全面改修を受けたシルバーストーンで第10戦イギリス大会が開幕した。シルバーストーンでスーパーバイク世界選手権が開催されるのは、07年以来の3年ぶり。新しく生まれ変わったロングコース(5.902km)で、金曜日、土曜日と激しいアタック合戦が繰り広げられ、HANNspree Ten Kate Hondaのジョナサン・レイが2番手につけて、2戦連続今季4回目のフロントローを獲得した。
今大会には25台が出場。CBR1000RR勢は、ワイルドカードで出場のジョシュア・ブルックス(HM Plant Honda)が17番手、マックス・ノイキルヒナー(HANNspree Ten Kate Honda)18番手、ブロック・パークス(ECHO CRS Grand Prix)19番手。ブルックスとともに英国スーパーバイク選手権(BSB)に参戦し、今大会ワイルドカードで出場の清成龍一(HM Plant Honda)は22番手だった。
前戦チェコ大会で1位/2位と快走を見せたレイは、1週間前の鈴鹿8時間耐久レースで3位表彰台に立った疲れも見せず、初日から快調な走りを見せた。初日のフリー走行ではただ1人だけ2分6秒台に入る好走でトップタイムをマーク。絶好のスタートで地元ファンを喜ばせた。
そして1回目の予選では、レイ同様、ホーム大会に闘志を燃やすカル・クロッチロー(ヤマハ)が暫定PPを獲得。わずかの差でレイは2番手。2日目2回目の予選は、夜から朝にかけて降った雨の影響でウエットからドライという難しいコンディションとなり、初日のベストタイムで2番手のまま、上位20台によるスーパーポール進出を果たした。
スーパーポールはドライコンディション。SP1は11番手。SP2で4番手と着実に順位を上げたレイは、上位8台で繰り広げられた最終セッションとなるSP3では、再び、クロッチローとPP争いを繰り広げて2番手。PPを逃すも、2戦連続優勝に向けて絶好のグリッドを獲得した。
以下、CBR1000RR勢は、ワイルドカードで出場のブルックスが19番手でスーパーポール進出を果たして17番手。車体のセッティングに苦しんだノイキルヒナーは予選18番手、スーパーポールでも18番手と苦戦。予選20番手からスーパーポールに進出したパークスは、スーパーポールで19番手へと1つポジションを上げた。
先週の鈴鹿8時間耐久レースで見事に優勝し、日本のファンをうならせた清成は、車体のセッティングが決まらず、ウエットからドライになる2日目の予選でスーパーポール進出のチャンスを逃し、22番グリッドが確定した。
スーパースポーツは、金曜日、土曜日の予選ともにドライコンディションで行われ、ユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が今季4回目のPP、開幕戦から10戦連続でフロントローを獲得した。今季9戦を終えて5勝と圧倒的な勝率を誇るラバティは、前戦チェコ大会で痛恨のノーポイント。総合で3位にダウンしている。それだけにホームとなる今大会は、今季6勝目に闘志満々。2番手には、前戦チェコ大会で今季3勝目を挙げて総合首位に浮上したケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)。3番手に総合2位のホワン・ラスコルツ(カワサキ)と、チャンピオン争いを繰り広げる3選手が今大会も予選から大接戦を繰り広げ、フロントローから決勝に挑むことになった。
ソフォーグルのチームメートで、前戦チェコ大会で転倒、負傷したミケーレ・ピロは今大会を欠場、代役として出場のローナン・クォーンビーは18番手だった。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 2番手)「先週の鈴鹿8時間耐久レースは、とてもハードなレースだった。自分のキャリアの中で、もっとも厳しいレースだったかも知れない。しかし、すばらしいチームで8時間を戦えて表彰台に立てたことは、自分にとってすばらしい経験となった。そして今、シルバーストーンでホーム大会を迎え、最高の気持ちだ。大勢の地元ファンの声援の前で走れることが、本当にうれしい。新しいシルバーストーンは、バンピーな箇所はあるけれど、すばらしいサーキットに生まれ変わった。今日は2番手だったけれど、フロントローから決勝に挑めるので、言うことはない。バイクの状態はいい。今日、PPを獲得したカルは本当に速かったけれど、自分もレースラップは悪くない。明日はいいレースができると信じている」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 18番手)「新しくなったシルバーストーンはすばらしいサーキットに生まれ変わったが、バンピーな箇所が多くてセットアップに苦労した。特にリアのグリップがうまく引き出せず、2日間ともに苦労した。昨日は転倒したこともあって、今日はいろいろなセッティングにトライしたが、ほとんど変わらなかった。明日は、これまでと違うセットアップでウオームアップにトライしてみたい。路面コンディションにバイクのセットアップを合わせるのは本当に難しい。自分のライディングスタイルもなかなか生かせない。決勝は厳しいレースになりそうだ」
清成龍一 (スーパーバイク 22番手)「先週の鈴鹿8時間耐久レースからの乗り換えは、あまり大きな問題ではなかったのだが、予想していた通りの結果になってしましった。シルバーストーンはレイアウトはすっかり変わったけれど、フラットな路面が続くという基本的な特徴は変わっていない。今年のマシンは、こういうレイアウトのサーキットではサスペンションのセッティングがうまく決まらずに苦労してきたが、今回も同じ状態だった。2日目の予選が、ウエットからドライというコンディションになったこともあって、22番手から順位を上げるのは難しかった。BSBは終盤戦にここで大会があるので、そのためにも今回は少しでもバイクをいい状態に仕上げたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ ポールポジション)「昨日、今日と、いい走りができた。ドライはもちろん、ウエットでもフィーリングはよくて、決勝に向けての自信はある。今回はフロントローに並ぶことが大きな目的だったし、こうしてPPを取れたので、満足している。今日は最後のタイヤ交換のタイミングに失敗して焦ったけれど、タイムもすぐに出せたし、バイクの状態はいい。前回のチェコはトラブルでノーポイントに終わった。総合1位から3位に落ちた。残りのレースでソフォーグルとラスコルツを逆転するためには、すべてのレースで勝つつもりで走らなければならない。今回はホーム大会。優勝を目標に全力を尽くす」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 2番手)「昨日から今日にかけて、バイクのセットアップは大きく進んだ。セッション中は何度もトップに立つことができたし、最終的に2番手だったけれど、バイクの状態には満足している。ただ、いくつかのコーナーでうまく走れていない。特にコース終盤でタイムをロスしている。しかし、セッションをこなす度に確実に状態はよくなっているし、明日のウオームアップで最後の調整をしたい。新しいサーキットは、正直、自分の好きなレイアウトではないが、いいレースをする自信はある」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 2:04.091 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 2:04.763 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 2:05.083 |
4 | J.シュムルツ | アプリリア | 2:05.168 |
5 | L.ハスラム | スズキ | 2:05.595 |
6 | M.ビアッジ | アプリリア | 2:05.682 |
17 | ジョシュア・ブルックス | Honda | 2:06.271 |
18 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 2:07.041 |
19 | ブロック・パークス | Honda | 2:07.636 |
22 | 清成龍一 | Honda | 2:08.689 |
24 | トミー・ブライドウェル | Honda | 2:11.057 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 2:09.426 |
2 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 2:09.456 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | 2:09.461 |
4 | R.タンブリーニ | ヤマハ | 2:09.537 |
5 | ロビン・ハームス | Honda | 2:09.816 |
6 | ジノ・レイ | Honda | 2:09.916 |
8 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 2:10.256 |
12 | ミゲル・プライア | Honda | 2:10.438 |
17 | サム・ローズ | Honda | 2:11.163 |
18 | ローナン・クォーンビー | Honda | 2:11.507 |
20 | マーク・エイチソン | Honda | 2:11.605 |
21 | ダニーロ・デロモ | Honda | 2:11.936 |
22 | バスティン・シェゾー | Honda | 2:12.535 |
23 | クリスチャン・イッドン | Honda | 2:12.784 |
24 | アレクサンダー・ルンド | Honda | 2:13.920 |
27 | ジェニー・ティンマウス | Honda | 2:14.884 |
28 | イムレ・トース | Honda | 2:16.529 |