連日の猛暑。今季、最も厳しいコンディションとなった第9戦チェコ大会は、予選3番手から好スタートを切ったジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が、第1レースで優勝、第2レース2位と大活躍、2レースともに表彰台に立った。以下、CBR1000RR勢は、予選21番手から決勝に挑んだブロック・パークス(ECHO CRS Grand Prix)が、今季ベストリザルトの13位/12位でフィニッシュ。予選11番手から今季ベストリザルトを狙ったマックス・ノイキルヒナー(HANNspree Ten Kate Honda)は、両レースともに序盤に転倒、リタイアに終わった。第1レースで2位となったマックス・ビアッジ(アプリリア)が、第2レースで優勝して総合首位をキープ。今大会2レースで45点を獲得したレイは、総合4番手から3番手へとランキングを上げた。
第5戦イタリア大会以来、4戦ぶりにフロントローから決勝に挑んだレイが、2レースともに優勝争いに加わった。この数戦、チャターに苦しみ厳しいレースが続いていたが、今大会はチャターもなく、初日から順調にセットアップが進んだ。決勝ではその走りを遺憾なく発揮した。第1レースは、オープニングラップにトップに立つと、カル・クロッチロー(ヤマハ)と後続を引き離し、トップグループを形成。終盤になってクロッチローが後退、代わって2番手に浮上したビアッジの追撃を振りきって、今季3勝目を達成した。
第2レースも好スタートを切ると、ビアッジとトップグループを形成。今季2回目の完全Vの期待が膨らんだが、このレースで快調にラップを刻んだビアッジが先行して優勝、レイは惜しくも2位に終わった。しかし、この数戦、チャターに苦しみ、CBR1000RR勢のパフォーマンスを発揮できない悔しいレースが続いていただけに、2レースともに表彰台に立ち、満面の笑みだった。
この日は、第1レースが29℃、第2レースは31℃と相変わらずの暑さ。第2レースは路面温度が57℃まで上昇する厳しいコンディションとなり、第1レース、第2レースともに出場21台完走15台という厳しいレースだった。
その厳しいレースの中で、予選21番手から決勝に挑んだパークスが、粘り強い走りを見せて、両レースでポイント獲得。後半戦の巻き返しに期待をつないだ。また、予選11番手から今季ベストリザルトを狙ったノイキルヒナーは、両レースともにスタート直後の混乱の中で転倒を喫し、悔しいリタイアに終わった。
スーパースポーツ世界選手権は、予選5番手からオープニングラップ7番手とやや出遅れたケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)が、周回を重ねるごとに着実にポジションを上げ、中盤にはトップを走るホアン・ラスコルツ(カワサキ)に追いついた。その勢いで終盤、ラスコルツをかわしてトップに浮上。ラスト2周になってラスコルツに先行を許すも、さらに最終ラップに逆転、今季3勝目を達成した。
これでソフォーグルは、開幕戦から9戦連続で表彰台に立ち、総合2位から総合首位に浮上した。2位のラスコルツも総合3位から2位へ。総合首位で今大会も前半トップを走りながらトラブルでリタイアしたユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)は、ノーポイントに終わったことで総合3位にダウンも、タイトル争いの一角に残った。残り4戦。上位3選手のポイント差が接近しているだけに、タイトル争いがますます激しさを増すことになった。
以下、CBR600RR勢は、3位になったチャズ・デイビス(トライアンフ)と最終ラップまでし烈な戦いを繰り広げたジノ・レイ(Intermoto Czech)が、ベストリザルトとなる4位でフィニッシュ。5位に藤原克昭(カワサキ)と続き、ロビン・ハームス(Harms Benjan Racing)が6位、ミゲル・プライア(Parkalgar Honda)が7位と4台のCBR600RR勢がトップ10フィニッシュを果たした。ソフォーグルのチームメートのミケーレ・ピロは、今大会も転倒リタイアに終わった。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 優勝/2位)「第1レースはだれかが追い上げてくると思っていたし、最後まで気を休めることができなかった。しかし、こうして優勝できて、本当にうれしい。今日は体調が悪く、グリッドについたときに、とても気分が悪くなって、トイレに駆け込んだ。最悪の状態でスタートすることになったのだが、レースが始まってからは、そんなことも忘れて、最後まで気持ちよく走ることができた。第2レースも決して走りは悪くなかったが、今日はマックス(ビアッジ)がすばらしい走りをしていて、とてもかなわなかった。何度も彼に戦いを挑もうとしたが、タイヤのグリップが低下している状態では太刀打ちできなかった。それからは2位をキープするために全力を尽くした。今週は、フリー、予選、そして決勝と、チームとともにベストを尽くせたと思う。今年は毎戦、マシンのセッティングに苦労しているが、今週はいいレースができたと思う。この後、鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦、その後、シルバーストーンでのホーム大会が待ち受けている。次もいいレースができるように、がんばりたい」
ブロック・パークス(スーパーバイク 13位/12位)「今大会はマシンのセットアップに苦労したが、こうして2レースともにポイントを獲得できてうれしい。特に第1レースは今季ベストリザルトで、何人かのライダーともバトルできた。第2レースは、暑くて厳しいコンディションだったが、さらにリザルトを更新できた。今年になって一番のリザルトを残せたし、内容もよかった。後半戦、さらにいいレースができるよう、ベストを尽くしたい」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク リタイア/リタイア)「今日は2レースともに、こんな結果に終わり、ドイツから駆けつけてくれたファンに本当に申し訳ない気持ちだ。今週はマシンのセットアップもよくなり、いままでよりいいレースができると思っていたから、本当に残念だ。第1レースはスタートがうまくいかず出遅れて、第1コーナーで自分の前をふさいだ選手との接触を避けるためにハードブレーキを掛けなければならず、転倒してしまった。第2レースは、いいスタートを切れたのだが、右から右と続くコーナーで転倒に巻き込まれてしまった。今日は2レースともにあっという間に終わってしまった。とにかく残念としか言いようがない。次のシルバーストーンでは、今回よかったセッティングを引き継いで、さらにいいレースをできるようにしたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 優勝)「金曜日、土曜日と思うようにセッティングが決まらず厳しい2日間だったが、それでも、セッションをこなすごとに確実によくなったし、今朝のウオームアップでは、とてもいい状態に仕上がった。しかし、今回は左腕にケガをしていて、正直、金曜日には乗れるかどうか不安があった。それがこうして優勝できて、本当にうれしい。いろいろとケアをしてくれたクリニカ・モービルのスタッフには心から感謝している」
ジノ・レイ(スーパースポーツ 4位)「前回のサンマリノでは、ピロと接触して転倒という残念な結果に終わっていたし、今回、ベストリザルトでレースを終えられてすごくうれしい。しかし、スタートから電気系統に問題を抱え、それを調整しながら乗るのがとても難しかった。最後までチャズと3位争いをしたが、彼をパスしてゴールしたかった。しかし、彼のブレーキングはめちゃくちゃ深くて、なかなか抜けなかった」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ リタイア)「今日はスタートして1コーナーに差し掛かったころから、徐々にエンジンのパワーが落ち始めていた。いままで、こうしてトラブルでリタイアしたことなど一度もなかったし、とても残念だった。しかし、まだ4レース残っているし、あきらめず全力を尽くしたい。こうしてレースを落とすのは自分だけじゃないかもしれないし、残りのレース、タイトルを取るために全力を尽くしたい」
スーパーバイク(レース1)
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ジョナサン・レイ | Honda | 20 | 40:16.037 |
2 | M.ビアッジ | アプリリア | 20 | +2.518 |
3 | C.クロッチロー | ヤマハ | 20 | +4.071 |
4 | S.ギュントーリ | スズキ | 20 | +7.160 |
5 | R.シャウス | BMW | 20 | +8.602 |
6 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 20 | +11.379 |
13 | ブロック・パークス | Honda | 20 | +39.183 |
RT | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 0 | - |
スーパーバイク(レース2)
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 20 | 40:12.236 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 20 | +4.627 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 20 | +13.600 |
4 | J.トーズランド | ヤマハ | 20 | +16.372 |
5 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 20 | +17.530 |
6 | C.チェカ | ドゥカティ | 20 | +21.704 |
12 | ブロック・パークス | Honda | 20 | +49.270 |
RT | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 0 | - |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 18 | 37:25.108 |
2 | J.ラスコルツ | カワサキ | 18 | +0.124 |
3 | C.デイビス | トライアンフ | 18 | +7.153 |
4 | ジノ・レイ | Honda | 18 | +7.813 |
5 | 藤原克昭 | カワサキ | 18 | +14.268 |
6 | ロビン・ハームス | Honda | 18 | +24.832 |
7 | ミゲル・プライア | Honda | 18 | +30.907 |
12 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 18 | +40.762 |
13 | ダニエル・ブコウスキ | Honda | 18 | +58.901 |
15 | トマス・オルベク | Honda | 18 | +1:05.089 |
19 | イムレ・トース | Honda | 17 | +1Lap |
RT | バスティン・シェゾー | Honda | 17 | +1Lap |
RT | ダニーロ・デロモ | Honda | 16 | +2Laps |
RT | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 5 | +13Laps |
RT | ミケーレ・ピロ | Honda | 2 | +16Laps |
RT | アレクサンダー・ルンド | Honda | 0 | - |
ライダー(スーパーバイク)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 352 |
2 | L.ハスラム | スズキ | 284 |
3 | ジョナサン・レイ | Honda | 203 |
4 | C.チェカ | ドゥカティ | 189 |
5 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 172 |
6 | J.トーズランド | ヤマハ | 160 |
18 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 35 |
20 | ブロック・パークス | Honda | 9 |
25 | ジョシュア・ブルックス | Honda | 2 |
マニュファクチャラー(スーパーバイク)
順位 | ライダー | ポイント |
---|---|---|
1 | アプリリア | 358 |
2 | スズキ | 305 |
3 | ドゥカティ | 276 |
4 | Honda | 214 |
5 | ヤマハ | 206 |
6 | BMW | 163 |
7 | カワサキ | 55 |
ライダー(スーパースポーツ)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 183 |
2 | J.ラスコルツ | カワサキ | 168 |
3 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 161 |
4 | C.デイビス | トライアンフ | 113 |
5 | D.サロン | トライアンフ | 72 |
6 | ロビン・ハームス | Honda | 71 |
7 | ジノ・レイ | Honda | 67 |
9 | ミケーレ・ピロ | Honda | 58 |
12 | ミゲル・プライア | Honda | 47 |
13 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 45 |
14 | アレクサンダー・ルンド | Honda | 23 |
18 | バスティン・シェゾー | Honda | 8 |
19 | ダニーロ・デロモ | Honda | 7 |
20 | ランス・アイザック | Honda | 5 |
22 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 4 |
23 | ダニエル・ブコウスキ | Honda | 3 |
25 | アンドレア・ボスコスクーロ | Honda | 3 |
27 | トマス・オルベク | Honda | 1 |
マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 220 |
2 | カワサキ | 168 |
3 | トライアンフ | 123 |
4 | ヤマハ | 11 |