今年で3回目を迎えるソルトレーク・ミラーモータースポーツのアメリカ大会。ロッキー山脈を背景とするすばらしいロケーション、そして中高速コーナーが連続するコースレイアウトは選手たちの評判もよく、過去2年接戦が繰り広げられてきた。21台が参加した今年も予選から厳しい戦いとなり、トップタイムから1秒差以内に13台という接戦。スーパーポールでも厳しいアタック合戦が繰り広げられた。
その厳しい戦いの中、予選12番手でスーパーポールに進出したジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)は、SP1を7番手、SP2も7番手と確実に最終ステージに進出。2戦ぶり、今季3回目のフロントローを狙ったが、ハイサイドで転倒を喫し7番手となった。チームメートのマックス・ノイキルヒナーは、予選17番手でスーパーポール進出を果たし、SP1は15番手でクリアしたものの、SP2で16番手に終わりグリッドが確定。ともに追い上げのレースに挑むことになった。
前戦南アフリカ大会で、予選11番手からすばらしい追い上げを見せ、第2レースで2位になったレイ。このレースでは、今季3勝目を逃したものの、タイトル獲得に向けて弾みがつくレースとなった。南アフリカ大会が開催されたキャラミと同様に、レイはミラー・モータースポーツも得意とし、昨年は3位表彰台に立っている。スーパースポーツに出場していた一昨年はアメリカ大会がなかったため、このサーキットを走るのは2回目となるが、初日のフリー走行で5番手と順調なスタートを切った。1回目の予選では、接戦の中で11番手へポジションを落とした。2日目2回目の予選でも12番手と厳しい順位だったが、2回目のフリー走行では2番手タイムと快調にラップを刻み、決勝に向けて手応えをアピールした。前戦南アフリカ同様、一発のタイムは思うように出ないが、ロングランでは優勝を狙えるハイアベレージを刻んだ。スーパーポールではチャターに苦しみ、最終セッションでは転倒を喫するハプニングもあり7番手だったが、決勝では2列目から今季3勝目を狙う意気込みだ。レイはスーパーポールで転倒した際に自身のバイクと接触、首と胸を打撲したが、幸いにも大きなケガはなかった。
ノイキルヒナーは、初日のフリー走行で9番手とまずまずのスタートを切ったが、予選総合で17番手。スーパーポールではSP2進出を果たしたが16番手。4列目から決勝に挑むことになった。南アフリカ大会同様、今回もコーナーの進入でうまく乗れず、スーパーポールではチャターに苦しんだが、決勝の追い上げに注目したい。
スーパースポーツは、前戦南アフリカ大会を終えて総合首位に浮上したケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)が、2戦ぶり今季3回目のPPを獲得。オランダ大会から、イタリア、南アフリカと3連勝を達成し、今季4勝を挙げて1点差で総合2位につけるユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が2位。ソフォーグルとともに開幕から7戦連続フロントローを獲得した。3番手にホアン・ラスコルツ(カワサキ)、4番手に藤原克昭(カワサキ)が僅差で続いた。以下CBR600RR勢は、ミケーレ・ピロ(HANNspree Ten Kate Honda)が7番手、ロビン・ハームス(Harms Benjan Racing)が9番手だった。
今大会の決勝は、戦没者追悼記念日の休日となった31日月曜日に行われる。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 7番手)「残念な結果だったが、今回もレースに向けてのペースは悪くないので、決勝を楽しみにしている。スーパーポール最後のセッションで、予選タイヤを装着してコースに出たら、チャターがひどかったのでバイクをチェンジした。タイヤをもう一台のバイクに付け換えてみたがあまり変わらず、早々にハイサイドを喫してしまった。首と胸を痛めたが、決勝に向けて問題はない。前回の南アフリカもそうだったが、ロングランはいいのだが、一発のタイムが出ない。バランスをもう少し見直さないといけない。今大会前は、ゴルフをしたり、AMAのモトクロスなどを見てリラックスできた。昨年ここでは表彰台に立っているし、今年もみんなに喜んでもらえるレースにしたい」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 16番手)「金曜日の走り出しのフィーリングは悪くなかったが、今回もあっという間に壁にぶつかってしまった。ブレーキングからコーナーへの進入でうまく走れなかったが、土曜日のフリー・予選と、この問題は解決に向かっていた。しかし、予選では、予選タイヤを入れるとチャターがひどく、タイムを出せなかった。この問題は、オランダ、イタリアではいい方向に向かっていた。前回の南アフリカはうまくいかなかったので、今回はイタリアの状態から、また一歩前進したい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ ポールポジション)「昨日はエンジンブレーキのセッティングに問題を抱えてうまく走れず、タイムも順位も悪かったが、今日は解決してPPを取ることができた。エンジンブレーキの問題は、クラッチの調整でいいフィーリングになった。PPを取れたというより、フロントローからレースに挑めることがうれしい。今回も、ラバティとラスコルツとの厳しい戦いになると思う。咋年はここで優勝しているし、今年もいい結果を残したい。すばらしい仕事をしてくれたチームに感謝している」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 2番手)「すごい接戦になっているし、南アフリカより厳しいレースになると思う。昨日はいいスタートが切れてセッティングも順調に進んだ。このサーキットはグリップが高く、リアのセッティングがタイムにも影響する。決勝に向けてまだまだしなければいけないことがあるし、もう少しアベレージを上げたい。ケナンは昨年ここで勝っているし、ラスコルツも優勝争いに絡んで4位になっている。昨年は2位だったので、今年は優勝を目標にベストを尽くしたい」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | C.チェカ | ドゥカティ | 1:47.081 |
2 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:47.414 |
3 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:47.648 |
4 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 1:47.662 |
5 | L.ハスラム | スズキ | 1:48.006 |
6 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 1:48.035 |
7 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:48.378 |
16 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 1:48.964 |
19 | ブロック・パークス | Honda | 1:50.479 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 1:51.281 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +0.082 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | +0.180 |
4 | 藤原克昭 | カワサキ | +0.250 |
5 | D.サロン | トライアンフ | +0.375 |
6 | C.デイビス | トライアンフ | +0.516 |
7 | ミケーレ・ピロ | Honda | +0.648 |
9 | ロビン・ハームス | Honda | +0.967 |
11 | ジノ・レイ | Honda | +1.027 |
13 | マッシモ・ロッコリ | Honda | +1.723 |
14 | ミゲル・プライア | Honda | +2.091 |
15 | アレクサンダー・ルンド | Honda | +2.202 |
16 | タイラー・オドム | Honda | +3.266 |
17 | バスティン・シェゾー | Honda | +3.937 |