レイが今季2勝目を達成。チェカが両レースで3位
- 2009年9月6日(日)
決勝
- 会場:ニュルブルクリンク・サーキット
天候:曇り/雨
気温:16℃
コースコンディション:ドライ
第11戦ドイツ大会は、雲の多い一日となり、時折小雨が降る不安定な天候となった。しかし、両レースともにドライコンディションで行われ、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が第1レースで4位、第2レースで今季2勝目を達成、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)が第1レース、第2レースともに3位表彰台に立つ活躍だった。以下、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)6位/5位。清成龍一(Ten Kate Honda Racing)14位/7位。マシュー・ラグリブ(HANNspree Honda Althea)が第1レースで11位、ビットリオ・イアンヌッツォ(Honda)が第2レースで15位と、それぞれポイントを獲得した。
今季2回目の予選2番手と、ベストグリッドから決勝に挑んだレイは、第1レースは芳賀紀行(ドゥカティ)、ベン・スピーズ(ヤマハ)とともにトップグループを形成したが、コース前半でタイムを上げられず苦戦。終盤は、追い上げてきたチームメートのチェカとし烈なバトルを繰り広げ、惜しくも4位だった。しかし、第2レースは快走を見せる。オープニングラップこそ5番手と出遅れたが、2周目に3番手。4周目に前を走る芳賀とチェカをかわしてトップに浮上。そのまま首位をキープして、第8戦サンマリノ大会以来となる2勝目を挙げた。これで総合4位は変わらずも、総合3位で今大会7位/9位のミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)との差を45点へと縮めた。
前日の予選で体調を崩していたチェカが、決勝では見違える走りを見せた。第1レースはスタートで出遅れたが、周回を重ねるごとに快調にラップを刻んでポジションを上げた。そして中盤では3番手を走るレイの背後に迫り、ラスト5周でレイを抜いて3番手に浮上すると3位でフィニッシュ。前戦チェコ大会から2戦連続、今季3回目の表彰台に立った。勢いに乗ったチェカは、第2レースは好スタートを切り、序盤にトップに立つ快走を見せる。その後、レイとスピーズの優勝争いからやや遅れるも3位でフィニッシュ。2レース連続、今季4回目の表彰台に立つ活躍で、総合8位から7位へと1つポジションを上げた。
予選3番手、今季2回目のフロントローから決勝に挑んだハスラムは、両レースともにトップグループを追走する位置で6位、5位と健闘した。予選18位と厳しいグリッドから決勝に挑んだ清成は、第1レースはスタートが決まらず、追い上げもできず14位と悔しいレースに終わったが、第2レースはすばらしい追い上げで7位でフィニッシュした。前戦チェコ大会からサスペンションをオーリンズに変更。新しいサスペンションとのマッチングに苦しんできた清成だが、やっと本来の走りに近づいてきたことを感じさせる走りだった。
スーパースポーツは、ポールポジションからスタートしたカル・クロッチロー(ヤマハ)が優勝。予選3番手のユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が2位。そのラバティと最終ラップまでバトルを繰り広げたホアン・ラスコルツ(カワサキ)が3位。以下、マッシモ・ロッコリ(Honda)4位、マーク・エイチソン(HANNspree Honda Althea)6位、アンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)7位、9位ロビン・ハームス(Honda)、10位ダニロ・デロモ(Honda)と、優勝こそ逃したがトップ10に6台のCBR600RR勢が名前を連ねた。
CBR600RR勢最上位のラバティは、今季7回目の表彰台に立った。総合首位で今大会優勝のクロッチローにリードを広げられたが、その差は22点。残り3戦の戦いに大きな注目が集まっている。予選2番手から決勝に挑んだケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)は、優勝したクロッチローをピタリとマークして2番手を走行したが、断続的に降る小雨の中でスリップダウンを喫し、惜しくもリタイアに終わった。
決勝リザルト
スーパーバイク(レース1)
順位 |
ライダー |
マシン |
周回数 |
タイム/差 |
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1 | B.スピーズ | ヤマハ | 20 | 39:04.818 |
2 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 20 | +3.850 |
3 | カルロス・チェカ | Honda | 20 | +6.990 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 20 | +7.109 |
5 | M.ビアッジ | アプリリア | 20 | +12.825 |
6 | レオン・ハスラム | Honda | 20 | +13.243 |
| | | | |
11 | マシュー・ラグリブ | Honda | 20 | +27.388 |
14 | 清成龍一 | Honda | 20 | +31.188 |
RT | V.イアンヌッツォ | Honda | 6 | +14Laps |
NS | ジョン・ホプキンス | Honda | 0 | - |
スーパーバイク(レース2)
順位 |
ライダー |
マシン |
周回数 |
タイム/差 |
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1 | ジョナサン・レイ | Honda | 20 | 39:01.561 |
2 | B.スピーズ | ヤマハ | 20 | +0.786 |
3 | カルロス・チェカ | Honda | 20 | +4.993 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 20 | +8.191 |
5 | レオン・ハスラム | Honda | 20 | +10.907 |
6 | T.コルサー | BMW | 20 | +17.152 |
| | | | |
7 | 清成龍一 | Honda | 20 | +19.473 |
15 | V.イアンヌッツォ | Honda | 20 | +49.549 |
RT | マシュー・ラグリブ | Honda | 1 | +19Laps |
スーパースポーツ
順位 |
ライダー |
マシン |
周回数 |
タイム/差 |
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1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 19 | 37:56.481 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 19 | +10.109 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | 19 | +10.250 |
4 | M.ロッコリ | Honda | 19 | +31.980 |
5 | F.フォーレ | ヤマハ | 19 | +34.575 |
6 | マーク・エイチソン | Honda | 19 | +34.724 |
| | | | |
7 | アンドリュー・ピット | Honda | 19 | +36.352 |
9 | R.ハームス | Honda | 19 | +38.871 |
10 | D.デロモ | Honda | 19 | +52.944 |
11 | ミゲル・プライア | Honda | 19 | +54.368 |
12 | B.ヴェネマン | Honda | 19 | +1:00.679 |
13 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 19 | +1:09.096 |
15 | アンソニー・ウェスト | Honda | 19 | +1:18.979 |
16 | S.ロウズ | Honda | 19 | +1:20.167 |
18 | M.ラバティ | Honda | 19 | +1:23.973 |
19 | J.ギュンター | Honda | 19 | +1:24.785 |
21 | A.ボス | Honda | 19 | +1:32.556 |
RT | ケナン・ソフォーグル | Honda | 12 | +7Laps |
ポイントスタンディング
ライダー | スーパーバイク
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
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1 | B.スピーズ | ヤマハ | 364 |
2 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 346 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 289 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 244 |
5 | M.ビアッジ | アプリリア | 224 |
6 | レオン・ハスラム | Honda | 201 |
|
7 | カルロス・チェカ | Honda | 177 |
11 | 清成龍一 | Honda | 130 |
19 | マシュー・ラグリブ | Honda | 24 |
20 | ジョン・ホプキンス | Honda | 17 |
31 | トミー・ヒル | Honda | 6 |
34 | ロベルト・ロルフォ | Honda | 3 |
36 | V.イアンヌッツォ | Honda | 2 |
38 | J.ゼンケ | Honda | 1 |
マニュファクチャラー | スーパーバイク
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
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1 | ドゥカティ | 439 |
2 | ヤマハ | 407 |
3 | Honda | 347 |
4 | アプリリア | 231 |
5 | スズキ | 143 |
6 | BMW | 105 |
ライダー | スーパースポーツ
マニュファクチャラー | スーパースポーツ
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
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1 | ヤマハ | 235 |
2 | Honda | 231 |
3 | カワサキ | 149 |
4 | トライアンフ | 85 |
5 | スズキ | 30 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 4位/優勝)
「第1レースは本当にがっかりした。トップとのギャップをどうしたら埋められるのか、チーム全体で話し合った。特に3コーナーがうまく走れず、これが原因でレースを台無しにしていた。そのため、第2レースに向けて、どうしたら上手に回れるかを考え、ミスをせずに終盤戦まで走りきることにした。序盤、芳賀と接触したのは、彼がワイドなラインを取り、自分がインに入ったためだった。接触して転倒した芳賀には申し訳なかった。その後、スピーズとの戦いになったが、彼は前半セクションがとても速かった。しかし、とにかくミスをしないで最後まで走りきろうと集中した。今大会、電子制御が改善されたことでとても乗りやすくなった。チームには本当に感謝している。今日の結果は自分の力というより、チーム全体で手に入れたと思っている」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 3位/3位)
「両レースで表彰台に立てたことに満足している。特に第2レースは、トップグループに加われて楽しかった。ジョニー(レイ)が優勝したこともチームにとってはいいことだった。いま、サスペンションのセッティングとのよいバランスを見つけることに集中している。今回はチャターがなくなったことでペースを上げられた。第1レースはジョニーとのバトルになったが、トップグループを捕まえることができなかった。第2レースは、自分の前でジョニーが芳賀をパスしたときに、このレースはジョニーが勝つかもしれないと思った。ジョニーにはついていけなかったが、スピーズについていこうとがんばった。抜けなかったが、第2レースも表彰台に立ててよかった」
レオン・ハスラム(スーパーバイク 6位/5位)
「久しぶりに本来の走りをすることができた。第2レースの序盤、優勝したジョニーと一緒に走っているときも楽に走れていた。しかし、シケインでスピーズがインに入ってきて、そのときはなんでもなかったのだが、立ち上がりでスピーズがバランスを崩し、そのためにコースアウトしてしまった。それから、リアタイヤにチャターが出るようになり、ペースを上げられなかった。前回のブルノは、悔しい結果に終わった。今回も決して喜べるものではないが、本来の走りが戻ってきてよかった」
清成龍一(スーパーバイク 14位/7位)
「第1レースは、タイヤの選択をミスして、まったくいいところがなかった。しかし、第2レースは、バイクのフィーリングもよく、オーリンズのサスペンションに慣れてきたこともあってペースを上げることができた。スタートはそれほどよくなかったが、7位まで追い上げることができた。ベストタイムを更新できたこともよかった。まだまだ自分の望むフィーリングではないが、シーズン残り3レースで、さらにリザルトを上げていきたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 2位)
「今日のカル(クロッチロー)は、本当に速かった。しかし、自分はベストを尽くしたし、現状のパッケージで最高の走りができたと思っている。ラスコルツとの戦いは厳しかった。最後までプッシュされたし、とにかく2位でチェッカーを受けようとベストを尽くした。カルとのポイント差は22に開いたが、残り3戦、カルに勝つために全力を尽くす」
マーク・エイチソン(スーパースポーツ 6位)
「今日はリアのグリップに問題を抱えていたが、中盤からいいリズムで走れるようになった。リアの問題がなければもっといい結果を残せたと思う。しかし、リスクを冒してまでペースを上げることはできなかった。今日は完走することが1つの目標だった。6位でフィニッシュできてよかった」
アンドリュー・ピット(スーパースポーツ 7位)
「旋回性にまだ課題は残っているが、だんだん本来の走りに戻ってきている。雨が降っているときにかなりタイムをロスしたが、終盤に向けてラップタイムはよかった。まだまだやらなければいけないことはたくさんあるが、着実にステップを刻んでいる。次のイモラでは、この流れをキープしていいレースをしたい」