第9戦アメリカ・ラグナセカ大会が、7月8日(金)〜10日(日)までの3日間、カリフォルニア州モントレー郊外にあるラグナセカ・レースウェイで開催されました。ラグナセカでスーパーバイク世界選手権が開催されるのは今年で14度目。1995年から2004年まで10年連続で開催されたあと、世界選手権のカレンダーから外れましたが、2013年に復活し、今年で4年連続の開催となります。
ニッキー・ヘイデン
マイケル・ファン・デル・マーク
全長3.610kmのラグナセカは、アップダウンに富んだコースレイアウトで、丘の上から一気に駆け下りるコークスクリューは、世界で最も有名なコーナーの一つ。中速コーナーが連続する、攻略の難しいサーキットとして知られています。
8戦を終えて総合5位のマイケル・ファン・デル・マーク(Honda World Superbike Team)は、前戦イタリア・ミサノ大会で今季5度目の表彰台を獲得。上り調子でアメリカ大会を迎えました。また、総合6位でホーム大会を迎えるニッキー・ヘイデン(Honda World Superbike Team)は、05年、06年とMotoGPで2勝しているサーキット。ジョン・コシンスキーに続き、MotoGPとスーパーバイク世界選手権の2カテゴリーで、ラグナセカ制覇に挑むことになりました。
過去、ラグナセカで開催されたスーパーバイク世界選手権では、02年にHondaでタイトルを獲得した、コーリン・エドワーズが優勝しています。以来、14年ぶりのアメリカ人選手によるホーム大会制覇の期待が寄せられたヘイデンは、地元ファンの期待に応え、金曜日のフリー走行では3番手、土曜日に行われたスーパーポール方式の予選では6番グリッドを獲得。引き続き行われた決勝第1レースでは3位になり地元ファンを喜ばせました。
ニッキー・ヘイデン
ニッキー・ヘイデン(右)
ラグナセカでは、13年にスーパーバイク世界選手権のコースとして復活してから、カワサキとドゥカティが、コースとの相性のよさを発揮して好リザルトを残してきました。今年もカワサキのジョナサン・レイとトム・サイクス、ドゥカティのチャズ・デイビスとダビデ・ジュリアーノの4台がトップグループを形成しました。そのトップグループを追ったヘイデンは、チームメートのファン・デル・マーク、アレックス・ローズ(ヤマハ)、ロレンツォ・サバドーリ(アプリリア)とし烈な3番手争いを繰り広げ、今季3度目の表彰台を獲得しました。
日曜日の第2レースは、スタートから4周を終えて転倒者が出て、赤旗中断となります。レースは21周で再開され、好スタートを切ったヘイデンは、序盤に3番手に浮上。2レース連続の表彰台獲得が期待されましたが、後半は6台に膨れあがった4番手争いの中、5位でチェッカーを受けました。地元大会で優勝は果たせませんでしたが、2レースともにラグナセカに集まったファンを大いに喜ばせました。
ニッキー・ヘイデン
マイケル・ファン・デル・マーク
ファン・デル・マークは、金曜日のフリー走行で11番手。土曜日に行われたスーパーポール方式の予選でも11番手と、セッティングが思うように決まらず苦戦しました。しかし、第1レースはすばらしい追い上げをみせ、4位でフィニッシュ。最終ラップのヘイデンとのバトルでは、一時3番手に浮上し、ラグナセカに集まったファンを興奮させました。
第2レースへは、第1レースのデータを分析して挑んだファン・デル・マークですが、オープニングラップにコースアウトを喫し、転倒します。再スタートを切ったものの、は20番手へと大きくポジションを落とす中、転倒者が出たことで4周を終えて赤旗中断。20番グリッドから再スタートを切ることになりました。そして第2レースも最後尾から猛烈に追い上げ、チームメートのヘイデンとともに4番手争いのグループに加わり、7位でフィニッシュしました。
9戦を終えて、総合5位のファン・デル・マークと総合6位のヘイデンはそれぞれ総合ポジションをキープ。7月中旬には、鈴鹿サーキットで行われる合同テストに参加し、鈴鹿8時間耐久ロードレースに挑みます。
ニッキー・ヘイデン
マイケル・ファン・デル・マーク
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 25 | 35'18.180 |
2 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 25 | +0.819 |
3 | 69 | ニッキー・ヘイデン | ![]() | 25 | +12.296 |
4 | 60 | マイケル・ファン・デル・マーク | ![]() | 25 | +13.067 |
5 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 25 | +13.335 |
6 | 32 | L.サバドーリ | アプリリア | 25 | +13.816 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 66 | T.サイクス | カワサキ | 21 | 29'35.285 |
2 | 34 | D.ジュリアーノ | ドゥカティ | 21 | +0.209 |
3 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 21 | +0.786 |
4 | 12 | X.フォレス | ドゥカティ | 21 | +11.379 |
5 | 69 | ニッキー・ヘイデン | ![]() | 21 | +12.219 |
6 | 81 | J.トーレス | BMW | 21 | +12.465 |
7 | 60 | マイケル・ファン・デル・マーク | ![]() | 21 | +13.705 |
ニッキー・ヘイデン(スーパーバイク 3位/5位)
「まずラグナセカに応援に来てくれたファンとサポーターに感謝したいです。すばらしいエネルギーを感じることができました。そして最高のサポートでした。第1レースは、すばらしいスタートを切ることができて、序盤は5番手でした。でもペースは思ったほどよくありませんでした。いくつか問題が出て、ブレーキングでロスしていました。そのためハードブレーキングのエリアでは、ライバルからのプレッシャーを受けましたが、できる限りスムーズに走るように努力し、安定したリズムをキープしました。そして、表彰台に上ることができました。第2レースですが、赤旗で中断する前の方が調子がよかったので、中断したのはちょっと残念でした。スタートでは集団に埋もれましたが、感触がどんどんよくなり、レースタイヤで今週末の自己ベストラップを出しました。その後赤旗が出てしまいました。2度目のスタートは、いいポジションにつけたのですが、その後、ペースを上げられませんでした。なにが起きたのかはまだよく分かっていません。チームがデータを検証しているところですが、違うマシンに乗っているようでした。昨日のようにブレーキングができなくなり、自信を失いました。いい結果を残せると思っていただけに、残念です。チームに感謝したいです。彼らは、最良のマシンを私に与えられるよう、全力を尽くしてくれました。また、すばらしいサポートをしてくれたファンにも感謝したいです。最悪な結果ではなかったのですが、もっといい結果を出したかったです」
マイケル・ファン・デル・マーク(スーパーバイク 4位/7位)
「スーパーポールは完ぺきではありませんでした。そのため11番グリッドからのスタートになりました。レースではいいスタートを切ることができましたが、1周目でコーナーをミスしてスピードに乗れず、パスされてしまいました。それから徐々に追い上げていきました。一生懸命プッシュしても、(ロレンツォ)サバドーリとのバトルはフラストレーションがたまりました。そして(アレックス)ローズをパスするのも大変でした。最終ラップになってニッキー(ヘイデン)に近づけたし、4位はすばらしい結果です。表彰台に立ちたかったですが、ニッキーが表彰台に立ててよかったと思います。第2レースは、シグナルがきちんと作動せず、少し混乱が起きたので、なるべく速く前に出ようとしました。しかし、コークスクリューの進入で(レオン)キャミア(VMアグスタ)を抜こうとしたのですが、ブレーキングが強すぎてリアのグリップを失いました。幸いほかのライダーたちとの接触は避けることができてよかったです。その後、リカバーしようと全力を尽くしました。赤旗のおかげでとても助かりました。後方からいいスタートを切ることができ、1周目の最後にはトップ10に近づくことができました。さらにポジションを上げようとしましたが、マシンのフィーリングが昨日と違いました。前のライダーたちとのギャップは縮められましたが、レースはそこまででした。彼らについていくのが大変でした。でも厳しいレースで7位になれたし、今週末は全体的によかったです」