round 1

July 11 2010, RACE:12:00-(local)/17:00-(JST)
FIM Superbike World Championship Czech Republic
第9戦 チェコ

レイ今季3勝目。総合で3位に浮上する

連日の猛暑。今季、最も厳しいコンディションとなった第9戦チェコ大会は、予選3番手から好スタートを切ったジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が、第1レースで優勝、第2レース2位と大活躍、2レースともに表彰台に立った。以下、CBR1000RR勢は、予選21番手から決勝に挑んだブロック・パークス(ECHO CRS Grand Prix)が、今季ベストリザルトの13位/12位でフィニッシュ。予選11番手から今季ベストリザルトを狙ったマックス・ノイキルヒナー(HANNspree Ten Kate Honda)は、両レースともに序盤に転倒、リタイアに終わった。第1レースで2位となったマックス・ビアッジ(アプリリア)が、第2レースで優勝して総合首位をキープ。今大会2レースで45点を獲得したレイは、総合4番手から3番手へとランキングを上げた。

第5戦イタリア大会以来、4戦ぶりにフロントローから決勝に挑んだレイが、2レースともに優勝争いに加わった。この数戦、チャターに苦しみ厳しいレースが続いていたが、今大会はチャターもなく、初日から順調にセットアップが進んだ。決勝ではその走りを遺憾なく発揮した。第1レースは、オープニングラップにトップに立つと、カル・クロッチロー(ヤマハ)と後続を引き離し、トップグループを形成。終盤になってクロッチローが後退、代わって2番手に浮上したビアッジの追撃を振りきって、今季3勝目を達成した。

第2レースも好スタートを切ると、ビアッジとトップグループを形成。今季2回目の完全Vの期待が膨らんだが、このレースで快調にラップを刻んだビアッジが先行して優勝、レイは惜しくも2位に終わった。しかし、この数戦、チャターに苦しみ、CBR1000RR勢のパフォーマンスを発揮できない悔しいレースが続いていただけに、2レースともに表彰台に立ち、満面の笑みだった。

この日は、第1レースが29℃、第2レースは31℃と相変わらずの暑さ。第2レースは路面温度が57℃まで上昇する厳しいコンディションとなり、第1レース、第2レースともに出場21台完走15台という厳しいレースだった。

その厳しいレースの中で、予選21番手から決勝に挑んだパークスが、粘り強い走りを見せて、両レースでポイント獲得。後半戦の巻き返しに期待をつないだ。また、予選11番手から今季ベストリザルトを狙ったノイキルヒナーは、両レースともにスタート直後の混乱の中で転倒を喫し、悔しいリタイアに終わった。

  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • マックス・ノイキルヒナーマックス・ノイキルヒナー
  • ケナン・ソフォーグルケナン・ソフォーグル
  • ケナン・ソフォーグルケナン・ソフォーグル
  • ジノ・レイジノ・レイ

スーパースポーツ世界選手権は、予選5番手からオープニングラップ7番手とやや出遅れたケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)が、周回を重ねるごとに着実にポジションを上げ、中盤にはトップを走るホアン・ラスコルツ(カワサキ)に追いついた。その勢いで終盤、ラスコルツをかわしてトップに浮上。ラスト2周になってラスコルツに先行を許すも、さらに最終ラップに逆転、今季3勝目を達成した。

これでソフォーグルは、開幕戦から9戦連続で表彰台に立ち、総合2位から総合首位に浮上した。2位のラスコルツも総合3位から2位へ。総合首位で今大会も前半トップを走りながらトラブルでリタイアしたユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)は、ノーポイントに終わったことで総合3位にダウンも、タイトル争いの一角に残った。残り4戦。上位3選手のポイント差が接近しているだけに、タイトル争いがますます激しさを増すことになった。

以下、CBR600RR勢は、3位になったチャズ・デイビス(トライアンフ)と最終ラップまでし烈な戦いを繰り広げたジノ・レイ(Intermoto Czech)が、ベストリザルトとなる4位でフィニッシュ。5位に藤原克昭(カワサキ)と続き、ロビン・ハームス(Harms Benjan Racing)が6位、ミゲル・プライア(Parkalgar Honda)が7位と4台のCBR600RR勢がトップ10フィニッシュを果たした。ソフォーグルのチームメートのミケーレ・ピロは、今大会も転倒リタイアに終わった。

コメント

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 優勝/2位)「第1レースはだれかが追い上げてくると思っていたし、最後まで気を休めることができなかった。しかし、こうして優勝できて、本当にうれしい。今日は体調が悪く、グリッドについたときに、とても気分が悪くなって、トイレに駆け込んだ。最悪の状態でスタートすることになったのだが、レースが始まってからは、そんなことも忘れて、最後まで気持ちよく走ることができた。第2レースも決して走りは悪くなかったが、今日はマックス(ビアッジ)がすばらしい走りをしていて、とてもかなわなかった。何度も彼に戦いを挑もうとしたが、タイヤのグリップが低下している状態では太刀打ちできなかった。それからは2位をキープするために全力を尽くした。今週は、フリー、予選、そして決勝と、チームとともにベストを尽くせたと思う。今年は毎戦、マシンのセッティングに苦労しているが、今週はいいレースができたと思う。この後、鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦、その後、シルバーストーンでのホーム大会が待ち受けている。次もいいレースができるように、がんばりたい」

ブロック・パークス(スーパーバイク 13位/12位)「今大会はマシンのセットアップに苦労したが、こうして2レースともにポイントを獲得できてうれしい。特に第1レースは今季ベストリザルトで、何人かのライダーともバトルできた。第2レースは、暑くて厳しいコンディションだったが、さらにリザルトを更新できた。今年になって一番のリザルトを残せたし、内容もよかった。後半戦、さらにいいレースができるよう、ベストを尽くしたい」

マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク リタイア/リタイア)「今日は2レースともに、こんな結果に終わり、ドイツから駆けつけてくれたファンに本当に申し訳ない気持ちだ。今週はマシンのセットアップもよくなり、いままでよりいいレースができると思っていたから、本当に残念だ。第1レースはスタートがうまくいかず出遅れて、第1コーナーで自分の前をふさいだ選手との接触を避けるためにハードブレーキを掛けなければならず、転倒してしまった。第2レースは、いいスタートを切れたのだが、右から右と続くコーナーで転倒に巻き込まれてしまった。今日は2レースともにあっという間に終わってしまった。とにかく残念としか言いようがない。次のシルバーストーンでは、今回よかったセッティングを引き継いで、さらにいいレースをできるようにしたい」

ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 優勝)「金曜日、土曜日と思うようにセッティングが決まらず厳しい2日間だったが、それでも、セッションをこなすごとに確実によくなったし、今朝のウオームアップでは、とてもいい状態に仕上がった。しかし、今回は左腕にケガをしていて、正直、金曜日には乗れるかどうか不安があった。それがこうして優勝できて、本当にうれしい。いろいろとケアをしてくれたクリニカ・モービルのスタッフには心から感謝している」

ジノ・レイ(スーパースポーツ 4位)「前回のサンマリノでは、ピロと接触して転倒という残念な結果に終わっていたし、今回、ベストリザルトでレースを終えられてすごくうれしい。しかし、スタートから電気系統に問題を抱え、それを調整しながら乗るのがとても難しかった。最後までチャズと3位争いをしたが、彼をパスしてゴールしたかった。しかし、彼のブレーキングはめちゃくちゃ深くて、なかなか抜けなかった」

ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ リタイア)「今日はスタートして1コーナーに差し掛かったころから、徐々にエンジンのパワーが落ち始めていた。いままで、こうしてトラブルでリタイアしたことなど一度もなかったし、とても残念だった。しかし、まだ4レース残っているし、あきらめず全力を尽くしたい。こうしてレースを落とすのは自分だけじゃないかもしれないし、残りのレース、タイトルを取るために全力を尽くしたい」

決勝

スーパーバイク(レース1)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1ジョナサン・レイHonda2040:16.037
2M.ビアッジアプリリア20+2.518
3C.クロッチローヤマハ20+4.071
4S.ギュントーリスズキ20+7.160
5R.シャウスBMW20+8.602
6芳賀紀行ドゥカティ20+11.379
     
13ブロック・パークスHonda20+39.183
RTマックス・ノイキルヒナーHonda0-

スーパーバイク(レース2)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1M.ビアッジアプリリア2040:12.236
2ジョナサン・レイHonda20+4.627
3M.ファブリッツォドゥカティ20+13.600
4J.トーズランドヤマハ20+16.372
5芳賀紀行ドゥカティ20+17.530
6C.チェカドゥカティ20+21.704
     
12ブロック・パークスHonda20+49.270
RTマックス・ノイキルヒナーHonda0-

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1ケナン・ソフォーグルHonda1837:25.108
2J.ラスコルツカワサキ18+0.124
3C.デイビストライアンフ18+7.153
4ジノ・レイHonda18+7.813
5藤原克昭カワサキ18+14.268
6ロビン・ハームスHonda18+24.832
     
7ミゲル・プライアHonda18+30.907
12マッシモ・ロッコリHonda18+40.762
13ダニエル・ブコウスキHonda18+58.901
15トマス・オルベクHonda18+1:05.089
19イムレ・トースHonda17+1Lap
RTバスティン・シェゾーHonda17+1Lap
RTダニーロ・デロモHonda16+2Laps
RTユージェーヌ・ラバティHonda5+13Laps
RTミケーレ・ピロHonda2+16Laps
RTアレクサンダー・ルンドHonda0-
ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ビアッジアプリリア352
2L.ハスラムスズキ284
3ジョナサン・レイHonda203
4C.チェカドゥカティ189
5芳賀紀行ドゥカティ172
6J.トーズランドヤマハ160
 
18マックス・ノイキルヒナーHonda35
20ブロック・パークスHonda9
25ジョシュア・ブルックスHonda2

マニュファクチャラー(スーパーバイク)

順位 ライダー ポイント
1アプリリア358
2スズキ305
3ドゥカティ276
4Honda214
5ヤマハ206
6BMW163
7カワサキ55

ライダー(スーパースポーツ)

順位 ライダー マシン ポイント
1 ケナン・ソフォーグルHonda183
2 J.ラスコルツカワサキ168
3 ユージェーヌ・ラバティHonda161
4 C.デイビストライアンフ113
5 D.サロントライアンフ72
6 ロビン・ハームスHonda71
 
7 ジノ・レイHonda67
9 ミケーレ・ピロHonda58
12 ミゲル・プライアHonda47
13 マッシモ・ロッコリHonda45
14 アレクサンダー・ルンドHonda23
18 バスティン・シェゾーHonda8
19 ダニーロ・デロモHonda7
20 ランス・アイザックHonda5
22 ジャンルカ・ビジエロHonda4
23 ダニエル・ブコウスキHonda3
25 アンドレア・ボスコスクーロHonda3
27 トマス・オルベクHonda1

マニュファクチャラー(スーパースポーツ)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1Honda220
2カワサキ168
3トライアンフ123
4ヤマハ11