第13戦フランス大会は、ベン・スピーズ(ヤマハ)がPPを獲得。スピーズとし烈なPP争いを繰り広げたジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が2番手。以下、ミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)、マックス・ビアッジ(アプリリア)と続き、CBR1000RR勢は、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)6番手、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)12番手。清成龍一(Ten Kate Honda Racing)は金曜日のフリー走行の転倒の影響で17番手に終わった。
シーズン中盤戦から上り調子のレイが、マニクールでも快走を見せた。初日のフリー走行でトップタイムをマークすると、その後に行われた1回目の予選でも、暫定PPを獲得したファブリッツォとわずか0.051秒差の2番手。2日目2回目の予選では、ファブリッツォ、スピーズ、芳賀紀行(ドゥカティ)に続いて4番手だったが、2回目のフリー走行では再びトップタイムをマーク。万全の状態でスーパーポール進出を果たした。
勢いに乗るレイは、上位20台で行われたSP1で2番手。16台に絞られたSP2でも2番手でSP3進出を果たし、最終セッションでも、スピーズとし烈なトップタイム争いを繰り広げ、サーキットに詰めかけたファンを沸かせた。前戦イタリア・イモラ大会では、予選の好調を決勝につなげられず悔しいレースに終わっている。今大会は、その雪辱を果たしたい。安定性ではライバルを圧倒するレイ。4戦連続フロントローから今季2勝目を狙う。
6番手につけたハスラムも、好調な走りを見せた。初日のフリー走行で2番手と好調なスタートを切ると、予選では5番手でスーパーポール進出を果たす。さらに、2回目のフリー走行でも6番手と常に上位につけると、SP1ではトップタイムをマーク。SP2を7番手でクリアすると、最終セッションでも6番手につけた。この3戦、表彰台から遠ざかっているハスラム。今大会は、4戦ぶりの表彰台獲得に向け気合を入れている。
一方、初日のフリー走行で4番手、1回目の予選でも5番手とまずまず好調なスタートを切ったチェカは、2日目はセッティングが決まらず12番手へとポジションを落とした。また、初日のフリー走行で転倒、右肩を痛めた清成は、この日、痛み止めの注射を打ちながらの苦しい走りを強いられ、予選17番手。スーパーポールでもSP2進出を果たせず17番グリッドが確定した。こうして、厳しい走りを強いられたチェカと清成だが、両選手ともに、追い上げのレースに闘志を燃やしている。
スーパースポーツは、カル・クロッチロー(ヤマハ)がPPを獲得。ホアン・ラスコルツ(カワサキ)が2番手。その2人とPPを争ったケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)が3番手、ユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)4番手とCBR600RR勢の2人がフロントローに並んだ。以下、8番手にマーク・エイチソン(HANNspree Honda Althea)、9番手にアンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)と4台のCBR600RR勢がトップ10に入った。前戦イタリア・イモラ大会で今季3勝目を挙げたソフォーグル。今大会も全セッションを通じて好ラップを刻み、今季初の2連勝が期待される。総合2位で、首位のクロッチローを2点差で追うラバティも4番手。逆転チャンピオンに向けて絶好のグリッドを獲得した。
順位 | ライダー | マシン | タイム |
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:37.709 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:38.191 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:38.196 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:38.235 |
5 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 1:38.365 |
6 | レオン・ハスラム | Honda | 1:38.625 |
12 | カルロス・チェカ | Honda | 1:38.924 |
17 | 清成龍一 | Honda | 1:39.816 |
25 | F.ジェンティーレ | Honda | 1:41.495 |
26 | V.イアンヌッツォ | Honda | 1:41.763 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:40.980 |
2 | J.ラスコルツ | カワサキ | +0.166 |
3 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +0.273 |
4 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +0.582 |
5 | M.ピロ | ヤマハ | +0.740 |
6 | F.フォーレ | ヤマハ | +0.963 |
8 | マーク・エイチソン | Honda | +1.156 |
9 | アンドリュー・ピット | Honda | +1.196 |
11 | マシュー・ラグリブ | Honda | +1.591 |
12 | B.ヴェネマン | Honda | +1.598 |
13 | ミゲル・プライア | Honda | +1.600 |
14 | M.ロッコリ | Honda | +1.668 |
16 | アンソニー・ウェスト | Honda | +1.974 |
17 | M.ラバティ | Honda | +2.125 |
18 | A.ボス | Honda | +2.426 |
19 | O.フォー | Honda | +2.460 |
25 | S.ロウズ | Honda | +3.657 |
26 | D.デロモ | Honda | +4.417 |
27 | J.ギュンター | Honda | +4.538 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパー・バイク 2番手)
「今日はとても気持ちよく走れた。いいペースだったこともわかっていたが、まさか、PP争いをしているとは思わなかった。しかし、今日はベン(スピーズ)がとても速かったので、明日はベンと優勝争いができたらいい。チームは全力でいいバイクに仕上げてくれているし、本当にいい状態にあると思う。レースに向けてアベレージもいい。コースのいくつかのポイントでは、すごくいい走りができている。明日の決勝が楽しみだ」
レオン・ハスラム(スーパー・バイク 6番手)
「今日の予選は、全体的にとてもよかった。SP1はレースタイヤでいいタイムを刻めた。SP2は、最初の予選タイヤでクリアラップを取れず、仕方なく2本目を使わなくてはいけなかった。そのためSP3は中古の予選タイヤでアタックしたのだが、それでも6番手のタイムを出すことができた。今回は最低でも2列目に並びたいと思っていたので、目標を達成した。明日はいいスタートを切って、いいレースをしたい」
カルロス・チェカ(スーパー・バイク 12番手)
「昨日、今日とセッティングが決まらずフラストレーションがたまった。予選タイヤでもいいラップを刻めなかった。どのコーナーも気持ちよく走れず、いいポイントも見つけられなかった。このままでは決勝を戦えないので、ウオームアップでなんとかセットアップを進めたい」
清成龍一(スーパー・バイク 17番手)
「昨日の転倒で痛めた右肩が痛く、今日は痛み止めの注射を打って走った。フリー走行も予選も思うように走れず、残念だった。昨日、走り出しから調子がよかったのだが、高速コーナーで転倒し、グラベルを転がったときに肩を痛めた。骨折はなく、昨日の予選は痛み止めなしで走ったが、今日は痛み止めがなければ走れなかった。明日まで、少しでも肩の状態をよくして決勝に挑みたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 3番手)
「前回のイモラよりも好調な2日間だった。何度かミスはしたけれど、アベレージもよかった。今日は違う種類のタイヤを試し、そのためにちょっとリズムを崩してしまった。アタックのときもクリアラップが取れず不完全燃焼だったが、レースに向けて内容はよく、今回も自信がある。バイクの状態はどんどんよくなっているし、明日は優勝を狙いたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 4番手)
「セッション終盤にかけてバイクの状態がよくなって、最終的にフロントローに並ぶことができた。今日は、ブレーキングとコーナーの進入でフィーリングがよくなくて、それを改善するために全力を尽くした。フロントのセッティングをソフト方向にしたことで格段によくなった。決勝に向けてさらにペースを上げようと思っている。明日のウオームアップで最後のセットアップに集中したい。タイトル争いのプレッシャーはない。プレッシャーがあるとすれば、自分よりもクロッチローの方だと思う」
アンドリュー・ピット(スーパースポーツ 9番手)
「今日の予選は、クリアラップがまるで取れずフラストレーションがたまった。しかし、レースラップは悪くないし、セクションごとのベストタイムでは、もっと上の順位だった。確かに、ケナン(ソフォーグル)ほどのレースラップは刻めていないが、彼との差も徐々に縮まっている。バイクの状態はよくなっているし、明日の決勝は、今日よりもよくなっているはずだ」