round 1

February 28 2010, RACE:12:00-(local)/10:00-(JST)
FIM Superbike World Championship Australia
第1戦 オーストラリア

レイ、追い上げ届かず
2レースともに惜しくも表彰台に立てず

スーパーバイク世界選手権(WSB)の開幕戦、オーストラリア大会の決勝は、両レースともに厳しい戦いとなり、予選7番手から追い上げのレースに挑んだジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)は、第1レース4位、第2レース6位と、表彰台を惜しくも逃した。チームメートのマックス・ノイキルヒナー(HANNspree Ten Kate Honda)は、予選17番手から第1レース12位、第2レースはオーバーランしたことで大きく順位を下げ、16位まで追い上げるのがやっとだった。ジョシュア・ブルックス(ECHO CRS Honda)は、19位/14位。ヴィットリオ・イアンヌッツォ(S.C.I Honda Garvie Image)は、16位/17位でポイント獲得はならなかった。

両レースで表彰台を逃したレイだったが、両レースともに熱走を見せた。第1レースは、好スタートからトップグループに絡むも、レオン・ハスラム(スズキ)、ミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)、芳賀紀行(ドゥカティ)の3選手からじりじりと後退。その後方で、マックス・ビアッジ(アプリリア)、シルヴァン・ギュントーリ(スズキ)、カルロス・チェカ(ドゥカティ)らと、し烈な2位争いを繰り広げた。終盤は、ビアッジとともに集団から抜け出し一騎打ち。ラスト2周でビアッジを突き放して4位でチェッカーを受けた。表彰台を目標に挑んだ第2レースは、好スタートを切るもオープニングラップのヘアピンでコースアウト、最後尾までポジションを落とす波乱の幕開けとなった。1周目に絶望的なポジションに追いやられたレイだが、そこから猛烈に追い上げて6位でフィニッシュ。フィリップアイランドに集まったファンを沸かせた。

HANNspree Ten Kate Hondaで初のレースとなったノイキルヒナーは、セットアップが決まらないまま予選17番手という厳しいグリッドから決勝を迎えたが、第1レースは12位でフィニッシュ。第2レースは好スタートからビアッジと10番手前後のポジション争いを繰り広げたが、レース前半、ヘアピンでコースアウトを喫して最下位までポジションを落とし、16位まで追い上げるのがやっとだった。不本意なリザルトに終わった今大会だが、ウオームアップより第1レース、そして第2レースと確実にセットアップを前進させたノイキルヒナーだけに、第2戦ポルトガル大会では、レイとともに表彰台を目指す意気込み。両選手の巻き返しに期待したい。

第1レースで優勝したのはハスラム。2位にファブリッツォ。3位に芳賀。第2レースは、チェカ、ハスラム、ファブリッツォが表彰台に立った。

  • ジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイ
  • ユージェーヌ・ラバティ
  • ユージェーヌ・ラバティ
  • ケナン・ソフォーグル
  • ケナン・ソフォーグル

スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、スタートして4周目、コース上にオイルが出たために赤旗中断となり、再スタートとなった。オイル処理のために、長い中断となり、選手たちにとっては厳しい条件となったが、予選4番手から好スタートを切ったユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が、後続を寄せ付けず独走優勝。昨年の最終戦ポルトガル大会から2連勝を飾った。次戦は再び、ポルトガル大会。初めて総合首位に立ったラバティは、初の2連勝に挑む。

その後方では、ケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)とミケーレ・ピロ(HANNspree Ten Kate Honda)の2人と、ホアン・ラスコルツ(カワサキ)、藤原克昭(カワサキ)の4選手がし烈な2位争いを繰り広げた。最終的にラスコルツが2位。赤旗中断の原因になったオイルで転倒したソフォーグルは、その転倒で古傷の左ヒザを痛めてしまうが、再開したレースでは、痛み止めの注射を打っての熱走で3位表彰台に立った。昨年からのオーストラリア大会2連覇は果たせなかったが、次戦ポルトガル大会は得意とするコース。開幕2連勝を狙うラバティとの戦いに闘志を燃やしていた。2位集団に加わったピロは、し烈な2位争いに加わり、集団をリードすることも度々だったが、中盤になってリアタイヤのエアーが抜けるトラブルで、無念のリタイアとなった。

以下、CBR600RR勢は、マッシモ・ロッコリ(Intermoto Czech)が6位、ロビン・ハームス(Harms Benjan Racing)7位、ミゲル・プライア(Parkalgar Honda)9位、ジノ・レイ(Intermoto Czech)10位と、トップ10に6台のCBR600RRが名前を連ねた。

コメント

ジョナサン・レイ (スーパーバイク 4位/6位) 「開幕前にここで行ったテストから、グリップに問題を抱えてきたけれど、こうして決勝レースで4位と6位になれてよかったと思う。特に第1レースは、4位になるためにとてもハードだったし、一時は5台くらいまで膨れあがった4位争いを制することができてよかった。第2レースは、フロントのセッティングを少し変えた影響で、オープニングラップのヘアピンのブレーキングに失敗してコースアウトして大きく遅れてしまった。1周目最下位(22位)だったことを思えば、6位でチェッカーを受けられてよかった。今日は2レースともに表彰台に立てず残念だった。次の大会では、優勝争いに加わって表彰台に立ちたい」

マックス・ノイキルヒナー (スーパーバイク 12位/16位) 「今大会は、テストの段階からあまりいいフィーリングにはならず、ベストな状態にするために全力を尽くした。しかし、最後までうまくいかなかった。今日は、朝のウオームアップで試したことを第1レースに取り入れ、第1レースの結果から第2レースのセッティングを変えた。こうして、少しずつよくなったが、2レースともに、リザルトにはがっかりしている。特に第2レースは、レース序盤に、ビアッジの後ろにいてブレーキングに失敗して大きく遅れてしまった。それでほとんど最後尾まで落ちてしまい、16位まで追い上げるのがやっとだった。次の大会は、いい状態で決勝に挑みたい」

ユージェーヌ・ラバティ (スーパースポーツ 優勝) 「今回は、ラスコルツとソフォーグルとの厳しいレースになると覚悟していたが、思ったよりも簡単に逃げることができた。ベストタイムでは彼らの方が上回っていたが、決勝に向けてアベレージを改善することができたし、それが優勝につながったと思う。チームの努力に、とにかく感謝するばかり。そして、ウイークを通じてすばらしいタイヤを供給してくれたピレリにも感謝したい。今年はよいスタートを切ることができた。次戦のポルティマオは、我々のホームコースなので、すごく楽しみにしている。まだ開幕戦が終わったばかりだが、初めてチャンピオンシップで首位に立った。すごくうれしい」

ケナン・ソフォーグル (スーパースポーツ 3位) 「今日は散々なレースだった。スタートしてすぐにコースアウトを喫し、大きく遅れてレースに戻った後に、今度は、コース上のオイルに乗って転倒してしまった。レースは赤旗中断になったけれど、以前に痛めた左ヒザを痛め、再開したレースは痛み止めの注射を打って走らなければならなかった。今日はとても厳しいレースだった。2位争いは特に激しかったし、終盤、ペースを落としてしまったのも残念だった。次のポルトガルでは、優勝を目指してがんばりたい」

ミケーレ・ピロ (スーパースポーツ リタイア) 「スタートして赤旗が出るまでは、すべて順調だった。しかし、突然、ヘルメットのバイザーがオイルまみれになり、それと同時に転んでしまった。バイクのダメージは大きかったが、なんとか、再スタートすることができた。そして、このときも、2位争いをしていた中盤までは何も問題はなかったのだが、リアタイヤに異常を感じたので仕方なくピットに戻ることにした。タイヤの問題だと思うのだが、エアーが完全に抜けていた。今日は本当にがっかりした」

決勝

スーパーバイク(レース1)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム
1L.ハスラムスズキ2234:13.435
2M.ファブリッツォドゥカティ22+0.004
3芳賀紀行ドゥカティ22+0.769
4ジョナサン・レイHonda22+10.201
5M.ビアッジアプリリア22+10.782
6S.ギュントーリスズキ22+11.079
     
12マックス・ノイキルヒナーHonda22+30.155
16ヴィットリオ・イアンヌッツォHonda22+1:10.932
19ジョシュア・ブルックスHonda16+6Laps

スーパーバイク(レース2)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム
1C.チェカドゥカティ2234:16.428
2L.ハスラムスズキ22+0.307
3M.ファブリッツォドゥカティ22+0.434
4S.ギュントーリスズキ22+0.837
5芳賀紀行ドゥカティ22+3.453
6ジョナサン・レイHonda22+11.530
     
14ジョシュア・ブルックスHonda22+30.947
16マックス・ノイキルヒナーHonda22+48.844
17ヴィットリオ・イアンヌッツォHonda22+1:06.866

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン 周回数 タイム
1ユージェーヌ・ラバティHonda2133:37.836
2J.ラスコルツカワサキ21+4.359
3ケナン・ソフォーグルHonda21+4.500
4D.サロントライアンフ21+11.779
5F.フォーレカワサキ21+17.266
6 マッシモ・ロッコリHonda21+25.034
     
7 ロビン・ハームスHonda21+27.834
9ミゲル・プライアHonda21+31.931
10 ジノ・レイHonda21+31.991
14パオラ・カッツォーラHonda20+1Lap
15ダニーロ・デロモHonda19+2Laps
RTミケーレ・ピロHonda13+8Laps
RTアレクサンダー・ルンドHonda7+14Laps
ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)

順位 ライダー マシン ポイント
1 L.ハスラムスズキ45
2 M.ファブリッツォドゥカティ36
3 C.チェカドゥカティ34
4 芳賀紀行ドゥカティ27
5 S.ギュントーリスズキ23
6 ジョナサン・レイHonda23
 
15 マックス・ノイキルヒナーHonda4
17 ジョシュア・ブルックスHonda2

マニュファクチャラー(スーパーバイク)

順位 ライダー ポイント
1ドゥカティ 45
2スズキ 45
3Honda23
4アプリリア19
5BMW16
6ヤマハ7

ライダー(スーパースポーツ)

順位 ライダー マシン ポイント
1 ユージェーヌ・ラバティHonda25
2 J.ラスコルツカワサキ20
3 ケナン・ソフォーグルHonda16
4 D.サロントライアンフ13
5 F.フォーレカワサキ11
6 マッシモ・ロッコリHonda10
 
7 ロビン・ハームスHonda9
9 ミゲル・プライアHonda7
10 ジノ・レイHonda6
14 パオラ・カッツォーラHonda2
15 ダニーロ・デロモHonda1

マニュファクチャラー(スーパースポーツ)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1Honda25
2カワサキ20
3トライアンフ13