第14戦ポルトガル大会が、23日にポルトガル南部のポルティマオで開幕し、ベン・スピーズ(ヤマハ)がPPを獲得。シェーン・バーン(ドゥカティ)、ミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)と続き、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が4番手でフロントローを獲得した。
今大会は26台が出場。予選上位20台までの選手で繰り広げられるスーパーポールに、4台のCBR1000RR勢が進出。レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)5番手、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)12番手、マシュー・ラグリブ(HANNspree Honda Althea)17番手という結果だった。前戦フランス大会で右鎖骨を骨折、手術を受けて復帰した清成龍一(Ten Kate Honda Racing)は、初日の走行を終了して欠場を決めた。
5戦連続今季7回目のフロントロー獲得となったレイは、初日からすばらしい走りを見せた。1回目のフリー走行では1秒差以内に14台という大接戦の中で9番手だったが、予選では一気にタイムを上げて首位に浮上。2日目2回目の予選でもさらにタイムを短縮、圧倒的な速さでスーパーポール進出を果たした。
好調な走りを見せるレイは、スーパーポール直前に行われる2回目のフリー走行でもトップタイムをマーク。スーパーポールでも、SP1で首位、SP2で2番手、そして上位8台で行われるSP3で4番手と安定した速さを見せて、フロントローを獲得した。この日は、PPを狙える走りをしていたが、クリアラップが取れず痛恨のタイムロス。今季2回目のPPは逃したが、一躍、優勝候補の一角に浮上した。
5番手につけたハスラムも、フリー走行、予選と安定した走りで常にシングルをキープ。スーパーポールでは、SP1、SP2と予選タイヤを使う作戦でSP3進出を果たし、SP3では中古の予選タイヤで5番手につけた。
チームメートのチェカも、フリー走行、予選と常に上位につける快走を見せたが、スーパーポールでアタックが決まらず、SP3進出を逃し12番手。しかし、レースタイヤのアベレージでは、トップグループに加われる走りをしているだけに、追い上げのレースに期待が膨らむ。
前戦フランス大会の第2レースで転倒、右鎖骨を骨折、手術を受けて最終戦に復帰した清成は、初日のフリー走行で14番手につけるも、わずか2週間のインターバルで痛みがひどいことから欠場することを決めた。
スーパースポーツは、タイトル争いをするユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が、今季初のPPを獲得。ケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)が4番手と、2台のCBR600RR勢がフロントローを獲得した。総合トップのカル・クロッチロー(ヤマハ)を19点差で追うラバティは、今季10回目のフロントローを獲得。絶好のグリッドから逆転チャンピオン獲得に挑むことになった。
ソフォーグルは2回のフリー走行でトップタイム。予選では4番手に終わるも好調な走りで、ポルティマオ2年連続制覇に向けて自信を見せた。以下、地元大会に闘志を燃やすミゲル・プライア(Parkalgar Honda)7番手、マーク・エイチソン(HANNspree Honda Althea)9番手、バリー・ヴェネマン(Honda)10番手と、トップ10に5台CBR600RR勢が名前を連ねた。アンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)は11番手だった。
順位 | ライダー | マシン | タイム |
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:42.412 |
2 | S.バーン | ドゥカティ | 1:42.996 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:43.015 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:43.126 |
5 | レオン・ハスラム | Honda | 1:43.523 |
6 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:43.526 |
12 | カルロス・チェカ | Honda | 1:43.461 |
17 | マシュー・ラグリブ | Honda | 1:44.453 |
23 | V.イアンヌッツォ | Honda | 1:45.518 |
24 | 清成龍一 | Honda | 1:45.676 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 1:44.836 |
2 | C.クロッチロー | ヤマハ | +0.073 |
3 | M.ピロ | ヤマハ | +0.251 |
4 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +0.321 |
5 | J.ラスコルツ | カワサキ | +0.325 |
6 | G.マッコイ | トライアンフ | +0.530 |
7 | ミゲル・プライア | Honda | +0.600 |
9 | マーク・エイチソン | Honda | +1.050 |
10 | B.ヴェネマン | Honda | +1.216 |
11 | アンドリュー・ピット | Honda | +1.236 |
13 | M.ロッコリ | Honda | +1.607 |
15 | M.カーディナス | Honda | +1.778 |
16 | M.ラバティ | Honda | +2.117 |
17 | S.ロース | Honda | +2.309 |
19 | O.フォー | Honda | +3.420 |
21 | D.デロモ | Honda | +3.602 |
22 | A.ボス | Honda | +3.664 |
24 | F.ジェンティレ | Honda | +4.411 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 4番手)
「今回は2日間を通じて順調だった。セットアップも着実にできた。フリー走行、予選、スーパーポールとすべて順調だったが、SP3のアタックは、スローライダーに引っかかってタイムをロスしてしまった。途中まではベストタイムを刻んでいたので、PPを取れなくて残念だった。でも、今回は、予選タイヤよりレースタイヤの方がフィーリングもよくて、レースに向けていい状態ができたと思う。タイムも接近しているし、明日のレースは大接戦になると思う。とにかく楽しみでしかたがない」
レオン・ハスラム(スーパーバイク 5番手)
「2日間ともにまずまずの内容だった。スーパーポールは、予選タイヤを使い切った状態でSP3を迎えていた。それで5番手につけることができた。正直、順位はもっと悪いと思っていたし、2列目というのは変わらないが、うれしかった。最終戦なので、明日のレースはベストを尽くしたい」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 12番手)
「レースタイヤでは、どのセッションも気持ちよく走れたのだが、予選タイヤのアタックがうまくいかなかった。レースペースでは楽にトップ5につけられたが、予選タイヤのアタックでは、SP3進出のベスト8に残ることもできなかった。グリッドは3列目になってしまったが、決勝レースに向けてあまり心配はしていない。フリー走行や予選の走りができれば十分に追い上げることができると思っている」
清成龍一(スーパーバイク 欠場)
「最終戦ということでどうしても走りたかったが、痛みがひどく、チーム、医者と相談して欠場することにした。Hondaとチーム、そしてスポンサーに申し訳ない気持ちでいっぱいです。こんな形でシーズンを終わるのは本当に残念だし、悔しい。来季に向けてしっかりと身体を治したい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ ポールポジション)
「先週のテストでよいテストができていたし、それを今季初のPPにつなげることができてうれしい。最終戦でタイトルを獲得できるかどうかよりも、中盤以降、7戦も勝っていないし、今は優勝することに全力を傾けたい。決勝は、カル(クロッチロー)がどういうレースをするか大体想像できるが、自分にできることは勝つことだけ。ベストを尽くしたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 4番手)
「午前中のフリー走行は完ぺきだった。1分44秒台で快適にラップできたし、最高の状態だった。しかし、予選はグリップが悪くて、フリー走行のように快適ではなかった。その後、タイヤを替えてみたのだが、それも結果的によくなかった。でも、フロントローに並べたし、決勝に向けて自信はある。最終戦なのでベストを尽くし、総合3位をキープしたい」