー走行で11番手と苦戦。土曜日の予選はウエットコンディションになり、一気に2番手へポジションを上げましたが、日曜日の決勝レースでは再びドライコンディションに。そして、オープニングラップでフロントをスライドさせて転倒してしまいました。

今大会は、総合首位のケナン・ソフォーグル(カワサキ)もリタイアとなり、ジェイコブセンとソフォーグルの差は62点と変わりませんでしたが、シーズンは残り2戦となり、ジェイコブセンはチャンピオン争いから脱落しました。残り2戦は、総合2位争いに挑みます。

パトリック・ジェイコブセンパトリック・ジェイコブセン

パトリック・ジェイコブセンパトリック・ジェイコブセン

タイトル王手のソフォーグル、総合3位のジェイコブセンが転倒するなど、厳しい戦いとなったフランス大会ですが、アイルトン・バドヴィーニ(Gemar Balloons - Team Lorini)が、3台によるし烈な優勝争いに加わって3位でフィニッシュ。優勝を果たした第6戦マレーシア大会以来となる、今季2度目の表彰台を獲得しました。

以下、CBR600RR勢は、フェデリコ・カリカスロ(Bardahl Evan Bros Honda)が6位、カイル・スミス(CIA Landlords Insurance Honda)が7位、ハビエル・ピンサチュ(Gemar Balloons - Team Lorini)が14位でフィニッシュ。大久保光(CIA Landlords Insurance Honda)は予選16番手から一時は13番手まで浮上しましたが、コースアウトを喫してグラベルで転倒し、再スタートを切って27位でした。

WSB コメント

マイケル・ファン・デル・マーク(スーパーバイク 2位/5位)
「レース1は、なんてクレイジーなレースなんだと思いました。レースが始まる前にドライになることは分かっていたので、タイヤのチョイスが極めて難しかったです。サイティングラップでは、そのままレインでいこうと決めました。というのは、インターミディエイトでいくだけのコンディションとは思えなかったからです。いいスタートを決めて、序盤は先頭集団でバトルができましたが、スピードを上げられず、とてもストレスがたまりました。しかし、落ち着いていこうと決めて、気持ちよりも一周多く走ってタイヤチェンジのためにピットに入ったことがが功を奏しました。タイミング的にもよかったと思います。レース1はインターミディエイトを選択した(チャズ)デイビスがパーフェクトな走りで勝利しましたが、2位になれてとてもよかったです。やっと表彰台に戻って来られたし、ランキングでも4位をキープできたからです。レース2は、朝のウォームアップで試したセッティングが全然駄目だったので、仕方なく、ドライコンディションで唯一しっかり走れたFP2の状態にしてレースに挑みました。スタートもよかったしオープニングラップもうまくいき、(レオン)キャミアの前に出て引き離そうとしたのですが、なかなか引き離せず。後半は、逆に彼に抜かれてしまい、ついていけませんでした。最終的に5位でフィニッシュしましたが、それほど悪い結果ではありません。次戦のヘレスでは、再び優勝を目指して全力を尽くしたいです」

ニッキー・ヘイデン(スーパーバイク リタイア/9位)
「土曜日の転倒を考えれば、レース1は思っていたよりもうまくいきました。ウエットコンディションでは、前戦ドイツ大会よりもマシンの状態はよかったと思います。いいスタートを決めてフィーリングもよかったのですが、路面がどんどん乾いていきました。そこでピットに戻り、スリックタイヤでコースに復帰して、すぐにペースを上げていけました。しかし、トラブルが発生し、僕のレースは終了しました。優勝したデイビスは、完ぺきなタイヤチョイスで、驚異的なタイムでした。同じ条件なら、自分も表彰台は可能だったかもしれないと思ったし、とても残念でした。レース2は順調ではありませんでした。スタートはよかったのですが、序盤の混戦の中、4コーナーで行き場を失い、大きくポジションを落としてしまったからです。加えて、今日はエンジンブレーキに少し問題を抱えていて、終盤、6番手争いの集団の中で振動も出てきました。レース1は、路面が乾いていったときに気持ちよく走れたのですが、完全なドライコンディションとなった日曜日は、その走りの再現はできませんでした。今日はレース中にレースウイークのベストタイムを刻めましたが、十分とは言えませんでした。残念なレースでした。気持ちを切り替えて次戦に挑みます」


WSS コメント

アイルトン・バドヴィーニ(スーパースポーツ 3位)
「今日はドライコンディションで初めて表彰台を獲得できて、とてもうれしいです。スタートからフィーリングがよく、5〜6周したころから優勝争いができると思いました。しかし、後半に入って転倒を避けるためにトップから2秒ほど遅れ、そのギャップを埋めるために全力を尽くしました。最後は優勝を目指して前の2人を捕らえようとしましたが、届きませんでした。今日は体調がよく、最後までしっかり力を出しきれました。今年は雨のマレーシアで優勝しましたが、こうしてドライコンディションでも優勝争いができ、表彰台に立ててとてもよかったです。残り2戦、優勝を目指してがんばります」

フェデリコ・カリカスロ(スーパースポーツ 6位)
「今日はスタートからマシンの状態もグリップもよくて、快調にラップを刻めました。しかし、ちょっとした問題があり、ペースを落とさなくてはいけませんでした。その後、(ランディ)クルメンナッハ(カワサキ)とのバトルになりましたが、コーナーの立ち上がりでトラクションがかからず、すこしずつ遅れてしまいました。最終的に6位でしたが、内容は悪くなかったと思います」

カイル・スミス(スーパースポーツ 7位)
「今日一番よかった点は、37番グリッドから7位でフィニッシュできたことです。チャンピオンシップでは、6位から5位へと一つ上げられました。毎戦、優勝するためにがんばっていますが、フリー走行、予選とうまくいかず、結果的に決勝で追い上げのレースになっています。マシンのセットアップに苦労しましたが、今日はすばらしいペースで大勢のライダーをパスできました」

大久保光(スーパースポーツ 27位)
「残念なレースでした。スタートでエンジンがストールしたため、最後尾から追い上げることになりました。幸いにも追突されなかったのでラッキーでした。それから全力で追い上げて、一時は13番手までポジションを上げたのですが、終盤、減速時にギアがうまく入らず、オーバーランしてグラベルで転んでしまいました。再スタートを切って27位。残念でした。今週は、ウイークを通してシフトダウンのときにギアがスムーズに入らず、ニュートラルに入ることも多く、フラストレーションがたまりました。しかし、こういう悪い流れになってしまったのも自分の責任なので、次のレースではしっかり対策して挑みたいです。タイム的にはトップと1秒差まで迫れたので悪くなかったと思います」

パトリック・ジェイコブセン(スーパースポーツ リタイア)
「ドライコンディションで難しいレースになると思っていましたが、こんな結果になるとは思ってもみませんでした。オープニングラップでフロントから転んでしまいました。最もやってはいけないミスでした。今大会の課題を解消するためにも、どうしてなのか、しっかり理解する必要があります。いずれにしても、次のヘレスが待ちきれません。ヘレスは大好きなサーキットなので、今大会の雪辱を果たしたいです」

WSB リザルト
スーパーバイク(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
17C.デイビスドゥカティ2138'51.932
260マイケル・ファン・デル・マークHonda21+9.871
366T.サイクスカワサキ21+10.218
41J.レイカワサキ21+18.031
532L.サバドーリアプリリア21+19.974
676M.ラグリブカワサキ21+24.661
RT69ニッキー・ヘイデンHonda9+12Laps
スーパーバイク(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
17C.デイビスドゥカティ2134'29.197
21J.レイカワサキ21+2.091
366T.サイクスカワサキ21+2.586
42L.キャミアMVアグスタ21+9.154
560マイケル・ファン・デル・マークHonda21+11.020
632L.サバドーリアプリリア21+16.062
969ニッキー・ヘイデンHonda21+19.099
WSS リザルト
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
116J.クルーゼルMVアグスタ1932'31.738
266N.トゥーリヤマハ19+0.248
386アイルトン・バドヴィーニHonda19+0.525
447A.バッサニカワサキ19+2.232
521R.クルメンナッハカワサキ19+4.643
664フェデリコ・カリカスロHonda19+16.261
7111カイル・スミスHonda19+21.470
14 80ハビエル・ピンサチュHonda19+39.177
2435ステファン・ヒルHonda19+1'06.788
2778大久保光Honda19+1'20.906
2850ブレードン・オルトHonda19+1'20.968
29 35ドルン・ルーレイロHonda19+1'21.373
RT71クリストファー・ベルグマンHonda17+2Laps
RT2パトリック・ジェイコブセンHonda0  
WSB ポイントランキング
ライダー
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-11J.レイカワサキ426
-266T.サイクスカワサキ378
 37C.デイビスドゥカティ345
-460マイケル・ファン・デル・マークHonda234
-569ニッキー・ヘイデンHonda202
-634D.ジュリアーノドゥカティ194

ランキング詳細

マニュファクチャラー
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
-1カワサキ502
-2ドゥカティ417
-3Honda296
-4BMW200
-5ヤマハ175
-6アプリリア173
-7MVアグスタ156

ランキング詳細

WSS ポイントランキング
ライダー(スーパースポーツ)
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
- 1 1 K.ソフォーグル カワサキ 171
- 2 21 R.クルメンナッハ カワサキ 129
3 16 J.クルーゼル MVアグスタ 116
4 2 パトリック・ジェイコブセン Honda 109
5 111 カイル・スミス Honda 84
6 4 G.レイ MVアグスタ 81
7 64 フェデリコ・カリカスロ Honda 75
- 9 86 アイルトン・バドヴィーニ Honda 68
- 20 19 ケビン・ヴァール Honda 17
- 22 71 クリストファー・ベルグマン Honda 15
- 24 78 大久保光 Honda 13
27 68 グレン・スコット Honda 7
33 80 ハビエル・ピンサチュ Honda 2
34 48 アレックス・フィリス Honda 2

ランキング詳細

マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
- 1 カワサキ 219
- 2 Honda 180
- 3 MVアグスタ 177
- 4 ヤマハ 68
- 5 トライアンフ 31
- 6 スズキ 5

ランキング詳細

WSB

マイケル・ファン・デル・マーク

マイケル・ファン・デル・マーク

マイケル・ファン・デル・マーク

ニッキー・ヘイデン

ニッキー・ヘイデン

ニッキー・ヘイデン

WSS

パトリック・ジェイコブセン

パトリック・ジェイコブセン