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2013年5月11日(土)・予選 会場:モンツァ・サーキット 天候:雨のち晴れ
気温:25℃ コースコンディション:ウエットのちドライ
第4戦イタリア大会が、ミラノ近郊にあるモンツァで開幕、5月10日(金)と11日(土)の2日間、フリー走行と予選が行われました。モンツァ・サーキットは一周5.777km。ロングストレートと高速コーナー、そしてシケインを組み合わせたレイアウトで、シーズンを通じて、最速を誇るサーキットです。ドライコンディションでは、最高速度は330km/h前後、平均時速は200kmを超えます。
前戦オランダ大会の第1レースで2位となり、今季初の表彰台を獲得してモチベーションの上がるジョナサン・レイ(Pata Honda)は、オランダ大会のあと、アッセンでのテストを実施しました。このテストで電子制御の改善、エアロダイナミクスの改良に成功。「スロットルのフィーリングとトラクションコントロールがよくなった。車体のセットアップも進んだ」と気合満点です。長い伝統と歴史を誇るモンツァで、これまで表彰台に立った経験がないレイですが、念願のモンツァ初表彰台に闘志を燃やしていました。
しかし、金曜日、土曜日とモンツァは不安定な天候となります。金曜日のフリー走行はウエットコンディション。午後の予選はウエットからドライへ。土曜日の午前中に行われた2回目の予選もウエットから徐々に乾いていくという微妙なコンディションとなりました。ハイスピードコースを思いきり攻められないことにフラストレーションをためることになりますが、コンディションに合わせてセットアップを進め、着実にタイムを更新したレイは、2番手のタイムでスーパーポール進出を果たしました。
そして、土曜日の午後になると、モンツァの天候が回復します。青空が広がり、最高気温も25℃まで上昇。完全なドライコンディションとなった2回目のフリー走行でセットアップを確認したレイは、上位15台が進出するスーパーポールに挑みました。スーパーポール1では、トップタイムをマークしたシルヴァン・ギュントーリ(アプリリア)から1秒差以内に8台という接戦の中で6番手につけます。スーパーポール2では、トップタイムのトム・サイクス(カワサキ)から0.631秒差の6番手。スーパーポール3では、最後までフロントロー獲得の3番手以内につけていましたが、最後のアタック合戦で、トップから0.575秒差の4番手となり、惜しくも2戦連続フロントロー獲得はなりませんでした。しかし、ウエットコンディションでもドライコンディションでも表彰台を狙える走りを披露したレイは、モンツァ初の表彰台獲得に大きく前進しました。
前戦オランダ大会の予選で転倒、負傷欠場しているレオン・ハスラム(Pata Honda)の代役出場が決まった秋吉耕佑。水曜日にサーキット入りし、木曜日に初めて経験するモンツァをスクーターで下見をしました。これまで経験したことがないハイスピードコースに興奮していました。初めて走るサーキット、初めて経験するピレリタイヤ。なにもかも初めての経験となる秋吉は「全日本で乗っているマシンとはサスペンションや電子制御が違うので、まず慣れること。今回は代役出場のチャンスを与えてくれたチームのためにも、レイとハスラムに役に立つようなデータを残して帰りたい。もちろん、レースでは表彰台を狙っていく」と闘志をかき立てていました。
しかし、フリー走行、予選ともに不安定な天候となり、ウエットからドライに変化した金曜日の予選では17番手となります。土曜日の予選も同様のコンディションとなり、その中でスーパーポール進出を目指し、全力で挑みました。一時はスーパーポール進出となる15番手以内につけますが、最終的に17番手に終わり、スーパーポール進出を逃しました。フリー走行2回目では、セッティングの変更が裏目に出て転倒を喫しましたが、ケガはなく、決勝では追い上げのレースに挑みます。
35台が出場したスーパースポーツ世界選手権(WSS)は、金曜日のフリー走行、予選はともにウエットコンディションに。土曜日は2回目のフリー走行、予選ともにまずまずのコンディションとなり、ホーム大会に闘志のロレンツォ・ザネッティ(Pata Honda)が今季ベストグリッドの4番手を獲得。チームメートのマイケル・ファン・デル・マークは7番手でした。セッション終盤に雨が降り、フロントローを目指したザネッテイでしたが、残念ながらアタックのチャンスを逃しました。ファン・デル・マークは転倒を喫し、マシンを修復してのアタックとなりましたが、なんとか7番手に浮上。決勝では、両選手ともに表彰台獲得、今季初優勝の期待が膨らんでいます。地元大会に闘志を燃やすルカ・マルコーニ(PTR Honda)が10番手となりました。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 4番手)「最後の瞬間まで、フロントロー獲得のポジションにいたので、最終的に2列目になってしまい、少し残念です。しかし、このサーキットはこれまであまりいい結果を残していないので、この結果に喜ばなければなりません。とにかく、フロントロー争いができてよかったです。スーパーポールの前に行われたフリー走行で転倒、それまで速かったセクター3の自信を少し失いましたが、スーパーポールでその自信を取り戻すことができました。明日はトップグループに入って、逃げきれることを願っています。まだ取り組まなければならないエリアがあります。エンジンブレーキとコーナー進入時の安定性です。長いレースになりますが、楽しみです」
秋吉耕佑(スーパーバイク 17番手)「転倒しましたがケガはありません。低速での転倒でしたが、かなり高く飛んだので、僕はライダーだよ、パイロットじゃないよと思いました。残念ながら、マシンのダメージが大きすぎて、セッションを続けることができませんでした。午前中に行われた予選はマシンのバランスがよくなくて、思ったように走れませんでした。しかし、全体的には、タイヤにもサーキットにも慣れることができて、前進することができました。明日はまた一歩前進できることを願っています。そして、少しでもチームに役立つデータを残したいと思っています。2レースを楽しみたいです」
ロレンツォ・ザネッテイ(スーパースポーツ 4番手)「今日はドライでしたが、昨日と同じセッティングでスタートしました。マシンの感触はよかったです。3番手にいましたが、ケナン・ソフォーグル(カワサキ)に抜かれてしまいました。それでもフロントローは獲得できるんじゃないかと思いました。そしてプッシュしようと思ったら、残念ながらサーキットの奥の方で雨が降り始め、セッションは終わってしまいました。しかし、マシンの感触はいいので満足しています。それに今回はホームレースなので特別な気持ちです。マシンは速いので、明日のレースでは一生懸命がんばります。タイヤのオプションは2つありますが、明日の天候を確認してから、決めたいと思います」
マイケル・ファン・デル・マーク(ス−パースポーツ 7番手)「午前中の走行でセッティングが進み、午後の予選は、とても速いペースでスタートすることができました。最初の数周のフィーリングはよかったのですが、そのあとミスをしてしまい、7コーナーで転倒してしまいました。マーシャルが僕になかなかマシンを戻してくれなかったので、コースに戻るのに時間がかかってしまいました。そのあとはチームのみんなが一生懸命にがんばってくれました。ジョナサン・レイまでもが助けてくれました。とても感謝しています。このあと、自分のファステストラップを更新しましたが、残り数分で雨が降り始め、アタックも終了しました。セッション中は少し混乱していましたが、明日はかなり速く走れると信じています」
ルカ・マルコーニ(スーパースポーツ 10番手)「10番手を獲得できてうれしいです。これがスーパースポーツの世界選手権予選のベストリザルトになりました。トップスピードが上がるように、さらにがんばります。レースではトップ8を目標にがんばります」
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | T.サイクス | カワサキ | 1:41.223 |
2 | E.ラバティ | アプリリア | 1:41.301 |
3 | S.ギュントーリ | アプリリア | 1:41.542 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:41.798 |
5 | M.メランドリ | BMW | 1:41.819 |
6 | D.ジュリアーノ | アプリリア | 1:41.926 |
17 | 秋吉耕佑 | Honda | 1:46.631 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | S.ロース | ヤマハ | 1:47.899 |
2 | F.マリーノ | カワサキ | +0.255 |
3 | K.ソフォーグル | カワサキ | +0.518 |
4 | ロレンツォ・ザネッティ | Honda | +0.605 |
5 | S.クルチアーニ | カワサキ | +0.759 |
6 | R.ルッソ | カワサキ | +1.159 |
7 | マイケル・ファン・デル・マーク | Honda | +1.230 |
10 | ルカ・マルコーニ | Honda | +1.487 |
12 | シェリダン・モライス | Honda | +1.596 |
13 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +1.647 |
15 | アレックス・バルドリーニ | Honda | +1.976 |
17 | ジャック・ケネディ | Honda | +2.065 |
18 | ガボール・タルマクシ | Honda | +2.079 |
19 | マット・デイビス | Honda | +2.489 |
23 | ダビッド・リンオートナル | Honda | +2.665 |
25 | ナチョ・カレロ・ペレス | Honda | +2.812 |
27 | イムレ・トース | Honda | +3.298 |
28 | バラージュ・ネメス | Honda | +3.456 |
29 | アレックス・シャハト | Honda | +3.500 |
30 | イブ・ポルツァー | Honda | +4.202 |
34 | エドゥアルド・ブロヒン | Honda | +6.333 |