第12戦イタリア・イモラ大会の予選は、終日、青空が広がる絶好のコンディションとなり、地元ファンの声援を受けたミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)がPPを獲得。2番手にベン・スピーズ(ヤマハ)。その2人とし烈なPP争いを繰り広げたジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が3番手につけた。4番手に芳賀紀行(ドゥカティ)。以下、スーパーポール進出を果たしたCBR1000RR勢は、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)10番手、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)13番手、清成龍一(Ten Kate Honda Racing)14番手、マシュー・ラグリブ(HANNspree Honda Althea)15番手だった。
3年ぶりの開催となったイモラ。ピットビル全面改修のために、最終コーナーのシケイン部分が改修された。そのため、従来の4.959kmから4.936kmとコースが短縮された。初日は、一週間前に開催された4輪レースの影響で路面のグリップが低下、路面の洗浄のために大幅に進行が遅れた。このため、スーパーバイクの予選がキャンセルされ、スーパーバイクとスーパースポーツのフリー走行だけが行われた。2日目は予定通り、全クラスの走行が行われた。
CBR1000RR勢でトップタイムをマークしたレイは、初日のフリー走行で4番手と、まずまずのスタートを切った。2日目の予選では何度も首位に立つ好走を見せて2番手。スーパーポール直前に行われた2回目のフリー走行ではトップタイムをマークした。スーパーポールでは、SP1、SP2を難なくクリア。上位8台で競われたSP3では、ファブリッツォ、スピーズとし烈なPP争いを繰り広げ3番手だった。シーズン終盤に入って調子を上げているレイは、第8戦サンマリノ大会でSB初優勝を達成。第10戦チェコ大会で3位、第11戦ドイツ大会で今季2勝目。今大会は2戦連続優勝の今季3勝目が期待される。
総合ランクで6番手につけるハスラムは10番手から決勝に挑む。今大会は、初日のフリー走行で7番手。2日目の予選では、トップから1秒差以内に11台という接戦の中で11番手につけた。スーパーポールでは、SP1で3番手と好位置につけたが、SP2でアタックに失敗、わずかの差でSP3進出を逃した。しかし、決勝に向けてのロングランでは好調な走りを見せているだけに、3戦ぶり今季5回目の表彰台も近い。
第10戦チェコ大会で2位。第11戦ドイツ大会で2レース連続3位と、調子を上げているチェカは、予選9番手でスーパーポールに進出したが、スーパーポールでは電気系のトラブルで満足のいくアタックができず13番手に終わった。清成は初日のフリー走行で21番手と出遅れたが、2日目の予選で8番手と調子を上げてスーパーポールに挑んだ。SP1は難なくクリアしたが、SP2では予選タイヤのパフォーマンスをフルに発揮できず14番手。チェカとともに、追い上げのレースに挑むこととなった。以下、CBR1000RR勢は、ラグリブ15番手、ビットリオ・イアンヌッツォ(Honda)27番手だった。
スーパースポーツは、カル・クロッチロー(ヤマハ)がPPを獲得。2番手にケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)、4番手にマッシモ・ロッコリ(Honda)とフロントローに2台のCBR600RRが並んだ。以下、6番手にマーク・エイチソン(HANNspree Honda Althea)、総合2番手で逆転チャンピオンを狙うユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が7番手、9番手にアンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)と、トップ10に5台のCBR600RRが名を連ねた。
CBR600RR勢トップのソフォーグルは、フリー走行、予選ともにクロッチローに後れを取ったが、ロングランではクロッチローに引けを取らないラップを刻んだ。この数戦、調子を落としていたソフォーグル。前戦ドイツ大会で上り調子のきっかけをつかみ、今大会は、それをリザルトに反映させた。決勝では5戦ぶり今季3勝目の期待が膨らむ。地元の声援を受けたロッコリは4戦ぶり今季2回目のフロントローを獲得した。総合2位、22点差でクロッチロー(ヤマハ)を追うラバティは、セッティングが決まらず7番手となるも、決勝に向けて闘志満々だ。
順位 | ライダー | マシン | タイム |
1 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:47.735 |
2 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:47.778 |
3 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:47.834 |
4 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 1:47.885 |
5 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 1:48.156 |
6 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:48.665 |
10 | レオン・ハスラム | Honda | 1:48.992 |
13 | カルロス・チェカ | Honda | 1:49.168 |
14 | 清成龍一 | Honda | 1:49.340 |
15 | マシュー・ラグリブ | Honda | 1:49.641 |
27 | V.イアンヌッツォ | Honda | 1:52.821 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:50.680 |
2 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +0.580 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | +1.275 |
4 | M.ロッコリ | Honda | +1.600 |
5 | G.マッコイ | トライアンフ | +1.720 |
6 | マーク・エイチソン | Honda | +1.763 |
7 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +1.919 |
9 | アンドリュー・ピット | Honda | +2.176 |
13 | ミゲル・プライア | Honda | +2.612 |
14 | D.デロモ | Honda | +2.621 |
15 | アンソニー・ウェスト | Honda | +2.873 |
16 | B.ヴェネマン | Honda | +2.877 |
17 | M.ラバティ | Honda | +3.092 |
18 | R.ハームス | Honda | +3.103 |
19 | S.ロウズ | Honda | +3.422 |
22 | F.ジェンティーレ | Honda | +4.729 |
23 | O.フォー | Honda | +4.889 |
24 | A.ボス | Honda | +5.094 |
28 | J.ギュンター | Honda | +8.393 |
30 | G.イルウィン | Honda | +9.152 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 3番手)
「今日は予選タイヤのパフォーマンスを十分に出しきることができなかった。しかし、レース用タイヤのペースはよく、決勝に向けて準備はできた。この数戦、バイクの状態は確実によくなっている。今回もいろいろトライすることができた。とにかく、すばらしいバイクに仕上げてくれたチームとスタッフに感謝したい」
レオン・ハスラム(スーパーバイク 10番手)
「SP2でアタックに失敗してSP3に進出できず残念だった。最初のアタックはコース序盤で、次のアタックもコース終盤でミスしてしまった。本当にわずかの差でベスト8を逃してしまった。しかし、レースタイヤのペースは悪くないし、この2日間のバイクの仕上がりには満足している。明日に向けて改善できる部分もあるので、決勝が楽しみだ」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 13番手)
「フリー、予選とすべてのセッションでトップ10、トップ5といい走りができていた。SP1は難なく通過したが、SP2では電気系が完ぺきには作動せず、いくらかタイムをロスしてしまった。決勝に向けてこの問題を解決しなければならないし、13番グリッドからのスタートになるので、2レースともにいいスタートを切らなければならない。ここはポジションを上げていくのが厳しいサーキットだが、決勝に向けてさらにペースを上げられるようにウオームアップでトライしたい」
清成龍一(スーパーバイク 14番手)
「今回は、初日のフリー走行でセッティングに失敗して出遅れたが、2日目はいい感じでセットアップを進めることができた。確実によくなっていると思うし、走っているフィーリングも悪くない。しかし、まだ完ぺきに攻められる状態ではないし、新品でもユーズドタイヤでもタイムが変わらなかった。まだ、タイヤのグリップを生かせるところまでセットアップができていないが、明日の決勝では、1つでも上のポジションでフィニッシュしたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 2番手)
「今回は走り出しからいい状態でタイムも大幅に短縮することができた。フィーリングはよく、周回するごとにペースを上げることができた。前回のドイツは、厳しいレースになってしまったが、今回は見違えるような状態に仕上がった。がんばってくれたチーム、スタッフに感謝したい。一発のタイムではクロッチローにリードを広げられたが、ロングランのアベレージでは、クロッチローと比べても悪くない。明日のレースがすごく楽しみだ」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 7番手)
「いいセットアップを見つけるために全力で取り組んでいるが、なかなか思うようにいかなかった。フロントのセッティングが決まらず、ブレーキングに苦労している。明日の決勝でトップグループに加わるには1分51秒台のペースで走らなければならない。明日のウオームアップまでに、いい状態を見つけたい。7月のテストのときより気温も路面温度も低く、そのデータを生かせなかったのが辛かった」