レイが両レースで表彰台獲得。
ランキング5位でシーズンを終える
- 2009年10月25日(日)
決勝
- 会場:アルガベ・インターナショナル・サーキット
天候:晴れ
気温:30℃
コースコンディション:ドライ
スーパーバイク最終戦ポルトガル大会は、終日青空が広がる絶好のコンディションとなり、最高気温は30℃を記録した。まさにシーズン最終戦にふさわしい天候となり、観客のボルテージも上がった。第1レースはベン・スピーズ(ヤマハ)が優勝。2位にジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)。3位にマックス・ビアッジ(アプリリア)。第2レースはミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)が優勝。芳賀紀行(ドゥカティ)2位。3位にはレイが入り、両レースで表彰台に立った。以下、CBR1000RR勢は、予選12番手から追い上げのレースに挑んだカルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)が7位/リタイア。予選5番手のレオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)は、両レースともにリタイア。マシュー・ラグリブ(HANNspree Honda Althea)が9位/13位と両レースでポイントを獲得した。
今大会は、芳賀とスピーズのタイトル争いが注目を集めたが、第1レースで優勝、第2レース5位のスピーズが、芳賀を逆転してタイトルを獲得した。第1レースで転倒リタイア、第2レース2位の芳賀は6点差で総合2位だった。
最終戦で2レースともに表彰台に立ったレイは、両レースでトップグループに加わるすばらしい走りを見せた。第1レースは、PPから猛烈にダッシュしたスピーズをピタリとマーク。ビアッジ、シェーン・バーン(ドゥカティ)との厳しい2位争いを制して、2位でフィニッシュ。第2レースは、ファブリッツォとし烈な優勝争いを繰り広げたが、最終ラップで痛恨のオーバーラン。芳賀に先行されて3位に終わったが、最終戦2レースを見事表彰台で飾った。今年はスーパーバイクに初のフル参戦。第8戦サンマリノ大会で初優勝を達成。8回の表彰台でランキング5位を獲得するなど、来季のタイトル獲得への期待が膨らんだ。
予選12位から追い上げのレースが期待されたチェカは、第1レースはリアのトラクション不足に苦しんで7位。第2レースはセッティングを変更してバイクの状態は改善されたが、トラブルのためにリタイア。総合7位でシーズンを終えた。予選5位から両レースともにトップグループに加わったハスラムは、第1レースはシフトミスで転倒。第2レースはトラブルでリタイアと悔しい結果に終わり、ランキング6位だった。シーズン後半から参戦しているラグリブは、両レースともに追い上げのレースとなり、第1レース9位、第2レース13位だった。
スーパースポーツは、今季初PPから決勝に挑んだユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が、オープニングラップで首位に浮上すると、そのまま独走で今季4勝目を飾った。総合首位のカル・クロッチロー(ヤマハ)との最終戦決着が注目を集めていたが、19点差で首位につけるクロッチローが手堅く4位でフィニッシュしたことで、ラバティはランキング2位となった。2位にソフォーグルが入り、ランキング3位でシーズンを終えた。
以下、CBR600RR勢は、アンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)がランキング6位、アンソニー・ウエスト(Stiggy Motorsport AB)が7位、マーク・エイチソン(HANNspree Honda Althea)が9位と、トップ10にCBR600RR勢5人が入った。今シーズン、惜しくもライダーズ・チャンピオンは逃したものの、Hondaとしては7年連続のマニュファクチャラーズ・チャンピオンを獲得した。
決勝リザルト
スーパーバイク(レース1)
順位 |
ライダー |
マシン |
周回数 |
タイム/差 |
|
|
|
|
|
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 22 | 38:15.390 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 22 | +1.697 |
3 | M.ビアッジ | アプリリア | 22 | +2.113 |
4 | S.バーン | ドゥカティ | 22 | +2.757 |
5 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 22 | +14.753 |
6 | L.カミエル | アプリリア | 22 | +20.044 |
| | | | |
7 | カルロス・チェカ | Honda | 22 | +25.634 |
9 | マシュー・ラグリブ | Honda | 22 | +36.689 |
RT | レオン・ハスラム | Honda | 10 | +12Laps |
RT | V.イアンヌッツォ | Honda | 7 | +15Laps |
スーパーバイク(レース2)
順位 |
ライダー |
マシン |
周回数 |
タイム/差 |
|
|
|
|
|
1 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 22 | 38:19.654 |
2 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 22 | +1.195 |
3 | ジョナサン・レイ | Honda | 22 | +1.494 |
4 | S.バーン | ドゥカティ | 22 | +5.553 |
5 | B.スピーズ | ヤマハ | 22 | +5.842 |
6 | M.ビアッジ | アプリリア | 22 | +7.374 |
| | | | |
13 | マシュー・ラグリブ | Honda | 22 | +35.135 |
RT | レオン・ハスラム | Honda | 8 | +14Laps |
RT | カルロス・チェカ | Honda | 7 | +15Laps |
RT | V.イアンヌッツォ | Honda | 3 | +19Laps |
スーパースポーツ
順位 |
ライダー |
マシン |
周回数 |
タイム/差 |
|
|
|
|
|
1 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 20 | 35:17.044 |
2 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 20 | +3.443 |
3 | G.マッコイ | トライアンフ | 20 | +13.874 |
4 | C.クロッチロー | ヤマハ | 20 | +15.144 |
5 | マーク・エイチソン | Honda | 20 | +16.608 |
6 | M.ピロ | ヤマハ | 20 | +20.008 |
| | | | |
9 | B.ヴェネマン | Honda | 20 | +23.031 |
10 | ミゲル・プライア | Honda | 20 | +24.002 |
11 | アンドリュー・ピット | Honda | 20 | +31.794 |
12 |
M.カルデナス |
Honda |
20 |
+31.811 |
14 | M.ラバティ | Honda | 20 | +33.196 |
17 | D.デロモ | Honda | 20 | +1:08.010 |
19 | F.ジェンティーレ | Honda | 20 | +1:19.080 |
20 | O.フォー | Honda | 20 | +1:22.144 |
RT | M.ロッコリ | Honda | 16 | +4Laps |
RT | A.ボス | Honda | 15 | +5Laps |
RT | S.ロース | Honda | 7 | +13Laps |
ポイントスタンディング
ライダー | スーパーバイク
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 462 |
2 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 456 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 382 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 319 |
5 | ジョナサン・レイ | Honda | 315 |
6 | レオン・ハスラム | Honda | 241 |
|
7 | カルロス・チェカ | Honda | 209 |
11 | 清成龍一 | Honda | 141 |
19 | マシュー・ラグリブ | Honda | 34 |
23 | ジョン・ホプキンス | Honda | 17 |
35 |
トミー・ヒル |
Honda |
6 |
39 |
ロベルト・ロルフォ |
Honda |
3 |
40 |
V.イアンヌッツォ |
Honda |
2 |
42 |
J.ゼンケ |
Honda |
1 |
マニュファクチャラー | スーパーバイク
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 | ドゥカティ | 572 |
2 | ヤマハ | 505 |
3 | Honda | 431 |
4 | アプリリア | 329 |
5 | スズキ | 173 |
6 | BMW | 141 |
ライダー | スーパースポーツ
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 243 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 236 |
3 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 189 |
4 | J.ラスコルツ | カワサキ | 163 |
5 | F.フォーレ | ヤマハ | 123 |
6 | アンドリュー・ピット | Honda | 119 |
|
7 | アンソニー・ウェスト | Honda | 117 |
9 | マーク・エイチソン | Honda | 93 |
11 | M.ロッコリ | Honda | 70 |
13 | B.ヴェネマン | Honda | 58 |
14 | マシュー・ラグリブ | Honda | 45 |
15 | ミゲル・プライア | Honda | 40 |
17 | R.ハームス | Honda | 30 |
18 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 29 |
19 | D.デロモ | Honda | 27 |
22 | M.ラバティ | Honda | 10 |
23 | P.ボスタレク | Honda | 9 |
24 | O.フォー | Honda | 8 |
29 | F.ジェンティーレ | Honda | 5 |
30 |
M.カルデナス |
Honda |
4 |
32 | A.ボス | Honda | 3 |
35 | J.ギュンター | Honda | 1 |
マニュファクチャラー | スーパースポーツ
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 | Honda | 297 |
2 | ヤマハ | 284 |
3 | カワサキ | 186 |
4 | トライアンフ | 114 |
5 | スズキ | 30 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 2位/3位 ランキング5位)
「第1レースで2位、第2レースで3位と両方で表彰台に立てた。シーズンを通じて最もリザルトのいいレースになった。第2レースはファブリッツォとすばらしいバトルができた。総合ポイントでもビアッジに接近していたし、とにかく、シーズン最後のレースを優勝で飾ろうと全力を尽くした。ファブリッツォとの戦いは最高だった。最終ラップにオーバーランして優勝のチャンスを逃したが、ベストを尽くせたと思う。今年はシーズン中盤まで思うようなレースができなかったが、後半はリズムに乗れた。1年目のシーズンで優勝できたし、総合5位にもなれた。来年のシーズンが本当に楽しみだ」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 7位/リタイア ランキング7位)
「予選まで抱えていた問題が決勝になっても解消せず、第1レースはフラストレーションがたまる戦いだった。そこで第2レースはサスペションのセッティングを変えて、リアタイヤもソフトに変えた。それでフィーリングはかなり改善されたが、トラブルが出てリタイアしなければならなかった。今年は自分にとって貴重な経験ができた一年だった。チーム、スタッフに感謝したい。そして、タイトルを獲得したベン(スピーズ)におめでとうと祝福の言葉を送りたい」
マシュー・ラグリブ(スーパーバイク 9位/13位 ランキング19位)
「厳しいレースになり、2レースともに完走できたことには満足しているが、昨日まで抱えていたリアのグリップ不足が最後まで解消せず、フラストレーションのたまる走りだった。両レースともにスタートに失敗したことも影響した。そのため追い上げのレースになってしまった」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 優勝 ランキング2位)
「今回は、PPを獲得して決勝でも勝つことができた。ファステストラップはほかの選手に取られてしまったが、今日は完ぺきなレース運びができた。後ろにいるケナン(ソフォーグル)とのリードを広げた後も、彼のサインボードを見ながら走った。6秒離れても彼はペースを緩めようとしなかったし、最後まで集中しなければならなかった。ここで行ったテストの成果が出たレースだった。チャンピオンシップはわずかに届かず2位に終わったが、初めてのシーズンでチャンピオン争いができたことには満足している」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 2位 ランキング3位)
「今回は総合3位をキープするのが大きな目標だったが、3位争いをするラスコルツ(カワサキ)が止まったときに、その目標を果たすことができた。ラバティには終盤追いつくことができたが、ペースを上げるタイミングが遅かった。今年はシーズンを通じて満足できるものではなかったが、今年のデータを生かし、来年はタイトルを取りたい」
マーク・エイチソン(スーパースポーツ 5位 ランキング9位)
「今日はギアが入りにくいというトラブルがあって、思うような走りができなかった。フラストレーションのたまるレースだったが、5位でチェッカーを受けられてよかった。シーズンを振り返ってみれば、表彰台にも立てたし、トップグループで戦えるレースもあって満足のいくものだった」
アンドリュー・ピット(スーパースポーツ 11位 ランキング6位)
「決勝レースに向けてセッティングを変えたが、あまりいい方向にはいかなかった。今週は全体的にセットアップに苦しんでしまった。ランキングも6位と厳しい一年になってしまったが、全力を尽くしてくれたチームとスタッフ、そしてスポンサーには感謝している」