第10戦イギリス大会決勝は、両レースともにホーム大会に闘志を燃やす英国勢の優勝争いとなり、予選2番手から2戦連続優勝を狙ったジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)は、両レースともに優勝争いに加わって連続2位。惜しくも優勝を逃したが、地元ファンの声援に応えた。第1レースは英国勢が表彰台を独占。第2レースは5位まで英国勢が占めた。
今大会のレイは、初日から好調だった。全面改修されたシルバーストーンを順調に攻略。フリー、予選、スーパーポールと着実にセッションをこなし、決勝レースも終始トップを快走した。しかし、英国スーパーバイク選手権(BSB)時代からのライバルで、今大会PPを獲得したカル・クロッチロー(ヤマハ)に2レースとも終盤に先行を許し、惜しくも連続2位に終わった。今大会は、2レースともに英国勢が上位を独占、見応えあるバトルに地元ファンも大喜びだった。
第1レース、第2レースでクロッチローが優勝。第1レース3位はレオン・ハスラム(スズキ)。第2レース3位はレオン・キャミア(アプリリア)という結果だった。
以下、CBR1000RR勢は、予選18番手から決勝に挑んだマックス・ノイキルヒナー(HANNspree Ten Kate Honda)が第1レースで11位、第2レースはリタイア。開幕戦オーストラリア大会以来、今季2回目のワイルドカード出場となるジョシュア・ブルックス(HM Plant Honda)は、予選17番手からスタートし、第1レースは転倒リタイアも、第2レースでポイント獲得の12位。予選22番手から決勝に挑んだ清成龍一(HM Plant Honda)は、21位/16位でポイント獲得できず。予選19番手から決勝に挑んだブロック・パークス(ECHO CRS Grand Prix)は両レースともに転倒リタイアだった。
スーパースポーツは、ホーム大会に闘志を燃やすユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)と、総合首位のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)の一騎打ちとなり、最終ラップにソフォーグルをかわしたラバティが今季6勝目を達成、地元ファンを喜ばせた。今季4勝目を狙ったソフォーグルは終始レースをリードするも、最終ラップに逆転を許した。3位には、3台によるし烈な戦いを制したジノ・レイ(Intermoto Czech)がスーパースポーツ初表彰台を獲得し、CBR600RR勢が今季初の表彰台独占を達成した。さらに、トップ10にCBR600RR勢が7台と大活躍。ケガのために欠場しているミケーレ・ピロの代役として出場のローナン・クォーンビー(HANNspree Ten Kate Honda)は、18位だった。
今大会は、スタート直後の多重クラッシュで赤旗中断となった。その転倒で総合2位だったホワン・ラスコルツ(カワサキ)がリタイアとなり、今季6勝目を挙げたラバティが総合2位に浮上。17点差で首位のソフォーグルを追うという展開となった。シーズンは残り3戦。チャンピオン争いは、ソフォーグルとラバティの一騎打ちの様相となった。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 2位/2位)「両レースともに優勝できず、残念だった。しかし、どちらのレースもベストを尽くせたし、カルとすばらしいバトルができた。第1レースは、カルの方が少しだけペースがよかった。加えて、自分も何度か小さなミスをして彼にリードを許した。第2レースは勝てると思ったのだが、終盤のカルの走りはすごくて、ついていけなかった。2レースともに勝てなかったけれど、優勝争いができてうれしい。今日はウオームアップですごくいい状態だった。しかし、決勝レースでは、ウオームアップの状態に比べると、ちょっとだけタイヤパフォーマンスが劣っていた。ハードな日程が続いたけれど、本当にすばらしいレースができてうれしい。チームとスタッフに感謝したい。次のドイツまで夏休みに入るので休暇を楽しみたい」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 11位/リタイア)「昨日までセットアップに苦労したが、今日は大幅にセッティングを変更して、大きく前進することができた。予選グリッドは悪かったけれど、今日は本当にたくさんのライダーを抜くことができた。第1レースも集団の中でいい走りができたと思う。第2レースはトラブルでリタイアとなったが仕方がない。厳しいレースだったが、最後にバイクの状態がよくなったので、次戦が楽しみだ」
清成龍一(スーパーバイク 21位/16位)「今週は何をやっても前進することができなかった。予選も決勝も、今まで経験したことがない順位を走っていたし、本当に残念だった。今回はサスペンションが決まらず、気持ちよく乗れず、攻める走りもできなかった。来週はブランズハッチでBSBがあるので、気持ちを切り替えて挑みたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 優勝)「ホームレースで優勝することができて、とてもうれしい。今日はスタート直後のハプニングでレースが再スタートになった。精神的に厳しく難しいレースになり、レースの組み立ても何回も変更しなければならなかった。レースでは、ケナンを先行させて彼の走りを見ることにした。彼の速いポイントとウイークポイントが分かったので、最終ラップに勝負することにした。今回はこういう形で勝つことができて本当にうれしい。ケナンに対し、走りだけでなく、精神面でもプレッシャーを与えることができたと思う。逆転チャンピオンになるためにも、残りのレースをすべて勝つつもりで戦う」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 2位)「今日は優勝したかった。2位に終わって残念だったが、次のドイツでは、この屈辱を晴らしたい。今日の2位で総合首位をキープしたけれど、ポイント差はほとんどないし、ニュルブルクリンクでは優勝しなければならない。今週はセッションをこなすごとにバイクの状態はよくなった。チームにはとても感謝している。とにかく今は、勝てなかった悔しさを晴らしたという気持ちでいっぱいだ。これから夏休みに入るけれど、次のドイツが待ち遠しい」
ジノ・レイ(スーパースポーツ 3位)「ずっとこの日を夢見てきたし、本当に信じられない気持ちだ。レースでは、ユージェーヌの後ろを走ることができた。これも信じられないことだった。後半はタイヤの消耗で遅れてしまったが、こうして表彰台に立てて本当にうれしい」
スーパーバイク(レース1)
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 18 | 37:47.851 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 18 | +1.621 |
3 | L.ハスラム | スズキ | 18 | +11.433 |
4 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 18 | +15.874 |
5 | M.ビアッジ | アプリリア | 18 | +17.085 |
6 | L.キャミア | アプリリア | 18 | +17.532 |
11 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 18 | +30.972 |
16 | ジョシュア・ブルックス | Honda | 18 | +35.939 |
20 | トミー・ブライドウェル | Honda | 18 | +1:21.678 |
21 | 清成龍一 | Honda | 18 | +1:21.793 |
RT | ブロック・パークス | Honda | 0 | - |
スーパーバイク(レース2)
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 18 | 37:48.348 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 18 | +2.070 |
3 | L.キャミア | アプリリア | 18 | +8.834 |
4 | L.ハスラム | スズキ | 18 | +13.232 |
5 | J.トーズランド | ヤマハ | 18 | +13.258 |
6 | M.ビアッジ | アプリリア | 18 | +13.568 |
12 | ジョシュア・ブルックス | Honda | 18 | +28.003 |
16 | 清成龍一 | Honda | 18 | +58.607 |
18 | トミー・ブライドウェル | Honda | 18 | +1:03.298 |
RT | ブロック・パークス | Honda | 7 | +11Laps |
RT | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 6 | +12Laps |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 16 | 34:35.068 |
2 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 16 | +0.220 |
3 | ジノ・レイ | Honda | 16 | +12.451 |
4 | C.デイビス | トライアンフ | 16 | +13.683 |
5 | ロビン・ハームス | Honda | 16 | +13.839 |
6 | ミゲル・プライア | Honda | 16 | +15.699 |
9 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 16 | +22.837 |
10 | サム・ローズ | Honda | 16 | +23.092 |
16 | バスティン・シェゾー | Honda | 16 | +54.686 |
17 | クリスチャン・イドン | Honda | 16 | +55.198 |
18 | ローナン・クォーンビー | Honda | 16 | +58.957 |
19 | ダニーロ・デロモ | Honda | 16 | +1:11.342 |
22 | マーク・エイチソン | Honda | 16 | +1:41.788 |
23 | イムレ・トース | Honda | 15 | +1Lap |
RT | ジェニー・ティンマウス | Honda | 9 | +7Laps |
ライダー(スーパーバイク)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 373 |
2 | L.ハスラム | スズキ | 313 |
3 | ジョナサン・レイ | Honda | 243 |
4 | C.チェカ | ドゥカティ | 204 |
5 | C.クロッチロー | ヤマハ | 188 |
6 | J.トーズランド | ヤマハ | 179 |
18 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 40 |
20 | ブロック・パークス | Honda | 9 |
22 | ジョシュア・ブルックス | Honda | 6 |
マニュファクチャラー(スーパーバイク)
順位 | ライダー | ポイント |
---|---|---|
1 | アプリリア | 385 |
2 | スズキ | 334 |
3 | ドゥカティ | 297 |
4 | ヤマハ | 256 |
5 | Honda | 254 |
6 | BMW | 174 |
7 | カワサキ | 57 |
ライダー(スーパースポーツ)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 203 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 186 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | 168 |
4 | C.デイビス | トライアンフ | 126 |
5 | ジノ・レイ | Honda | 83 |
6 | ロビン・ハームス | Honda | 82 |
10 | ミケーレ・ピロ | Honda | 58 |
11 | ミゲル・プライア | Honda | 57 |
13 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 52 |
14 | アレクサンダー・ルンド | Honda | 23 |
18 | バスティン・シェゾー | Honda | 8 |
19 | ダニーロ・デロモ | Honda | 7 |
20 | サム・ローズ | Honda | 6 |
22 | ランス・アイザック | Honda | 5 |
24 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 4 |
26 | ダニエル・ブコウスキ | Honda | 3 |
28 | アンドレア・ボスコスクーロ | Honda | 3 |
30 | トマス・オルベク | Honda | 1 |
マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 245 |
2 | カワサキ | 172 |
3 | トライアンフ | 136 |
4 | ヤマハ | 16 |