round 12

September 26 2010, RACE:12:00-(local)/19:00-(JST)
FIM Superbike World Championship Italy
第12戦 イタリア

ノイキルヒナー14位/12位、ライは第2レースで14位に入りポイントを獲得
スーパーポールで転倒、負傷しているレイは欠場

第12戦イモラ大会決勝は、前日までの不安定な天候から一転、青空が広がる絶好のコンディションの中で行われた。予選11位から決勝に挑んだマックス・ノイキルヒナー(HANNspree Ten Kate Honda)は第1レース14位、第2レースも12位と、両レースでポイントを獲得した。また、前戦ドイツ大会から出場、WSB2戦目を迎えるファブリッツォ・ライ(ECHO CRS Honda)が第2レース、14位でフィニッシュして初ポイントを獲得した。

第1レース、オープニングラップ11番手につけたノイキルヒナーは、シルバン・ギュントーリ(スズキ)、シェーン・バーン(ドゥカティ)、ルーベン・シャウス(BMW)、ルカ・スカッサ(ドゥカティ)らとし烈なバトルを繰り広げ、一時は10番手まで浮上した。しかし、中盤以降は思うようにペースが上がらず、スカッサと厳しい13位争いを繰り広げ、最終ラップにかわされ14位でフィニッシュした。第2レースは序盤ペースが上がらず、一時16番手までポジションを落とした。しかし、中盤から後半にかけて順位を上げて12位でフィニッシュ。第8戦サンマリノ大会以来、4戦ぶりに両レースでポイントを獲得した。

2戦目を迎えるライは、予選19番手から決勝に挑み、第1レースは19位だったが、第2レースは14位でチェッカーを受け、初ポイントを獲得した。

  • マックス・ノイキルヒナーマックス・ノイキルヒナー
  • ケナン・ソフォーグル(左)、ミケーレ・ピロ(中央)、ユージェーヌ・ラバティ(右)ケナン・ソフォーグル(左)、ミケーレ・ピロ(中央)、ユージェーヌ・ラバティ(右)
  • ミケーレ・ピロミケーレ・ピロ
  • ケナン・ソフォーグルケナン・ソフォーグル
  • ユージェーヌ・ラバティユージェーヌ・ラバティ

今大会は第1レース、第2レースともにカルロス・チェカ(ドゥカティ)が優勝。芳賀紀行(ドゥカティ)が第1レース3位、第2レース2位。第1レースの2位にロレンソ・ランツィ(ドゥカティ)。第2レースの3位にカル・クロッチロー(ヤマハ)が入った。

前戦ドイツ大会を終えた時点で、4勝を含む10回の表彰台で総合3位のジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)は予選2番手と好調だったが、ウエットコンディションとなったスーパーポールで転倒、その際に左肩と左手首も痛めていた。朝のウオームアップで走行したが、左腕に力が入らず転倒、決勝を走り切ることが不可能との判断で、欠場を決めた。そのため、ノーポイントに終わったが、総合3位をキープし、2戦連続となる最終戦フランス大会に挑むことになった。

また、第1レースで11位、第2レースで5位でフィニッシュしたマックス・ビアッジ(アプリリア)が、2010年スーパーバイク世界選手権のタイトルを獲得した。

スーパースポーツは、今季4回目のポールポジションを獲得してタイトル王手のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)と、総合2位で予選2番手のユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)のCBR600RR勢同士の一騎打ちとなった。序盤はソフォーグル、中盤はラバティ。そして終盤は再びソフォーグルが首位に立つ壮絶な戦いとなった。

最終ラップを迎えた2人は、もつれるようにホームストレートを通過する。そして、最終ラップの最終コーナーでソフォーグルをパスしようとしたラバティが痛恨のミス。ソフォーグルを巻き込んで、ともに転倒を喫した。

その間に、予選3番手から最終ラップ3番手につけていたソフォーグルのチームメートのミケーレ・ピロがトップに浮上してチェッカーを受けるという大波乱のレースだった。2位には、コースに復帰したソフォーグル。続いてラバティ。大荒れの展開もCBR600RR勢の手に汗を握らせる表彰台を独占する戦いに、大きな拍手が送られた。

この結果、総合首位のソフォーグルと総合2位のラバティのポイント差は16点。チャンピオン決定は、最終戦へと持ち越された。

コメント

マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 14位/12位) 「今日の最大の問題は、グリップ不足だった。第1レースはフリー、予選と同じタイヤで走ったのだが、レース前半が終わるころにはタイヤの消耗が激しく、グリップが厳しくなっていた。第2レースは、今日みんなが使っていたもう1種類のタイヤを使い、後半、まずまずのリズムで乗ることができた。今日はサスペンションが動きすぎているような感じで、車体のバランスもあまりよくなかった」

ファブリッツォ・ライ(スーパーバイク 19位/14位) 「スーパーバイクでイモラを走るのは初めてだった。そのレースでこうして2ポイントを獲得できてとてもうれしい。イモラを走ったのは、2003年のイタリア選手権が最後だった。しかも125ccだったので、まるで違うサーキットを走っているようだった」

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 欠場) 「昨日のスーパーポールの転倒で左肩と手首を痛め、痛みがひどいので、ウオームアップを走ってどうするか決めようと思っていた。そのウオームアップで、左腕がちゃんと機能せず、転んでしまった。それで欠場することを決めた。来週のレースに向けて、もう一度しっかり検査をして治療したい」

ミケーレ・ピロ(スーパースポーツ 優勝) 「初優勝することができて、本当に信じられない。今回はホームレースだったし、今シーズン、これまであまりよくなかったので、とてもうれしい。ケナンとユージェーヌが最終コーナーで転倒したから勝てたのは確かだけど、それでも最高にうれしい。すばらしい仕事をしてくれたチームに心から感謝している。チームとしても、1位と2位を獲得できたし、みんなにおめでとうと言いたい。次はいよいよマニクールでの最後のレース。また表彰台に上ってシーズンをいい形で終わらせたい」

ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 2位) 「今大会はずっといい状態だったし、今日のレースも勝てる自信があった。優勝に向けて準備万端だった。ユージェーヌが僕と一緒に走れるほど、十分にスピードがあったかどうかはよくわからない。彼はついてきたけれど、彼が前に出たときは、まるで僕をブロックしているようだった。最後の数周、僕はがんばってプッシュしたが、彼はそれでも付いてきた。そして、彼の最後のアタックは限界を超えていた。僕はブレーキングをギリギリまで遅らせていたし、まるで彼の行為は僕を巻き込んで転倒したいような感じだった。幸い、再スタートすることができたし、ユージェーヌの前でフィニッシュできたのはとてもラッキーだった。もちろん優勝したかったけれど、今回はかなわなかった。でも16ポイントのアドバンテージを持って次のマニクールに行けることを思えば、よかったのかも知れない」

ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 3位) 「自分自身への怒りがおさまらない。今日は左腕がレース終盤に向けてしびれ始めたので、右腕だけでバイクに乗っていた。古傷の痛みが再発してしまった。今は治すことを最優先にしたい。レース中、僕がリードしたときは腕を休ませるためにペースを抑えた。しかしケナンが前に出ると、全力で付いていかなければならなかった。ラストラップは自分の思うような動きができなかった。でも最終コーナーの進入は、ケナンが僕にプレッシャーを与えたので僕はフロントを失ってしまった。バイクを起こしてレースに戻るのにケナンより少し時間がかかってしまった。次のマニクールはシーズンの最後のレースなので、ベストを尽くして優勝したい。どうなるか楽しみだ」

決勝

スーパーバイク(レース1)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1C.チェカドゥカティ2138:27.631
2L.ランツィドゥカティ21+1.171
3芳賀紀行ドゥカティ21+1.472
4J.シュムルツアプリリア21+6.691
5L.ハスラムスズキ21+9.584
6T.サイクスカワサキ21+10.979
 
14マックス・ノイキルヒナーHonda21+31.689
19ファブリッツォ・ライHonda21+1:15.939

スーパーバイク(レース2)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1C.チェカドゥカティ2138:24.452
2芳賀紀行ドゥカティ21+2.129
3C.クロッチローヤマハ21+3.926
4T.サイクスカワサキ21+5.762
5M.ビアッジアプリリア21+7.025
6S.バーンドゥカティ21+12.147
     
12マックス・ノイキルヒナーHonda21+34.804
14ファブリッツォ・ライHonda21+1:03.102

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1ミケーレ・ピロHonda1936:07.906
2ケナン・ソフォーグルHonda19+2.888
3ユージェーヌ・ラバティHonda19+4.569
4B.パークスカワサキ19+4.865
5藤原克昭カワサキ19+5.718
6マッシモ・ロッコリHonda19+6.102
 
7マーク・エイチソンHonda19+9.977
10ジャンルカ・ビジエロHonda19+28.436
15アレクサンダー・ルンドHonda18+1Lap
RTイムレ・トースHonda13+6Laps
RTロビン・ハームスHonda10+9Laps
RTジノ・レイHonda3+16Laps
RTミゲル・プライアHonda0-
RTローナン・クォーンビーHonda0-
ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ビアッジアプリリア413
2L.ハスラムスズキ350
3ジョナサン・レイHonda288
4C.チェカドゥカティ274
5C.クロッチローヤマハ239
6芳賀紀行ドゥカティ238
 
18マックス・ノイキルヒナーHonda47
21 ブロック・パークスHonda9
22ジョシュア・ブルックスHonda6
28ファブリッツォ・ライHonda2

マニュファクチャラー(スーパーバイク)

順位 ライダー ポイント
1アプリリア433
2ドゥカティ392
3スズキ379
4ヤマハ307
5Honda305
6BMW201
7カワサキ100

ライダー(スーパースポーツ)

順位 ライダー マシン ポイント
1ケナン・ソフォーグルHonda243
2ユージェーヌ・ラバティHonda227
3J.ラスコルツカワサキ168
4C.デイビストライアンフ137
5ミケーレ・ピロHonda91
6D.サロントライアンフ90
 
7ロビン・ハームスHonda87
8ジノ・レイHonda83
10マッシモ・ロッコリHonda71
13ミゲル・プライアHonda60
16アレクサンダー・ルンドHonda24
19ダニーロ・デロモHonda13
20ジャンルカ・ビジエロHonda10
21マーク・エイチソンHonda9
24バスティン・シェゾーHonda8
25サム・ロースHonda6
27ランス・アイザックHonda5
28クリスチャン・イドンHonda4
30ダニエル・ブコウスキHonda3
32アンドレア・ボスコスクーロHonda3
35イムレ・トースHonda2
36トマス・オルベクHonda1

マニュファクチャラー(スーパースポーツ)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1Honda295
2カワサキ201
3トライアンフ152
4ヤマハ30