夏休み明け最初のレースとなる第11戦ドイツ大会が4日、ニュルブルクリンクで開幕。シーズン中盤戦に入って調子を上げているジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が2番手、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)が3番手と絶好のグリッドを獲得した。今大会は出場した5台のCBR1000RRすべてがスーパーポール進出を果たし、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)が8番手、清成龍一(Ten Kate Honda Racing)が18番手だった。以下、ジョン・ホプキンス(Stiggy Motorsport AB)は19番手、ビットリオ・イアンヌッツォ(Honda)は20番手だった。
CBR1000RR勢で最上位の2番手につけたレイは、スーパーバイク初のPPが期待されたが、芳賀紀行(ドゥカティ)にわずか0.260秒届かず、惜しくも2番手。しかし、第8戦サンマリノ大会以来となる今季2勝目の期待が膨らんだ。雨になった金曜日のフリー走行では、芳賀に続く2番手。さらに1回目の予選では、快調にラップを刻み暫定PPを獲得した。
夏休み前まで課題だったリアのトラクション不足が改善の方向に向かった。その効果で、ウエットコンディションではトップタイムをマーク。これで好感触を得たレイは、ドライになった2日目午前中の2回目の予選でもトップから僅差の4番手と好調だった。このセッションでトップタイムをマークしたのは芳賀。以下、ベン・スピーズ(ヤマハ)、ミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)、レイと続いた。こうして、セッションをこなすごとに確実にセットアップを進めるレイ。スーパーポールを前に行われる2回目のフリー走行では、見事、トップタイムをマーク。今季初のPPを期待させた。
しかし、このセッションでレイは、不運にも1号車にトラブルが発生、それを修復している間、2号車でコースインして痛恨の転倒。スーパーポールへの影響が心配されたが、修復された1号車で快調にラップを刻んだ。上位20台で行われたSP1では、芳賀に続く2番手。16台で行われたSP2では4番手。そしてSP3では2番手と、初優勝を達成したサンマリノ大会以来の今季2勝目に期待が膨らんだ。
3番手にはハスラムで、7戦ぶり今季2回目のフロントローを獲得した。雨になった金曜日の予選では7番手。2日目の予選では9番手だったが、スーパーポールではSP1、SP2と順調に勝ち残り、SP3ではレイに続いて3番手につけた。チェカは予選7番手でスーパーポール進出を果たし、最終ステージのSP3に進出して8番手だった。雨となった金曜日は13℃前後の寒さ。2日目は天候が回復して19℃まで上がったが、チェカは寒さと雨で体調を崩し、苦しい一日となった。初日、ウエットコンディションで9番手とまずまずのスタートを切った清成は、2日目の予選で17番手と苦戦。スーパーポールでもSP1で18番手だった。
スーパースポーツは、カル・クロッチロー(ヤマハ)がPPを獲得。続いて、ケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)が2番手、ユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が3番手と、2台のCBR600RR勢がフロントローを獲得した。ディフェンディングチャンピオンのアンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)は、3列目10番手から追い上げのレースに挑む。
順位 | ライダー | マシン | タイム |
1 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 1:55.489 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:55.749 |
3 | レオン・ハスラム | Honda | 1:55.776 |
4 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:55.927 |
5 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:55.938 |
6 | T.コルサー | BMW | 1:56.296 |
8 | カルロス・チェカ | Honda | 1:56.699 |
16 | マシュー・ラグリブ | Honda | 1:57.293 |
18 | 清成龍一 | Honda | 1:57.522 |
19 | ジョン・ホプキンス | Honda | 1:57.523 |
20 | V.イアンヌッツォ | Honda | 1:59.279 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:57.866 |
2 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +1.335 |
3 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +1.507 |
4 | G.マッコイ | トライアンフ | +1.850 |
5 | M.ピロ | ヤマハ | +1.899 |
6 | 藤原克昭 | カワサキ | +1.913 |
9 | M.ロッコリ | Honda | +2.424 |
10 | アンドリュー・ピット | Honda | +2.589 |
12 | M.ラバティ | Honda | +2.692 |
13 | R.ハームス | Honda | +2.729 |
14 | マーク・エイチソン | Honda | +2.734 |
15 | アンソニー・ウェスト | Honda | +2.903 |
16 | ミゲル・プライア | Honda | +3.115 |
17 | D.デロモ | Honda | +3.229 |
19 | S.ロウズ | Honda | +3.489 |
21 | B.ヴェネマン | Honda | +3.839 |
22 | J.ギュンター | Honda | +3.969 |
23 | A.ボス | Honda | +4.177 |
24 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | +4.340 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 2番手)
「最後のアタックでPPを取れると思ったが、芳賀のタイムに届かなかった。今日のアタックには満足しているが、予選タイヤを100%生かせなかった。しかし、バイクの状態はとてもよく、1カ月間の夏休み明けとしてはいい走りができたと思う。この休みの間にバイクの開発は進んだ。スタッフに感謝したい。昨年、スーパースポーツで走ったときは、ニュルブルクリンクは、あまりうまく走れなかった。しかし、今年はとても気持ちよく乗れたし、好きなコースになった。とにかく明日に向けて十分に睡眠を取ってレースに挑みたい。とても楽しみだ」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 8番手)
「金曜日の雨。そしてドライになった土曜日と、まずまず順調にセットアップが進んだ。スーパーポールでは、最後のアタックの前にセッティングを変えた。おそらく、55秒後半から56秒前半を狙えたと思うのだが、うまくいかなかった。今日は熱があり、体調が悪かった。頭痛にも苦しんだ。明日までに体調を回復させて、いいレースをしたい」
清成龍一(スーパーバイク 18番手)
「雨になった金曜日はまずまず順調だったが、ドライコンディションは、ウエットほど気持ちよく乗れなかった。オーリンズのサスペンションにだいぶん慣れてきたが、もう少しセットアップの時間が欲しい。しかし、前回までに比べれば、ウエットもドライも、スムーズに乗れるようになっている。一発のタイムは出せなかったが、アベレージは予選順位ほど悪くない。決勝はもっと上の順位でフィニッシュできるはず。速いペースのグループに混じって戦いたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 2番手)
「午前中のフリー走行より1秒タイムを上げることができた。今回はセッションをこなすごとにどんどんセットアップが進み、すごく楽しかった。コーナーの出口でラインが安定していたし、アクセルを気持ちよく開けることができた。確かに、今日のクロッチローは速かったが、明日の決勝は、クロッチローとラバティの3人の優勝争いになると思う。明日のウオームアップでさらにセットアップを進め、決勝に挑みたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 3番手)
「2日間を通じて順調だった。レースペースもよく、まだ改善できるポイントがあるので、明日のウオームアップでさらにセットアップを進めたい。明日のレースでは、自分の力をフルに発揮し、できることなら1分58秒台から59秒台で戦いたい。前回のチェコは、スムーズに走るように心がけた。今回もそのフィーリングをキープした。そのおかげで、ここまで転倒もなかった。明日は、スタートがうまくいってカル(クロッチロー)の前に出られたら、この走りをキープしてトップを守りたい」