round 1

July 10 2010, SUPERPOLE:15:00-(local)/13:00-(JST)
FIM Superbike World Championship Czech Republic
第9戦 チェコ

レイ3番手でフロントローを獲得する

第9戦チェコ大会は、金曜日、土曜日ともに最高気温が31℃を記録。路面温度も2日連続で55℃前後と、今季最も厳しいコンディションとなった。ライダーはもちろん、エンジンにもタイヤにも厳しい2日間。その中で、予選9番手からスーパーポールに進出したジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が好アタックを見せて3番手と、今季3回目のフロントローを獲得した。

フリー、予選と上り調子を感じさせたマックス・ノイキルヒナー(HANNspree Ten Kate Honda)も予選14番手からスーパーポールで11番手に浮上。以下、CBR1000RR勢は、ブロック・パークス(ECHO CRS Grand Prix)が21番手だった。

今季3回目、第5戦イタリア大会以来、4戦ぶりにフロントローに並んだレイは、前戦サンマリノ大会で予選、決勝ともに、今季ワーストリザルトを残している。その雪辱に闘志を燃やすレイは、初日から気合の入った走行を見せた。サンマリノ大会の後に行われたイモラテストでは、この数戦、大きな課題になっていたチャターの対策に取り組み、上々の成果を挙げてチェコ大会を迎えた。

今大会は例年以上の暑さとなり、55℃前後という今季最高の路面温度に全選手が苦しめられたが、レイは、フリー、予選と着実にセットアップを進め、見事フロントローを獲得した。予選では8番手だったが、決勝に向けてロングランをこなしたフリー走行では3番手につける好走。その勢いのまま挑んだスーパーポールでは、SP1で2番手、SP2は7番手と着実に駒を進め、上位8台が競う最終セッションのSP3では、カル・クロッチロー(ヤマハ)、マックス・ビアッジ(アプリリア)に続いて 3番手のタイムをマークした。決勝では、第6戦南アフリカ大会以来の表彰台と今季3勝目が期待される。

チームメートのノイキルヒナーも、今大会は順調にセットアップが進んだ。予選は、初日、2日目ともに14番手だったが、決勝に向けてのアベレージではトップ10内につける安定した走りを見せた。スーパーポールでは2列目も狙えたが、クリアラップが取れず11番手に終わった。しかし、決勝では第4戦オランダ大会の9位をしのぐ今季ベストリザルトを狙う意気込みだ。この数戦、チャターのために厳しいレースを強いられてきた両選手だが、今大会での巻き返しが期待される。

  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • マックス・ノイキルヒナーマックス・ノイキルヒナー
  • ブロック・パークスブロック・パークス
  • ユージェーヌ・ラバティユージェーヌ・ラバティ
  • ケナン・ソフォーグルケナン・ソフォーグル

スーパースポーツは、ホワン・ラスコルツ(カワサキ)がPPを獲得。2番手は藤原克昭(カワサキ)。3番手に総合首位のユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が続き、総合2位のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)予選5番手。前戦サンマリノ大会で今季初PPを獲得したミケーレ・ピロ(HANNspree Ten Kate Honda)が6番手だった。

今大会は、2日間ともに30℃を超す猛暑。2日目に行われたスーパースポーツの予選では、路面温度が59℃を記録し、タイヤに厳しいセッションとなった。その中で、初日2番手につけたラバティは、タイヤのグリップ不足に苦しみながらも着実にセットアップを進めていたが、セッション中盤に痛恨の転倒。3番手にポジションを落としたものの、開幕から9戦連続となるフロントローを獲得した。ソフォーグルとピロは、猛暑の中でフロントタイヤのグリップ不足に苦しみ、それぞれ2列目に終わった。しかし、決勝に向けてのアベレージではフロントローに並んだカワサキ勢とそん色がないため、決勝での巻き返しが期待される。決勝では、ラバティが今季6勝目、ソフォーグルは3勝目、ピロは初優勝を目標に挑む。

コメント

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 3番手)「フロントローを獲得するために、チームはすばらしい仕事をしてくれた。やれることはすべてやってくれた。前回のサンマリノは、予選も決勝も悲惨なリザルトだったし、それを思えば予選3番手は最高の結果になった。サンマリノの後のイモラテストで前進して、それが今回につながった。車体も電子制御も確実に前進している。その結果がフロントロー獲得につながったと思うのだが、勝つためにはまだまだやらなければいけないことがある。今回は、これまでと違う電子制御がうまくいっているが、いくつかの部分で改善していかなければならない。この数戦問題になっていたチャターは今回は問題になっていない。傾向として、今回のように暑くて、タイヤのパフォーマンスが落ちているときは、こういう症状が出ないようだ。明日のレースは本当に厳しいと思う。優勝争いに絡めることを願っている」

マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 11番手)「今日は2列目に並べたと思うのだが、SP2のアタックでクリアラップが取れずタイムをロスし、SP3進出が果たせなかった。とても残念だが、レースタイヤのアベレージでは十分に2列目まで並べるものだったし、そういう走りができたことがうれしい。昨日から今日にかけて、クラッチの調整に集中した。早く向きを変えてアクセルを早く開けるようにするためだが、それが効果的だった。これまで問題になっていたチャターは、今回は特別大きな問題ではない。コースレイアウトがそうさせるのだろうか。スムーズに走らなければならないコースなので、チャターがなくて走りやすかった。とにかく、決勝はいいスタートを切って、今年のベストリザルトを残したい」

ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 3番手)「昨日はリアのグリップに問題を抱え、その対策に時間を費やした。フロントのセッティングを変更することで多少改善されたが、まだまだ完ぺきとは言えなかった。今日は全体的にペースも上がり、いい方向にセッティングは進んだのだが、予選で路面のギャップに乗り上げて転んでしまった。それがなければもう少しよかったと思う。どうして転んでしまったのか、自分のミスに腹が立つけれど、なんとかフロントローに並べてよかった。ミスはあったけれど、レースラップは悪くなかったと思う。明日の決勝では、今日のミスをしっかり生かしたい」

ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 5番手)「フロントローに並べたら言うことはなかったけれど、アタックしているときに、ほとんど転んだんじゃないかと思うほどのスリップをしたので、これ以上は無理だった。転ばずに、こうして2列目に並べてよかった。しかし、前回のサンマリノは2列目からのスタートが影響して、とても苦しいレースになった。今回も2列目になったので、厳しいレースになると思う。とにかく、この2日間は暑くて、タイヤのグリップをうまく引き出せなかった。特にフロントの安定性がなくてブレーキングに苦労している。サンマリノの後のイモラテストでは、とてもいい状態を見つけていただけに残念だ。しかし、優勝争いに絡めるだけの速さはあると思う。ウオームアップでできるだけバイクのセッティングをつめて、ベストを尽くしたい」

ミケーレ・ピロ(スーパースポーツ 6番手)「2日間を通じて、最後までフロントの信頼性を得ることができなかった。ケナン(ソフォーグル)と同じ状態で、特にブレーキング時のグリップに問題を抱えている。前戦サンマリノでは、PPを獲得したが、決勝では転倒してしまった。その後のイモラテストでは、いい状態を見つけたし、サンマリノの雪辱を果たせると思っていた。それだけに、今日の予選の結果には少しがっかりしている。昨年は予選8番手で喜べたが、今年は6番手でも喜べないということから、自分の目標が高くなっていることを感じている。ウオームアップでさらにセットアップをつめて、サンマリノの後に迎えた誕生日を祝いたい」

予選リザルト

スーパーバイク

順位 ライダー マシン タイム
1C.クロッチローヤマハ1:58.018
2M.ビアッジアプリリア1:58.743
3ジョナサン・レイHonda1:59.094
4R.シャウスBMW1:59.135
5S.ギュントーリスズキ1:59.179
6L.スカッサドゥカティ1:59.393
    
11マックス・ノイキルヒナーHonda1:59.829
21ブロック・パークスHonda2:01.463

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン タイム/差
1J.ラスコルツカワサキ2:02.800
2藤原克昭カワサキ+0.017
3ユージェーヌ・ラバティHonda+0.282
4F.フォーレカワサキ+0.393
5ケナン・ソフォーグルHonda+0.597
6ミケーレ・ピロHonda+0.621
    
7ジノ・レイHonda+0.650
9ロビン・ハームスHonda+0.957
10ミゲル・プライアHonda+1.159
14マッシモ・ロッコリHonda+2.049
15アレクサンダー・ルンドHonda+2.704
16バスティン・シェゾーHonda+2.873
18ダニーロ・デロモHonda+3.291
19 トマス・オルベク Honda +3.506
20 ダニエル・ブコウスキ Honda +3.536
24イムレ・トースHonda+7.448